■■ 1月10日(木) ■■

 

■名張のローカルヒーローが快進撃 伊賀牛集団・部位3は華々しくCDデビュー
 名張市「出身」のローカルヒーローたちが活躍している。伊賀牛のPRに努める「伊賀牛集団・部位3(ブイスリー)」は昨年十二月、全国のローカルヒーローから厳選され、CD「決定盤ローカルヒーロー大全集」にテーマ曲が収録された。
ローカルヒーローは、地域住民や地方自治体、商店街、防災組織などが地域にちなんで企画するキャラクター。地域の宣伝や活性化などを目的に活動している。
名張市では、市民団体「ローカルヒーロープロダクション」(LHP、林一樹総裁)が相次いで世に送り出している。一昨年十一月二十九日の「いい肉の日」にデビューした「部位3」は、霜降りレッド(出身=マルフク)、牧草グリーン(出身=オクダ)、金賞イエロー(出身=モリワキ)の三人組。
三人は牛をモチーフにした衣装に身を包み、それぞれに必殺技を持つ。テーマ曲「Meat YOU」は林総裁の作詞、1869(イワロック)さんの作曲。インターネットなどを通じて知られるようになり、全国に四百ほどあるとされるローカルヒーローのテーマ曲のなかから、今回のCD収録十二曲に選ばれた。
昨年十二月のCD発売日には、名張市夏見のネクスト・ワン名張本店でライブが開かれ、ボーカル担当のKOAMIさん、MAYUMIさんの歌声に合わせて、部位3がダンスを披露した。
この日のライブには、同じくLHPによって生み出された「119団・アンシンダー」、「BUDOKA集団・ショウレンジャー」も出演。両親に手を引かれて訪れた幼児の人気を集めていた。
林総裁は「ほかにもたくさんのローカルヒーローを誕生させ、名張をもっとPRしたい」と話している。 CDはEMIミュージック・ジャパンからリリースされ、ネクスト・ワン名張本店などで販売。二千円。












 ■■ 1月3日(木) ■■

 
■新春紙上展 氷瀑回顧
  一月一日号につづいて、菊田実さん(名張市朝日町)が昭和四十年代の赤目四十八滝で撮影した「氷瀑」の写真を掲載する。(写真●菊田実)

■「やなせ宿」今春オープン
 名張市新町の旧初瀬街道沿い、名張川の清流を背負うように建つ旧家、細川邸が今春、「やなせ宿」としてオープンする。
細川邸を整備し、活用するのは、名張市が進めている「まちなか再生」の中核となる事業。古い町屋のたたずまいを生かし、名張川や名張のまちの風土を大切にしながら、誰もが気軽につどえる交流の場にするという。
  「簗瀬(やなせ)」は現在の名張地区の旧称。古代、名張川にアユを獲るための「簗」という仕掛けが設けられていたことにちなみ、古くからもちいられていたが、明治十三年、簗瀬から名張に改称された。


■「乱歩生誕地碑広場」整備
   日本に探偵小説を確立した作家、江戸川乱歩の生誕地碑が建つ名張市本町、桝田医院第二病棟は、「江戸川乱歩生誕地碑広場」に生まれかわる。二〇〇七年度中に設計が行われ、〇八年度に整備される見込み。
江戸川乱歩は一八九四年(明治二十七)、新町の医師が所有していた借家に生まれた。生後まもなく一家で転居したため、名張のまちを知ることなく成長し、五十代後半だった五二年(昭和二十七)、名張を訪れて初めて生家跡に立った。
生家跡は桝田医院の中庭になっていたが、まちの有志が浄財をつのり、中庭に生誕地碑を建立。一九五五年(昭和三十)十一月、乱歩夫妻を迎えて生誕地碑が除幕された。五九年九月の伊勢湾台風で、新町一帯は床上浸水などの被害を受けた。それを機に桝田医院が増築されることになり、生誕地碑はせまい路地を挟んだ向かいに位置する第二病棟の中庭に移設された。
二〇〇四年、第二病棟の土地と建物が、「乱歩にちなんで活用してほしい」と所有者から名張市に寄贈され、活用策が検討されたが、結局、広場として整備することになった。
広場には、乱歩と名張の関係などを記した案内板も設置される予定。
  江戸川乱歩は、津藤堂藩に仕えた武士の家柄に生まれた。明治時代なかば、父親が名張郡役所に二年ほど勤務していたとき、長男として誕生した。本名、平井太郎。名張を題材にした随筆に「ふるさと発見記」「生誕碑除幕式」などがある。生誕地碑には乱歩の揮ごうで「幻影城」「うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと」という言葉が刻まれている。


■新春謡曲仕舞大会
 名張市社会教育振興会と名張能楽振興会は十三日、市青少年センターで第二十二回新春謡曲仕舞大会を催す。
出演は桔謡会(観世流)、青風会(同)、遊楽の会(同)、名張金剛会(金剛流)、名張松声会(観世流)、児童謡曲仕舞教室(同)、こども能楽囃子教室(金春流、森田流)、名張子ども狂言の会(大蔵流)、名張千鳥会(観世流)、邦謡会(同)。正午開演。無料。 ? 

■おきつも名張劇場公演
 名張市の劇団「おきつも名張劇場」は二十六、二十七両日、美旗市民センター二階ホールで第十二回公演「千年前の恋物語」を催す。名張文化協会設立三十周年記念。
平安時代に書かれた「落窪物語」をもとに、哀野夕さんが脚本を手がけたオリジナル作品。ひとりの姫君が母を失い、継母にいじめられながら、すばらしい貴公子に巡り会って幸せを手にする。演出は三枝孝行さん。
キャストは森岡順子、麻田純一郎、山本衣子、辻本秀一、福森譲、田中明子、松本妙子、亀井利克、山田太郎、越山森羅、松本寿次のみなさん。
  二十六日は午後六時半、二十七日は同一時半に開演。前売り券は一般千五百円、小学生から高校生までは五百円(いずれも当日は三百円増し)。問い合わせは事務局の三枝さん(電話0595・63・2279)へ。


■茂山一門名張狂言会
 「茂山一門名張狂言会」は二十七日、名張市青少年センターで催される。NHK朝の連続ドラマ「ちりとてちん」で活躍中の茂山宗彦さんも出演する。
演目は、茂山千五郎・逸平・茂さんの「蝸牛」、茂山七五三さんと網谷正美さんの「魚説教」、茂山宗彦・茂・逸平さんの「太刀奪」。
午後二時半開演。入場料は一般二千円(当日二千二百円)、高校生以下八百円(当日千円)。県文化振興事業団の助成により、入場料は通常の約半額。
  問い合わせは市青少年センター(電話0595・64・3478)へ。


【滝つぼも結氷(千手滝)】


【氷雪に埋まる(不動滝)】


【みごとな造形美(琵琶滝)】



 ■■ 1月1日(火) ■■

 
■新春紙上展 氷瀑回顧
 菊田実さん(名張市朝日町)の新春紙上写真展。今年は、四十年ほど前の赤目四十八滝を回顧していただいた。
滝が凍りつく「氷瀑」の造形美にひかれ、仕事が休みの日には早朝から冬の赤目滝に通いつめて、菊田さんが千変万化する氷の表情を切り取ったのは、昭和四十年代後半からのこと。氷瀑の美は、まだ一般には知られておらず、撮影は静寂のなかの孤独な作業だった。
「マイナス五度以下の日が一週間つづくことが、氷瀑の条件でした」というが、このところ暖かい冬がつづき、強烈な寒波が氷瀑を出現させることはめったになくなった。 「地球温暖化のせいでしょうか。大自然が演出する雪と氷のアートが見られなくなったのは、やはりさびしいことです」という菊田さんの作品で、厳寒の赤目滝を紙上に再現する。

 赤目四十八滝で氷瀑が見られた昭和四十年代。名張市ではどんな動きがあったのか。
昭和四十年(一九六五)には、桔梗が丘住宅地の入居が始まった。前年、近鉄伊賀線の伊賀神戸・西名張間が廃止され、大阪線に桔梗が丘駅が開設された。
四十一年には、南町に名張産業会館が完成。四十二年、県道上野名張線の全面舗装が完了。四十三年、桔梗が丘中学校開校。四十四年には、南町に名張警察署新庁舎、中央公園に市民プール、丸之内に市立図書館が誕生し、蔵持工業団地の造成が完了した。
昭和四十五年(一九七〇)には青蓮寺ダムが完成し、室生・赤目・青山国定公園が指定された。 四十六年、伊賀南部消防組合が発足。四十七年、桔梗が丘小学校が開校し、蔵持小学校旧校舎が明治村に移築された。四十八年には、名張桔梗丘高等学校が誕生し、国道一六五号が全線開通。市制二十周年を迎えた四十九年には、五期二十年にわたって市政を担当した北田藤太郎市長が退任し、二代目市長に永岡茂之氏が就任した。
大規模住宅地の開発で関西圏の人口をうけいれ、発足当初は三万人だった人口が八万人を超えるまでになった名張市の歩みが、このころスタートしたといえる。




































【高さ十メートルの大氷柱(縋藤滝)】


【白布の流水も凍る(布曳滝)】


【岩壁覆う氷雪(大日滝)】


【雪と氷に閉ざされる(荷担滝)】


【雪と氷が生み出した怪奇な造形(雨降り滝)】