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名張市議会議員選挙、伊賀市庁舎の位置を決める住民投票は8月24日執行され、即日開票となったが、共に投票率が予想より低かった。選挙で投票率の一番高いのが市議選挙であり、他はこれより低い。
名張市の市議選は、市が発足間もない第1回の選挙(昭和33年8月)では90.86パーセントだった。その後は、90パーセント近くを維持していたが、第9回選挙(昭和61年8月)82.15パーセントになり、平成2年の71パーセントから下降線をたどるようになった。
昭和33年の第1回選挙時の有権者は19,572人で、下降しはじめた昭和61年の有権者は38,817人と増加している。その後は有権者の増加と反比例して投票率が落ち、前回の平成22年には60.65パーセントとなり、今回の選挙では、はるかに低い53.3パーセントとなった。
この原因は、住宅団地の住人が選挙に無関心だったことによると考えられる。都市のサラリーマンが多く、地方政治が自分の生活に直接関係があるようには思えなかったのではないか。農村部や旧町のように、候補者本人や家族を知っているわけではないため、実感がわかないということもある。また、候補者の陣営が「お願いに来ない」というのも大きく影響する。
このことは、伊賀市の住民投票にも言えることだ。市議選挙のように、知人がお願いに来ないため、つい関心が薄くなるということだろう。
伊賀市は市街地、村落部住民が多く名張とは違った人口構成であり、投票率は高いと思われたが、予想に反した。
伊賀市の住民投票は当日の資格者(有権者)は76,000人、投票者総数は32,304人。棄権者は43,696人もあった。投票率は42.51パーセントであり、不成立となった。
投票した札は大山田小学校に集められ、まとめて保管された。一定期間をおいて廃棄するとのことだ。
各支所別の投票率は上記表の通りで、島ヶ原地区が一番高い。この地区は人口が少ないが投票率が高い。
市街地は高いとみられたがそうでもなかった。反対に青山地区も投票率が高いと思われたが、あまり高くはなかった。
やはり選挙や投票は誰かに頼まれないと行動が起こしにくいのだろう。
名張市が伊賀市合併の是非を問う住民投票があったが、この時は投票率は58.64パーセントで賛成が15,5040票.反対が26,718票、無効が373票だった。
今回の伊賀市の投票では「市庁舎がどこに立地しようと関係ない」と考える人が棄権したのだろうか。地元には支所があり特に不便は感じない。また、市議会議員や区長、自治会長、団体役員ならともかく、一般の住民はあまり関係がないと考えるのだろうか。
しかし、自分たちの城を建てる場所を聞いてくれるのはありがたいことではないか。封建領主なら、そのようなことを庶民には聞かず、必要な費用を年貢で納めさせるだけだ。直接関係ないことでも、投票する権利があるということはありがたいことだ。せっかく与えられた権利は大事にしなければならない。
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