■田中小枝展「土器」
陶芸家・田中小枝(たなかさえ)さんの作品展「土器」が名張市新田の堤側庵ギャラリーで開催される。
田中さんは津市出身で、96年に倉本尚氏に師事、99年に築窯し、現在は白山窯にて日々制作に励んでいる。「おおらかで、穏やかで、静かで…その奥に強さも感じられるような作品を作りたい」と、野焼きにこだわり、土器を制作している。
これまで三重県を中心に各地で個展を開催してきたが、堤側庵では初の個展となる。今回は大型の作品や、漆で実用化された花器うつわなど、新作約50点を発表する。
開催期間は9月4日から9日、午前11時から午後6時まで。
お問い合わせは、堤側庵ギャラリー 電話0595・65・3002(中内)まで。
■いが再発見 No129 「百合が丘めだか同好会」
名張市百合が丘のメダカ愛好家たちが「百合が丘めだか同好会」を立ち上げた。6月に発足。7月に2回目の会合を開いたばかりだ。発起人で会長の丸岡秀通さん(76)は5年前にメダカを飼い始めたが、メダカに関心のある人からたびたび飼い方の質問を受けるうちに「お互い集まって飼い方の情報を交換、親睦を深めたほうがいいのでは」と同好会の設立に踏み切った。70〜80代が中心の会員は現在15人。アドバイスをしてくれる顧問の中には、メダカに入れ込んだあげく、メダカを商売にする人もいてびっくり。メダカといえば小川にいるものと長年思っていたが、違った。現在の主流は「改良メダカ」だった。
「小学5年生の子どもたちがメダカの産卵を観察していたのですが、小さな卵を採取する学童たちの表情は真剣そのもの。生命の誕生がどんなに厳粛なことなのか、身をもって体感しているようでした」
5年前、市の老人クラブ連合会副会長だった丸岡さんは知人に誘われ、桔梗が丘南小学校で行われたメダカの授業を参観したときのことである。その光景がいまも強い印象として残っている。「あの子どもたちにはメダカの産卵の記憶はいつまでも残っているに違いない。きっとどんな生き物に対してもやさしく接する大人になってくれるのではないか」
そんな思いがあるうえに、丸岡さん自身も動物が大好き。「何か小さな生き物を飼ってみたい」と思っていたところに、知人からメダカを5、6匹分けてもらった。それが飼育のきっかけになる。今ではそのメダカは20種類、1000匹以上が35個の発泡スチロールの水槽で泳ぎまわっている。
庭をのぞいて見る。ある、ある。縦42センチ、横48センチ、深さ20センチの白や黒色の発泡スチロールの水槽がところ狭しと並んでいる。丸岡さんに言わせれば、その数35というのだが、私にはもっと多いように見える。各水槽には赤、黒、ラメなどの改良メダカが泳いでいる。
「これが黒い黒竜、そっちが赤い紅帝(こうてい)です」と妻の眞由美さん(69)が解説してくれる。眞由美さんによると、黒メダカは臆病(おくびょう)で警戒心が強い。赤メダカは人懐こいらしい。「水に手を入れたら分かります」といわれて水槽に手をつける。黒メダカはたちまち四方に散らばっていく。一方の赤メダカは人差し指めがけて集まってきた。なるほど、言われた通りだ。「だから赤メダカはかわいい」と眞由美さん。
そこでメダカの飼い方を聞いてみる。まず1つ目は温度調節について。水槽の材質は発泡スチロールがいいというのが、丸岡さんの考えだ。「飼い始めのころ、陶器の火鉢やスイレン鉢がいいと聞き、信楽まで買いに行きました。ところがメダカは寒さには強いのですが、高温はダメ。35度以上になると死んでしまいます。
続きは8月8日号の伊和新聞に掲載しています。
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