■上田保隆さんが伊賀上野展
伊賀の風土や歴史を象徴するモチーフとしてフクロウを描きつづける伊賀市霧生の洋画家、上田保隆さんの個展「伊賀上野展」がこのほど伊賀市上野福居町の画廊「アートスペースいが」で催された。同市内では3回目の個展。
上田さんは昭和12年、伊賀市(旧青山町)生まれ。大阪府池田市に住み、関西学院大学文学部美学科を卒業。画業に専心していたが、師と仰いでいた3人の画家が相次いで世を去り、30代なかばで道に迷った。迷いのなかで司馬遼太郎が伊賀忍者を描いた長編小説「梟(ふくろう)の城」を読んで大きな啓示を受け、フクロウは伊賀者の化身だと感じたという。
故郷に思いを馳せながらフクロウを題材にした作品を描きはじめ、昭和51年、大阪の画廊で「梟は忍者の化身である」と題した個展を開催。53年には20年ぶりで伊賀に帰り、生家をアトリエにして制作をつづけた。二紀会会員で、三重県洋画協会の会長も務めている。
アートスペースいがは2年前のオープン。古美術商を営む寺村尚さんが妻の貴視子さんと夫婦で切り盛りしているが、本格的なギャラリーの開設は貴視子さんの40年来の夢だったという。
上田さんは「忍のこころ 描き続けた50年」をテーマに、油彩画25点と、3年前から制作しているというフクロウの顔を造形した陶板14点を出展。案内状には「伊賀の上野は私の原風景」と記し、その伊賀上野のギャラリーでの個展を「風土や伝統、人の営みなど、独自の文化性から生まれる伊賀の魅力を見直す機会にしたい」と話していた。
■出展は1万1200点にぎわったイガデハク
アートとクラフトの作家が展示即売と仲間づくりを進める「イガデハク 伊賀でデザイン博2016」が2日から4日まで伊賀市ゆめが丘の県立ゆめドームうえので催され、市内外から足を運んだ親子づれなどでにぎわった=写真下。
2003年に作品発表と交流の場を求め、「伊賀で始まる、伊賀からはじまる」をテーマにスタート。今年は約110組、約180人が集まり、約1万1,200点を出品。うち伊賀地域からの参加は約4割。遠いところでは北海道、福岡から出展した人もあった。
実行委員会の下猶茂樹さんは「地元作家のあいだには、イガデハクはレベルの高い作品を発表するステージだという共通認識が定着してきたようです」という。今年はゆめドームうえののほか、隣接のゆめポリスセンターをサブ会場とし、さまざまな体験の場などを提供した。また昨年、実行委員会を一般社団法人にし、前回まで仲間で手がけてきた会場の設営と撤去の作業を一部外注して費用を出品者に負担してもらうなど、この先も長くつづけてゆくための仕組みづくりにも取り組み始めたという。
名張商工会議所女性会エアロビクスのご案内
▽日時=毎週土曜日(第5土曜日は休み)午後7時30分〜8時30分
▽場所=名張産業振興センターアスピア
▽講師=松山比香里先生ほか
▽参加費=1人1回500円。動きやすい服装、靴でお越しください。
▽持ち物=タオル、飲み物等。
※都合により場所の変更がある場合もありますので、名張商工会議所HP女性会バナーもしくは電話63・0080までお問い合わせください。
【名張商工会議所/電話63・0080】
森公美個展 7日から11日まで津市中央、三重画廊(電話059・225・6588)で。森さんは伊賀市生まれ、名張市西原町在住。創造美術会中部支部長。今年の創造美術展で最高位の大賞を受賞した。午前10時から午後6時(最終日は5時)まで。 |
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