■アート二題-2 「伊賀に人あり」手づくり作家展
多種多様なアートを追求する地元作家が一堂に集う「伊賀の手づくり作家展」。昨年12月17、18両日には名張市瀬古口のハートアイランドでクリスマスバージョンが開催され、13人が陶芸、書道、切り絵、木工、クラフトなどの作品を寄せた。
主催は名張地区の中心市街地活性化を目指す市民団体、名張シンクス(藤森修代表)。伊賀地域で手づくり作品に取り組む人たちに発表の場を提供し、まちおこしの呼び水にしたいとスタートさせた。
合言葉は「伊賀に人あり、技に文化あり」。昨年6月4、5両日には名張産業振興センターアスピアをメイン会場に第13回展が開催され、プロもアマも、ベテランも新人も、77人の作家がそれぞれの技を披露した。特設ステージには太鼓やダンス、狂言が登場し、飲食コーナーやまちなか散策のミニツアーなどもにぎわった。
中心になって催しを切り盛りする名張シンクスの山下多紀夫さんは「名張のまちのアートイベントとして作家にも市民にも親しまれています」。
今年も6月に第14回展が開かれるほか、ハートアイランドを会場にした定期展も企画されているという。
■蕉門キネマ「一枚のハガキ」
伊賀市大谷の前田教育会館蕉門ホールで2月4日、蕉門キネマゼミ映画鑑賞会が催され、4月に百歳を迎える新藤兼人監督がみずからの体験をもとに引退作として製作監督した「一枚のハガキ」が上映される。
戦争末期に召集された中年兵士が生き残り、戦死した兵士から託されたはがきを携えて故郷に帰るが・・・。出演は豊川悦司、柄本明、大竹しのぶ、大杉漣ら。
上映は(1)午後2時(2)7時の2回。前売り券は一般1,000円、高校生以下800円(当日は各300円増)。問い合わせは前田教育会(電話0595・24・5511)へ。
■5クラブから審査で選抜・34人が出品し新春写真展
名張市内で活動する5つの写真サークルが審査を経て作品を発表する「5クラブ選抜 新春写真展」が13日から15日まで元町、イオン名張店3階リバーナホールで催される。
朝日町、菊田実さんを講師に市内の公民館で写真を学ぶ光影(名張公民館)、和光(比奈知同)、美光(美旗同)、写楽(蔵持同)、錦(錦生同)の五つのフォトクラブが参加。写真仲間がライバルとして競い合う初めての試みで、「クラブの威信をかけた作品展です」と菊田さん。
スタートは昨年4月。5クラブのメンバー全員がみずから選んだ課題で10枚の組写真を提出し、菊田さんが12月に審査。34人が選抜され、ひとり2点ずつ力作が展示される。
午前10時から午後6時(最終日は5時)まで。
出品者は次のみなさん。
生田常、石尾定美、今中靖、梅本すみ子、奥田清一、奥西勲、奥村泰弘、梶原道明、木野喜市、郷ひとみ、神志那啓子、高塚剛氏、小竹庄吾、米野克己、柴田勝也、下浦義史、杉村浩
須美忠雄、園田義博、高松敏昭、竹本健、寺川昌太郎、中村満、中村マスミ、中森公久、中森千榮、西山孝義、長谷川清、福本好成、藤原淑隆、松田賢治、南義雄、吉田以彦、菊田実(講師)
■16日にロビーコンサート〜新春は相撲甚句でおめでとう
伊賀県民センターの新春ロビーコンサート「あけまして 相撲甚句で おめでとう」は16日、伊賀市四十九町の県伊賀庁舎1階ロビーで開かれ、新しい年の開幕を飾る。午後零時15分から50分まで。
出演は上野市相撲甚句愛好会。1967年、旧上野市で結成され、会員5人が活動を開始。相撲甚句の愛好団体として全国を対象に甚句の普及を進め、各地で愛好会組織が結成されるきっかけをつくった会として知られている。
現会員は13人。2年に一度、両国国技館や江戸東京博物館で開かれる全国大会に出場するほか、各地でステージに立っている。結成45周年の今年はとくに地元での活動に力を入れ、記念の書籍やCDも制作するという。
披露する曲目は「賀正」「千代の国」「お国自慢」「長寿の口上」ほか。
入場無料。申し込み不要。問い合わせは同センター県民防災室生活課(電話0595・24・8137、担当=中山さん)へ。
伊賀の物産などを紹介する「伊賀のとっておき」には、大相撲初場所で新入幕を果たす伊賀市出身の千代の国関(本名=澤田憲輝さん、九重部屋)の後援会(坂本信喜会長)が登場する。正午から15分間。
■麻耶雄嵩さんの新作 人物名に伊賀の駅名
依那古、桑町、市部、川合、赤目、新堂、丸山、比土・・・。登場人物の名前がひとりを除いてすべて伊賀地域に実在する駅名や地名。そんなミステリ小説「バレンタイン昔語り」が文藝春秋の「オールスイリ2012」に掲載されている。作者は伊賀市出身の麻耶雄嵩(まや・ゆたか)さんだ。
麻耶さんは1969年生まれ。県立上野高校から京都大学工学部に進み、在学中は推理小説研究会に所属した。九一年、『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』を刊行して作家デビューし、昨年、『隻眼の少女』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した。
「バレンタイン昔語り」は「神様シリーズ」の一編。田舎町の小学校で「神様」を自称する鈴木という四年生が、クラスメートの桑町淳に「犯人は依那古朝美だよ」と宣告するところから始まる。二年前のバレンタインデー、同級生の川合高夫が池で溺れ死んだのは事故ではなく殺人だったのか・・。非日常的な独自の小説世界に不可解な謎がくりひろげられる。
伊和新聞と伊和ジャーナル本年もよろしく
あけましておめでとうございます。
大正時代から伊賀地域を見つめてきた地方紙・伊和新聞と、日刊紙の折り込みでお届けするフリーペーパー・伊和ジャーナルを、本年もどうぞよろしくお願いします。
伊和新聞は伊賀市と名張市の政治や経済を中心に幅広い題材を深く掘り下げて報道しています。伊賀の近代化に生涯を捧げた事業家を描く「田中善助伝」では、田中善助がいよいよ県下初の水力発電事業に乗り出してゆきます。
伊和新聞は毎週土曜日発行で、定期購読料は一か月600円。郵送の場合は別途160円が必要です。お申し込みは伊和新聞社(電話0595・63・2355)へどうぞ。
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昨年6月に催された第13回
伊賀の手づくり作家展
12月にはクリスマスバージョン
がにぎわった
映画「一枚のハガキ」
上野市相撲甚句愛好会
「オールスイリ2012」 |
■アート二題-1 全国に発信イガデハク
その名も「イガデハク」と「伊賀の手づくり作家展」。伊賀を舞台にしたふたつのアートイベントが好評だ。多彩な作品が並ぶ会場には作家が個性をあふれさせ、入場者との交流も進む。回を重ねて地域にもすっかり定着した。
9回目を迎えた「イガデハク」は昨年12月2日から4日まで、伊賀市の県立ゆめドームうえので催された。「伊賀でデザイン博」を合言葉にしたアートとクラフトの祭典に、過去最多となる86組162人が13,400点を出品。ものづくりの多様さや楽しさ、醍醐味を伝えた。
伊賀から全国に発信するアートイベントを、と地元の美術家などが実行委員会を組織し、広く参加を募って年一回ずつ開催。第9回ではこれまでより会期を一日多くして、地元伊賀から新規参加する人のための「チャレンジ枠」の日とした。
出展者は、四割が伊賀地域在住、6割は近畿や東海を中心に各地に広がる。展示だけでなく販売や実演もあり、ユニークなアートイベントとして毎年、人気を集めている。実行委員長の下猶茂樹さんは「全国規模の催しに育っています」。 「伊賀の手づくり作家展」の話題は 1月3日号に掲載。
菊季節の風を感じて・・菊田実新春紙上展
ふるさとの四季を撮る
名張市朝日町、菊田実さんの写真による恒例の新春紙上展です。四季おりおりの名張市内の風景をお楽しみください。
冬のまちなかに舞う雪、春を待って懸命に咲いた桜、夏の池を涼しげに漂う睡蓮、秋を鮮やかに彩る紅葉・・・。どれも懐かしいふるさとの風景です。
本日発行の伊和新聞新年号には、菊田さんの作品をカラー印刷でご紹介する全十点の新春紙上展を掲載しています。あわせてご覧ください。
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冬・中町「一の鳥居雪の朝」
春・赤目延寿院「老桜見事に咲く」
夏・桔梗が丘丈六谷池「睡蓮可憐」
秋・国津長瀬「名張川畔を彩る紅葉」 |
昨年12月、過去最多の出品点数で開催されたイガデハク
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