■■ 5月23日(土) ■■

 

■寄贈マスクを地域へ配布・名張市社会福祉協議会
名張市社会福祉協議会(奥村和子会長)は、同協議会の善意銀行に寄贈された使い捨てのマスクやゴム手袋を、各市民センターへ配布を始めた。5月11日には百合が丘市民センターに届けた。
同協議会によると、精肉のオクダからマスク50枚入り120箱、名張ロータリークラブから手袋100枚入り10箱が善意銀行に寄贈された。寄贈者からは地域づくり組織や配食グループ、子ども食堂へ配布してほしいとの要望があり、配布をしたという。
百合が丘市民センターでは地域づくり協議会の時枝民生会長らが市社協地域福祉課の永岡良仁経営企画専門員らからマスクを受け取った。
時枝会長は「マスクが手にいらず困っている人は多い。大切に使わせていただきたい」と感謝を述べた。
同協議会では配食サービスのボランテイアや利用者へ配布する予定とのこと。

■「休校中もがんばろう」コロナウイルスに負けない心身を
新型コロナウイルスで休校が続き運動不足になりがちな生徒たちを励まそうと、名張市教育センターや市内の先生らが中心になって小中学生向けの学習サポート番組をつくることになった。市内のケーブルテレビ局・アドバンスコープが来週から放送するほか、インターネットでも公開する。
収録初日の5月12日は、名張中学校体育館で市内の9小中学校の教諭ら38人が集まり、2016年に市立百合が丘小学校で考案された体幹を鍛える「コアコア体操」に取り組んだ。
まず最初に、北中学校の氏家裕香先生が指導、全員が両腕を肩の高さまで上げてジャンプしながらの体操などを撮影した。
市教育センターの寺島哲司さんは「自宅で運動して心身を鍛え、学校でみんなで楽しく運動できる日を楽しみにしています」と励ました。
この日収録した動画は1時間番組に編集され、18日以降の平日午前9時から放送されている。
松田和隆センター長は「子どもたちが知っている先生も登場する。今後も学びにつながる番組を作りたい」と話した。

■いが再発見 No118 名張市内に残る厄除けの痕跡探す
新型コロナウイルスの感染拡大がいまだ収まりそうにない。予防ワクチンもなく、みんなが不安に駆られる毎日だが、いまネット上で拡散、人気を呼んでいるのが「アマビエ」の妖怪。江戸末期、カッパに似た半人半漁の姿で人前に現れ、「自分の姿を写して他人に見せたら疫病退散にご利益がある」といって海中に消えたと伝わる。その姿を載せた瓦版(現在の新聞)は注目され、各地に広がった。いつの時代も病気は人々の最大関心事なのだ。名張市でもかつてコレラや疱瘡(ほうそう)などの疫病は恐れられたはずで、その厄除けの痕跡が残っていないのか、場所を探してみた。
その場所はどこにあるのか、やみくもに探しても分かるはずがない。郷土史に詳しく、日本民俗学会員でもある山口浩司さん(52)に教えてもらうことにする。「疫病退散では最近、アマビエが話題になっていますが、これは海での話なので、伊賀ではちょっとムリです」と山口さん。疫病退治を考えるなら、まず第1は名張各地の祇園祭だというのだ。
祇園祭といえば頭に浮かぶのは京都・祇園の八坂神社。京都市内を練り歩く山鉾(やまほこ)巡行がテレビで放映され、全国的に有名になったが、本来は疫病や天災の厄除けだった、と山口さんはいう。「平安朝の初期、京都に疫病が流行したとき、これを退散させるために鉾を立て神輿(みこし)を神泉苑に送ったのが始まり。この行事が祇園御霊会(みたまえ)で、その後、疫病や天災が起きたときに随時行い、これがやがて祇園祭と呼ばれるようになったのです」
伊賀地域は名張川、木津川を通じて水上交通の面で京都と近い。名張地域で行われる祇園祭も都の文化が色濃く投影されるのは当然だ。 
その1つが夏祭りの一環として行われるウチワ取り(ウチワまき)のイベント。八坂神社では祭りのとき、鉾や山車(だし)の町内会でウチワが配られる。山口さんによれば、祭りで配布されるウチワには、厄除けのご利益があり、疫病退散の護符として用いられるようになったのではと推測する。
祇園の祭神はインドの疫病神、牛頭天王(ごずてんのう)であり、日本では習合してスサノオノミコトになった。竹のササに結んだウチワを取り合うのは、その荒ぶる神から奪うことで、ご利益があるのである。
名張で現在、ウチワ取りの面影を残しているのが上比奈知にある国津神社の祇園祭である。どんなふうに行われるのか。上比奈知地区の山本総代(72)に昨年の祭りの様子を聞いてみる。「大人用に青竹2本を用意。ウチワは100本そろえて、それを竹のササにつけるのです。だから1本にウチワ50本ですか。そのウチワをつるした竹2本を境内に立てて、夜7時ごろから、その竹を上げたり下げたりしながら大人がウチワを取り合うのです。昨年は30人ばかり参加してくれてありがたかったですよ。このところ参加者が少ないのが悩みではありますが」……
続きは5月16日号の伊和新聞に掲載しています。
※ご購読は名張市上八町1482 伊和新聞社 電話63局2355まで。定価月760円(郵送地区別途)、一部200円。


名張市社会福祉協議会地域福祉課の永岡良仁氏(左)からマスクを受け取る時枝民生地域づくり協議会会長


「コアコア体操」撮影会の様子


山口浩司さん


上比奈知の国津神社