■■ 5月18日(土) ■■

 

■いが再発見 No66・菅笠日記でたどる本居宣長の旅
東大寺のお水取りも終わり、関西にようやく春がやってくる。その象徴はやっぱり桜。その桜をこよなく愛したのが、松阪生まれの国学者、本居宣長(1730〜1801)である。宣長は1772年(明和9)3月、友人たちと世間に知られた吉野の桜見物に出かける。その旅の様子を綴ったのが菅笠(すががさ)日記。松阪から伊勢路を進み、初瀬街道の名張、榛原を経て吉野への足かけ10日間の旅。その一部分となる伊勢地宿から榛原宿までの区間を伊賀市史編纂に8年間携わった山本厚さん(39)にルートを教えてもらい、たどってみた。(小谷虎彦)
伊勢地宿
本居宣長が松阪を出発したのは3月5日のこと。日付は旧暦だから新暦に直すと4月の初め。桜がほころび始めるころだ。宣長43歳のときである。この日、松阪から伊勢街道を行く。三渡(みわたり)に橋があり、そこが街道の分岐点。当時は六軒茶屋の追分があった、とある。ここは現在、六軒と呼ばれている。追分は分かれ道のことだから、ここから西が初瀬街道と呼ばれたのか。
山本厚さん
山本さんによれば、昔の旅人は1日に30〜40`を歩くのが当たり前だったという。宣長が最初に泊まったのは伊勢地宿。松阪からだいたい10里のところにある。1里は4`だとすると40`の行程。1時間に4`歩くと10時間の計算だ。人生50年時代の宣長さん、43歳の中年男である、よく歩くなあ、と感心する。
ここでまた山本さんの解説。「当時、伊勢地宿の手前の青山峠は、街道一の難所。峠を越えた人はほっとひと息。これから越える人はさあこれから頑張るぞ、と英気を養ったところでした」
日記に戻ると、宣長は難所の青山峠を越えるころ雨にあう。おまけに日は暮れて、知らぬ山路を行く不安。心細さに襲われるが、苦労の末、ようやく伊勢地宿に到着する。「うれしさもいわんかたなし」とよろこんだ。きっと宣長と同じような気持ちの旅人が大勢いたに違いない。そういう場所だから、伊勢地宿は初瀬街道で最も大きい宿場町として繁盛した。全盛期には20軒も旅籠(はたご)が立ち並び、1日何百人もの旅人が宿泊したという。伊勢地宿の中に入ってみる。幅2・5bほどの道幅の両側に古そうな家が立ち並ぶ。道がカーブするあたりに大きな常夜灯。今から約200年前、1828年(文政11)に作られたものだ。昼間だったが人通りはなし。
続きは3月25日号の伊和新聞に掲載しています。※ご購読は名張市上八町1482 伊和新聞社 電話63局2355まで。定価月650円(郵送地区別途)、一部170円。

■ロボット作ろう・Jrロボコン三重
「ジュニアロボコン2019in三重」は、県内の中学生と津市近隣の小学5・6年生を対象にした3泊4日の宿泊型ロボット製作キャンプを実施する。ロボットの製作を通して科学技術への興味と関心を高め、社会に求められる人材を育成するのが狙いで、テーマは「みせる」。県ジュニアロボコン実行委員会が主催、申し込みは6月8日まで。
1チーム8人の6チーム編成とし、チームごとに2台のロボットの設計、製作を行い、相手チームと対戦する。ロボコンの競技規則は平成31年度創造アイディアロボットコンテスト応用部門「復興への願い2」を基本にする。
募集は8月15日から18日まで津市青少年野外活動センター(津市神戸1680の1)で3泊4日の共同生活ができ、最後まであきらめずに元気に活動できる人。小学生については、けがなどの緊急時に保護者がすぐに迎えに来てくれる人が対象。参加費2万円、48人の募集だが、多数の場合は抽選。6月8日締め切り。成果は三重大学第1体育館(津市栗真町屋町1577)で発表する。
問い合わせは三重大学教育学部技術・ものづくり教育講座 技術科教育研究室 電話059(231)9307まで。

■第11回「スケッチ100万歩」水彩画展
6月10日から15日まで名張市桔梗が丘6番町の桔梗が丘市民センターで令和最初のグループ展(竹之矢宏主宰)を開催する。午前9時30分から午後4時30分(初日は正午から、最終日は午後1時)。
出展は松本鉄次郎、山口勝子、石橋三津子、長江宏、道上洋子、杉本澄子、辻田泰子、日野佳子、西川玲子、見掛久子、高地武正、河合多津子、加藤進啓、成澤福江、森浩久の皆さん。


宣長のたどった初瀬街道のルートを教えてくれた山本厚さん

200年前に建てられた伊勢地宿の常夜灯。今も古い町並みが残っている