■キャッシュレス決済モデル事業・赤目と青蓮寺地区で実証実験
三重県は、キャッシュレス決済を推進するため、株式会社百五銀行(津市)の協力を得て、桑名市と名張市で3月15日まで実証実験を行っている。キャッシュレス決済とは、クレジットカードや電子マネー、スマートフォンでQRコード決済アプリ等を利用して、現金を使わず支払を行う決済方法。
名張市では赤目地区と青蓮寺地区の10店舗で実施している。同事業は、店舗にキャッシュレス決済を導入し、消費者の利便性や経済的効果などを調べそのデータを分析、その結果をもとに地域の活性化を図ることを目的としている。対象となっている赤目地区では、赤目観光ハウス有料駐車場、ドライブイン赤目、大日屋、333coffee、SANKAKU CAFE、つたやの6店舗。期間中参加店舗においてキャッシュレスで1,000円以上購入毎に1回抽選に参加。毎週土日、赤目自然博物館で抽選を行い、すき焼き用伊賀牛や伊賀米こしひかりなどが当たる。
大日屋の勝山美保さん(56)は、「コロナの影響で観光客がやや少ないが、若い人だけでなく、高齢者の皆さんもキャッシュレスを活用いただき、1人でも多くの方に赤目観光を楽しんでいただけたら」と笑顔で語っていた。
また、青蓮寺地区では、青蓮寺湖ぶどう組合いちご部、栢本農園、山本ぶどう園、森本農園の4店舗で、今が旬のいちご農園が参加している。山本ぶどう園の山本耕治さん(50)は「キャッシュレス使えますかと言った要望が以前からあり、それに応える形で導入を図った。いちご狩りで利用していただいているが、今後より一層活用いただき、利便性が高まればと思う」と話している。
なお、利用できる決済方法は店舗により異なる為、各店舗に問い合わせを。
■おひな様揃い踏み in やなせ宿
名張市旧細川邸やなせ宿中蔵において、昭和のひな人形が勢揃い。市内在住の方からの寄贈で、段飾り4組をはじめ、中蔵狭しといろんな表情をしたおひな様が顔をそろえて、市民の来訪を待っている。期間は3月7日まで。入場無料。
■いが再発見 No152
「名張の言葉〜名張市史の調査から〜」
10年目を迎える名張市の「ふるさと講座」が6日、名張市鴻之台の市防災センターで開かれ、名張市史編集専門部会委員で皇学館大学教授の斎藤平(たいら)さん(57)が、「名張の言葉〜名張市史の調査から〜」と題して講演。約80人が聞き入った。斎藤教授は地域言語としての方言がいかに住民の生活と結びついているかをキノコの例などを挙げて説明。時代の流れの中で方言が消えていくのはやむをえない、としながらも「生活の中で大切な方言を守るためにはみんなが使い続けることしか道はありません」と強調した。
斎藤さんは日本語学・社会言語学が専門で、名張市史編さんでは民俗部会に属して、主に生活の中で使われている言葉を調査してきた。この日は、日々の暮らしの中で使われる食品の名称が1つのテーマ。斎藤教授は名張市の調査と自身の出身地、伊勢・二見地方の例も挙げながら、肉や魚などに総称されるコトバから地域の人たちがどんなイメージを思い浮かべるのかを説明してくれる。
まずは失敗談から。住民にいろいろ質問したが、予想した回答がなかなか返ってこなかった、と苦笑する斎藤さん。「魚と問いかけて、アユやコイの答えを期待したのですが、フグもありタイもありで、みなさんの回答はバラバラ。また貝については、名張に蛭子神社のえびす祭りがあるので、ひょっとしてハマグリを想像したのですが、貝は食べないといわれてガッカリ。空振りに終わりました」
斎藤さんの頭にはふるさと・二見の貝のイメージがあったからだ。志摩で「貝」といえば真珠貝・アワビを指すことが多い。例を挙げてくれる。「貝掃除」は真珠貝に付いたフジツボなどを取り除き、きれいにすること、「貝柱」といえば真珠貝の貝柱のことで、ホタテでは決してない。また「かいどう」と呼ばれる貝道具は海女が使うアワビ起こしのヘラをいい、「貝寄せ」は3月の冷たい潮流を指し、アワビが深いところに移動するときに使う。事ほど左様にコトバと暮らしが密着していることが、挙げられた例によってよく分かる。
もちろん調査で収穫もたくさんあった。その1つの例がマツタケ。名張地方ではキノコ全般を総称して「マツタケ」と呼ぶ。シメジなどもその範囲に入るが、この場合はクソマッタケという言い方になるという。ここから推論できるのはマツタケが名張では豊富に採れて、人々の生活の中で定着していたからこそマツタケがキノコの総称になったのだと、斎藤教授は指摘する。ちなみに同教授の出身地ではキノコは、ただ「タケ」としか言わないのだそうだ。名張ほどマツタケが採れなかったのかもしれない。
「イモ」の例も斎藤さんは挙げてくれる。「1960年代までは、イモといえば…
続きは2月13日号の伊和新聞に掲載しています。
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キャッシュレス決済推奨店舗を示す昇り旗(青蓮寺・山本農園で)
「キャッシュレスで赤目観光を楽しんで」と語る大日屋の勝山さん
やなせ宿中蔵に勢揃いしたお雛様
「名張の言葉〜名張市史の調査から〜」をテーマについて講演する斎藤平・皇学館大学教授
コロナ禍にもかかわらず講演を聞くために集まった参加者たち
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