■■ 7月12日(土) ■■

 

■伊賀再発見 No76
写真のストーリー性追求し 早や20年
名張市在住のアマチュア・カメラマンで組織する写真家集団「写団なばり」(会員12人、松田賢治代表)が結成以来、今年で20年目を迎えた。その記念展が、このほど市内の「リバーナホール」(イオン名張店内)で開かれた(6月14〜16日)。同グループは自然風景、町中スナップ、祭り、造形などを1枚でなく、4枚を組み写真にして主にストーリー性を追求するところに特長がある。記念展に出品した作品を通して、松田代表をはじめベテラン会員に自らの歩みを振り返ってもらった。
松田賢治さん
松田賢治さん(79)がカメラに興味を持ったのは中学生のとき。父親がカメラを持っていたからだ。それがきっかけになり、中学でクラブに入り写真を撮り始める。だからアマチュアとしての写真歴は半世紀を超える。しかし、松田さんは「写団なばり」の創立会員ではない。
「同会ができたのは1999年、今から20年前のことだ。私は会員になってまだ12〜13年くらいしかなりません。この会は菊田実さんが中心となって、1枚の写真でなく、組み写真を発表しようと7〜8人でスタートした、と聞いています。現役では瀬森義和さんだけになりました」
会員は現在12人。ある程度、カメラ技術を持った人ばかりの集団である。会員の感性もいろいろだ「風景が好きな人もいれば町中の表情や人物に興味のある人、スナップ写真が大好きな人もいます」と松田さん。今回、20周年を迎えるにあたり、お互いの作品を吟味したが、もう1つイベントをやろうということになる。それが額入り写真のプレゼントだった。松田さんはいう。「居間に飾ってもらおうと、各会員のお気に入りの写真をそれぞれ額に入れて用意しました。入場者60人にお渡ししたのですが、みなさんに喜んでもらい、よかったです」
松田さんは小紙とも関係がある。正月紙面で「ふるさとなばり四季10景」と題して、名張の四季折々の風景を掲載してもらっているからだ。最近は風景に関心がある、という松田さんだが、今回、出品したのはゴルファーのスナップ。県内のゴルフ大会での選手の一瞬の動きをとらえたものだ。その中の1枚で目を引くのはパターを打つゴルファーの足元。グリーンに立つ選手の足、あとはボールとパターだけが写る。私には足元を撮ろうとする発想はないから、ただ見とれるだけだった。
松田さんに写真の魅力を聞いてみる。「ホンマの写真が撮れたと思う瞬間。その感動かな。たとえば朝、3時起きして現場に行く。周りが霧で覆われている、太陽が当たっている、あるいは霧氷ができているとか、その日の気象条件があります。狙った条件に遭える時は4回に1回くらい。それプラス対象に光と影をうまく作れないと写真にはなりません」
聞いていると撮影は体力勝負と熱心さに尽きるのでは、と思ってしまう・・・
続きは6月22日号の伊和新聞に掲載しています。※ご購読は名張市上八町1482 伊和新聞社 電話63局2355まで。定価月650円(郵送地区別途)、一部170円。

■ダイオウイカ大かいぼう・三重大が海の日企画
三重大学医学部附属病院は15日、病院から大海原を考える「ダイオウイカ 大かいぼう」を海の日特別企画として上映会を開催する。
いまだ多くのナゾに包まれた深海に生きるダイオウイカを三重大学や全国の外科医師が、世界的に有名な国立科学博物館の窪寺恒己(くぼでらつねみ)博士と三重大学生物資源学部で、海洋生物学を研究する宮崎多恵子准教授と組んでプロジェクトを立ちあげた。今回はその記録をまとめたドキュメンタリー作品。
プロジェクトでは、窪寺博士が国立科学博物館内で冷凍保管しているダイオウイカ一体を24時間かけ解凍し、体内の内臓を詳しく研究、さらに日本全国から集まった大学病院の外科医を中心とした解剖チームが、神経細胞の走行の解明や、体内の奥に埋もれている耳石の抽出を目的とした手術を実施した。さらに、日本全国でダイオウイカに遭遇した漁師やダイバーへの取材を行い、偶然撮影された秘蔵写真や映像の収集もしている。
素晴らしい映像と生命の進化の謎と人類の未来との深い関係性を探求していくストーリーに仕上がっている作品は、体長7から12bにおよぶ神秘の生物ダイオウイカが生息する日本の海域の貴重さを伝えるもので、子供から大人まで楽しめる企画となっている。
主催は三重大学医学部附属病院形成外科。参加は無料、定員100人。午後1時から2時まで外来5階大ホールで。
問い合わせは059(231)5401まで。


「グリーンの魔術師」の作品の前に立つ松田賢治さん


会員12人の集合写真