2014年度 バックナンバー
英国人の忍者講演・萬川集海を検証

三重大学伊賀地域連携フィールドは12月13日午後から、イギリス人の忍者研究家アントニー・クミンズ氏が忍者の教科書「萬川集海」について解説した。同書は伊賀甲賀の忍術の秘伝書で、江戸時代の初め藤林長門守によってつくられた。
アントニー氏は英国人ながら、忍術に興味を持つ研究家で「萬川集海」について、忍者姿に扮(ふん)し英語で通訳を交えて講演した。同氏は萬川集海、正忍記、忍術伝など忍術書、兵法書など20冊を英訳出版している。
萬川集海の内容は、将知一(将が忍者を使って敵情を探る)、将知二(将と忍びの共同作戦)、将知三(抜き取られた謎)、将知四(敵忍を見分ける法)、将知五(敵忍を防ぐ徹底マニアル)、陽忍一(陽忍に出かける前に、桂男の術、くの一の術、里人の術を学ぶ)、陽忍二(外聞を打つ、妖術者、夜討ちと忍び、敵陣に紛れ込む、仮妻、仮子、敵勢に付け込む、敵に信頼させる)、陽忍三(斥候活動あれこれ)、隠忍一(奇襲部隊としての忍び)、隠忍二(深草兎歩、家宅侵入法)、陰忍三(人の眠りを知る、隠忍四(鍵を開ける)隠忍五(忍び夜討ち、天時一(中国用兵書より引用)天時―吉凶を占う、忍器三四(毒を仕込んだ火器、連射銃、松明明、手りゅう弾などについて講演した。

 

名張市に大漁旗・塩竈市震災復興支援

東北地方を襲った宮城県塩釜市の大震災からの復興に延べ110人の職員を派遣し支援した名張市に、このほど、復興支援感謝の碑の除幕式を1月21日に行った報告と感謝の意を込めた大漁旗が贈られた。報告書は丁寧な礼状と復興状況が記載され、大漁旗は全国有数の生マグロの水揚げ港にふさわしいマグロがはねている図柄。名張市は早速、庁舎玄関ホールに掲げた。
礼状には「震災から3年8か月、災害公営住宅も一部完成し、入居が開始されるなど、ようやく復興が実感できるようになってまいりましたが、住環境の整備、産業基盤の再生など、未だ重大な課題が山積しています。これからも、市民一丸となり郷里塩釜の再興をめざし、不撓不屈の精神で取り組んでまいりますので、今後とも特段のご厚情を賜りますようお願いいたします」と佐藤昭市長の言葉が添えられている。

 

イルミネーションも盛大に育成園祭

名張市美旗中村にある名張育成園(上村友則理事長)で6日、学園祭があり保護者、福祉団体、一般市民らが参加、音楽イベントや屋台店などを楽しんだ。夕刻5時にはイルミネーションが点灯、イベントを盛り上げた。
イベント会場では日生学園生のハンドベル演奏、コーラスつぼみのコーラス、スーパーアイドル星丸じゃぐリングなどがあった。
また、屋外の模擬店では、みたらし団子、肉まん、フランクフルト、おにぎり、おでん、ジュースなどの飲食店や名張市内の商店の出店があり、地元の逸品が人気を呼んだ。
毎年参加しているという市内の主婦は、「回を重ねるごとに盛大になっている。今回はイルミネーションが美しかった。また、地元のお菓子などの食べものも、おいしかった」と話していた。

 

もちつきに人気 福祉のお店「秋祭り」

とれたて名張交流館に出荷している福祉事業所、団体は29日、福祉のお店秋祭りを開催。臨時の屋台店や草餅つきの実演、つき立て餅のふるまいなどがあり、多くの来店者で人気を博した。
参加団体は、名張手をつなぐ育成会(もみじの家)、名張育成会(JOYI、ほっぷ、レインボウクラブ)、あおぞら・ベリー・下三谷園、サンフラワー名張ファクトリー、花みどりの里、錦生自治協議会地産地消部、クレア、名張マジック研究会、名張社会福祉協議会らで、売り上げの一部は赤い羽根募金に寄付した。
桔梗が丘からきた主婦は「ここのお店の野菜は生産者直売で新鮮で安全です。時々買いにきます。今日は福祉のお店でキノコを買いました。つき立ての草餅がふるまわれ、柔らかくて、とてもおいしかったです」と話していた。

 

武家屋敷で展示・男達のステンドグラス

名張市春日丘のステンドグラス教室で勉強した8人の男性が伊賀市忍び町の登録有形文化財の武家屋敷赤井邸で「男たちのステンドグラス展」を開催、約100点が武家屋敷の各室に展示され、訪れた人の目を楽しませている。中でも名張市東町の小林清一さんの作品は、色鮮やかなものに仕上がっていた。24日まで開催。指導者にあたった林田早苗さんによると「今までは女性が多かったが、最近は男性も興味を持つようになった。ガラスを切ったり、ハンダ付けは男性にもできます。男性の方が細かいところまでこだわります。また、独特の工夫もします」と作品のできばえを評価していた。ステンドグラス作りは「陶芸などと違って、製作を途中で中断できます。忙しい方でも、自分のペースで制作ができます。意外に男性が多い」という。
そして、この場所で展示会を開いたのは「伊賀市の文化都市協会から企画展のお誘いがあり、男性だけの展示会を開いてみました」と話していた。教室の問い合わせは、ステン・サーナ64局1514(林田)まで。

 

バードカービング・本物そっくり木彫鳥

本物そっくりで、本物の鳥も仲間だと思い、近づいてくる木彫りの鳥細工・バードカービング展が19日、名張市元町のイオン名張店3階リバーナホールで始まった。24日午後3時まで。
同市桜ケ丘で教室「木鳥屋工房」を主宰する坂倉晴彦さんと教室生18人が70点を展示した。
作品は大型のハヤブサから小鳥のメジロやスズメ、川魚をくわえたカワセミ、ペアで浮かぶマガモ、雪上で戦うオオワシなど生き生きと描いている。また、鳥が止まっている止まり木や木の実も、わざわざ手つくりに着色するという「手の込んだ」作品も。
バードカービングはアメリカの先住民がカモ猟のため、鳥の形をつくってオトリとして使用したのが起源といわれている。やがてインテリヤとして作られ、その後、ハンドメイドの趣味として広がった。近年では野鳥保護のため、博物館でハク製に代わりに展示されるようになっている。

 

芭蕉をしのぶ・萬壽寺で「しぐれ忌」

伊賀出身の俳人・松尾芭蕉を忍ぶ「しぐれ忌」が12日、伊賀市柘植町にある松尾家の菩提寺・萬壽寺で営まれた。芭蕉翁顕彰会や地元の山出区などの実行委員会が毎年開催している行事で、約100人が参列、法要のほか献花や記念講演会が行われた。
女性コーラスグループの合唱「芭蕉賛歌」に続き、顕彰会会員や地元住民らが参列した法要が営まれた後、参列者は芭蕉の墓碑に献花した。顕彰会の西田誠会長は「私たちが敬愛する芭蕉翁の業績をたたえ、その遺徳をしのび、顕彰活動の一層の発展を祈念する」とあいさつした。
岡本栄市長は「芭蕉さんの精神世界は、世界に広がっています。生誕370年を機にユネスコの無形文化遺産になるよう、(芭蕉の精神を)世界の人たちと共有したい」と述べた。
記念講演として顕彰会副会長で山繭俳句会主宰の宮田正和さんが、芭蕉の父祖を探ると題し、戦国の城主福地氏や松尾家について語った。

 

伊賀百筆24号刊行・方言「あれっこわい」も

平成7年に創刊した伊賀地域の総合文芸誌・伊賀百筆が24号を迎えた。地域の文化や芸術、社会問題を幅広く取り上げた唯一の地域誌。今号の執筆者は27人と2グループと名張の「おきつも句会」など俳句会10グループ100人。
今年は芭蕉生誕370年を迎えたことから、伊賀出身の俳人、松尾芭蕉記念特集が約50ページに及び、5人の筆者と伊賀連句会が登場、芭蕉の出身地ならではのボリューム。さらに、新たな試みとして、インターネットの交流サービスで集めた情報を活用した記事「伊賀ことば辞典」も収めている。
特集「追悼太田崇さん」の太田さんは元中学校の人気教員で85歳で死去。自然を愛した植物学の権威で、いとこ、同級生、教師仲間、中学の教え子が追悼している。
「読み物」では、上野の町にあった男子の「上野成蹊学院」の創設者・清水玄俊と「井岡家政専門学校」の創設者井岡みちえの評伝「上野の二人の実業教育者」が興味を引く。
「創作」は長谷川直哉の「小説・熊坂長範」が名張市蔵持の出身者として書かれている。また、北村純一(名張市)の「あったかい樽」、中村ちずこ(伊賀市)の「ふゆさくら」なども。
「伊賀ことば辞典」は編集委員で元県立上野高校の国語教師の福田和幸さんが、かつての教え子らとともにまとめた「〜だーこ」「〜くれている」「あれっこわい」などの方言約500語を掲載。県立上野高校の32回卒業生らが昨年末ごろからフェイスブックで寄せ合ったものを集めた。
伊賀百筆第24号は伊賀市と名張市の書店で販売している。1300円。

 

山林火災で合同訓練

名張市消防本部は27日、旧国津小学校で隣接市の津市白山消防と奈良県宇陀広域消防組合との合同訓練を行った。
旧国津小学校裏の山林で火災が発生、水利が悪く、火災は広がったと想定、隣接消防との応援協定により、津市白山消防や大宇陀消防が来援した。三重県の防災ヘリも来援し、比奈知ダムから消火水を運ぶ予定だったが、小雨が降る天候のため、青山上空が飛べず、応援を断念。地上部隊で合同訓練を実施した。
訓練は火災の消火、負傷者の運搬などの訓練で3消防が息の合った訓練を展開した。

 

サタパパ座談会・知事と男性育児語る

鈴木英敬三重県知事が県民と対話する「三重の現場すごいやんかトーク」が10月18日、名張市こども支援センターかがやき(桔梗が丘西3番町)で開かれ、鈴木知事は、男性の育児参加をテーマに子育て中の父親や祖父のイクメン(育児男性)と語り合った。
支援センターが毎月開いている父親のための土曜子育て広場「サタパパ」に参加している父親や祖父は、「家ではできない七夕飾りなど大きな工作が楽しかった」「子どもとの接し方が分かり、小どもがなつくようになった」「子どもの成長が分かった」など、体験してきたイクメンとしての喜びを知事に話した。
知事は「私には2歳の幼児がいます。この間、夜中に発熱し、おう吐などをしたので、かかりつけの小児科医のところへ連れて行きました。核家族での育児は大変です」と話した。鈴木知事のトークは今回で100回目になる。

 

莫山の書「町中の榊莫山展」30点

伊賀が生んだ著名な書家・榊莫山(1926―2010)の作品展が11日から伊賀市上野福居町のギャラリー「アートスペースいが」で開催されている。11月3日まで。
莫山展を企画したのはギャラリー向かいの古美術商「寺村清雅堂」5代目の寺村尚さんの妻・貴視子さん。高等学校の書道教師で、「莫山さんの生き方を尊敬し、作品展を開きたい」と願って実現した。
榊莫山の主な作品は県立美術館に寄贈され、伊賀では見られない。寺村さんは、町中の商店の「莫山の字の看板」を掲げる和菓子店や料理店に協力を依頼、原書の掛け軸や額を借りて開いた。書画骨董を集めている岡本市長も出展に協力している。
ギャラリー「アートスペースいが」は道路の向かいにある古美術商「寺村清雅堂」が町中の活性化を狙って開設したもの。

 

柘植で斎王の群行

平安時代の「やんごとなき人びと(宮廷人)」の旅姿を再現した斎王群行行事が9月28日、秋空の下、伊賀市柘植地区であった。往時の行列は大和街道を歩んだが、この日は都美恵神社で禊(みそぎ)を行い、地域内各地を練り歩いて柘植地区市民センターに戻り、解散した。
行列は地域住民約70人が参加、先頭の警護の武士に続き、淡いピンクや紫の着色で無地の着衣を着た女官の群れが大きな菅傘を冠り、ひときわ目立った。十二単衣を着た若い斎王は葱華簾(そうかれん)という輿(こし)に乗り、顔は薄いベールで見え隠れ。
見物の婦人は「女官の着物は絵柄が入っていなくとも上品な色できれい。この行列を見ていると別の世界に行ったように思います。」とうっとりしていた。
斎王は天皇の名代として、皇室の祖先を祀る伊勢神宮に奉仕する未婚の皇族女性のことで、天皇の在位中、明和町の伊勢斎宮に滞在し、神宮に奉仕した。斎王が都から任地に赴いたり、都に帰還する際、多くの供を連れた道中行列が斎王群行である。途中、「頓宮」、「斎宮芝」と呼ばれる専用の宿泊所に泊まりながら、当時のルート斎王群行路(斎王上路)を群行したが、柘植の行事では地域内の各地を練り歩いた。

 

頑張れ長寿!ねんりんピック出場

栃木県で4日から7日に開催される第27回全国健康福祉祭とちぎ大会(ねんりんピック栃木)に名張市から出場する10選手の内、8選手が29日、亀井利克市長を表敬訪問した。
亀井市長は「市民の健康のため、生涯スポーツの振興は大切なことだ。皆さんの活躍で市民が啓発されることを期待したい。ご健闘を祈る」と激励した。
大会は60歳以上が対象で、マラソン 山崎滋子(69、梅が丘南3)、奥 健美)(73、桔梗が丘8)▽弓道 杉岡正一(70、美旗町南西原)、▽剣道 長谷川恵一(60、緑が丘中)▽ダンススポーツ 城山勝紀(73、桔梗が丘3)、川北安美(百合が丘9)▽ターゲットバードゴルフ 岩本禎夫、岩本優子(梅が丘北3)、森本定利(桔梗が丘5)、島藤好孝(美旗町藤が丘)選手が参加。
ダンススポーツに参加する城山勝紀さんは「3度目の出場なので、準決勝進出を目指したい」と意気込みを見せた。

 

8種競技で銀・近大高専の川畑君

全国高校総体の8種競技で銀メダルに輝いた近畿大学工業高等専門学校(名張市春日丘)3年の川畑夏唯君が村田圭治校長と17日、市役所を訪れ亀井利克市長に栄光を報告した。
同大会の準優勝は同校で2人目。川畑君は「次は全国で1番になり、東京五輪に出場したいと」抱負を語った。
川端君は8種競技で自己ベストの5655点で2位に入賞。8月の全国高校陸上競技大会でも準優勝を果たした。陸上部の松尾大介部長は「目標を高く設定した。今年に入って予想を大きく上回るほど記録を伸ばした。苦手だった400b、1500bも克服した」とたたえた。亀井市長は「2位は見事。名張が元気になる」と励ました。

 

酒米「神の穂」収穫・箕曲でハサ掛け手伝い

三重県が改良した新品種の酒米「神の穂」を夏見地区の澤佐酒造北側の水田約6000平方bで栽培している名張市箕曲地域づくり委員会は13日、豊かに稔った稲穂を一斉に刈取った。機械で刈取り、畦(あぜ)の周囲だけを手でかり取る作業と天日で乾燥するためのハサ掛け作業に地域の人や名張市議、ボランティア90人が参加した。
この収穫は、地域づくり委員会が地域ブランドをめざして取り組んだプロジェクトの一環。「神の穂 天日干し みのわ」を地元の澤佐酒造で仕込むもので、昨年から始め、約700`を農協を通じて引き取った。今年は3倍の面積で、約2000`になる見込み。
名張市議会からは「伊賀名張の酒、名酒で乾杯を推進する条例」を制定したことから、市議も応援に駆け付けた。
稲の束をかついでハサまで運んでいる足立淑絵市議は「仕事は楽しいです。名張で稲をかつぐとは夢にも思っていませんでした」と笑いながら楽しそうに作業をしていた。

 

観月の夕べ・鈴虫コンサート魅了

澄み切った夜空に十五夜の満月が見事に映える8日の夜、名張市青蓮寺の地蔵院青蓮寺で「観月の夕べ 秋風、鈴虫コンサート」が開催され、約300人の聴衆がバイオリンや三味線、笛の音色に時を忘れて酔いしれた。
企画は地蔵院青蓮寺。今年で10回目の開催になる。第1部は弦楽のバイオリン2基、ビオラ、チェロの弦楽四重奏。奏者は、バイオリン筒井加奈子、野村初葉、ビオラは田中洋子、チェロは鍋谷可奈子。
 境内ではサマー、椰子の実、夏の思い出、秋のメドレー(里の秋、紅葉、野菊、村祭り、虫の声、誰もいない海、七つの子、小さい秋見つけた、赤とんぼ)が流れ、さらに月の砂漠、上を向いて歩こうが演奏された。
第2部は、日本民謡和泉社中が出演した。会長の和泉善聖(三味線)、和泉紗千鼓(太鼓)ほかの三味線、篠笛、唄を披露した。友情出演として、望月翔太(笛、尺八)、藤間櫻楓(舞踊)が観客を魅了した。
曲目は伊勢木遣り(伊勢神宮の大木を運ぶ時の唄)、ソーラン節、雪の山中、山唄(子守唄入り)、荒城の月(篠笛)、飾山囃子(三味線、太鼓、笛)で最後に津軽三味線で「津軽じょんがら曲弾き」を演奏した。

 

106歳の最高齢者・亀井市長が長寿祝い

15日の敬老の日を前に4日、名張市の女性最高齢者の福永富美さんを亀井利克市長が同市百合丘西3の特別養護老人ホーム「第2花のさと」へ訪問、記念品の洋服をプレゼントした。
福永さんは明治41年3月8日生まれの106歳。熊本県で夫の薬剤師の手伝いをしていたが、96歳だった10年前、名張市すずらん台東5番町の孫のところに転居。平成22年から現在のホームに入所。
亀井市長は2年連続の訪問で「106歳おめでとうございます。お変わりありませんね。来年も来ます。もっと長生きしてください」と言葉をかけ、福永さんは笑顔に。
車いすを利用しているが、健康で食事は残さず食べる。好物は刺身。自らを元気づけるため、童謡や軍歌をくちずさむなど元気。この日は、福永さんの孫で会社員の浩美さん(49)とひ孫の県立津高3年、希美さんも駆け付けた。
名張市内には福永富美さんより2か月年上の男性・関正重さん(106)がいるが、香川県で施設に入所。市は記念品の毛布を郵送する。

 

低下する投票率・民主主義の制度を大切に

名張市議会議員選挙、伊賀市庁舎の位置を決める住民投票は8月24日執行され、即日開票となったが、共に投票率が予想より低かった。選挙で投票率の一番高いのが市議選挙であり、他はこれより低い。
名張市の市議選は、市が発足間もない第1回の選挙(昭和33年8月)では90.86パーセントだった。その後は、90パーセント近くを維持していたが、第9回選挙(昭和61年8月)82.15パーセントになり、平成2年の71パーセントから下降線をたどるようになった。
昭和33年の第1回選挙時の有権者は19,572人で、下降しはじめた昭和61年の有権者は38,817人と増加している。その後は有権者の増加と反比例して投票率が落ち、前回の平成22年には60.65パーセントとなり、今回の選挙では、はるかに低い53.3パーセントとなった。
この原因は、住宅団地の住人が選挙に無関心だったことによると考えられる。都市のサラリーマンが多く、地方政治が自分の生活に直接関係があるようには思えなかったのではないか。農村部や旧町のように、候補者本人や家族を知っているわけではないため、実感がわかないということもある。また、候補者の陣営が「お願いに来ない」というのも大きく影響する。
このことは、伊賀市の住民投票にも言えることだ。市議選挙のように、知人がお願いに来ないため、つい関心が薄くなるということだろう。
伊賀市は市街地、村落部住民が多く名張とは違った人口構成であり、投票率は高いと思われたが、予想に反した。
伊賀市の住民投票は当日の資格者(有権者)は76,000人、投票者総数は32,304人。棄権者は43,696人もあった。投票率は42.51パーセントであり、不成立となった。
投票した札は大山田小学校に集められ、まとめて保管された。一定期間をおいて廃棄するとのことだ。
各支所別の投票率は上記表の通りで、島ヶ原地区が一番高い。この地区は人口が少ないが投票率が高い。
市街地は高いとみられたがそうでもなかった。反対に青山地区も投票率が高いと思われたが、あまり高くはなかった。
やはり選挙や投票は誰かに頼まれないと行動が起こしにくいのだろう。
名張市が伊賀市合併の是非を問う住民投票があったが、この時は投票率は58.64パーセントで賛成が15,5040票.反対が26,718票、無効が373票だった。
今回の伊賀市の投票では「市庁舎がどこに立地しようと関係ない」と考える人が棄権したのだろうか。地元には支所があり特に不便は感じない。また、市議会議員や区長、自治会長、団体役員ならともかく、一般の住民はあまり関係がないと考えるのだろうか。
しかし、自分たちの城を建てる場所を聞いてくれるのはありがたいことではないか。封建領主なら、そのようなことを庶民には聞かず、必要な費用を年貢で納めさせるだけだ。直接関係ないことでも、投票する権利があるということはありがたいことだ。せっかく与えられた権利は大事にしなければならない。


名張版ネウボラ視察

森雅子少子化担当大臣は19日、「妊娠から出産まで切れ目のない支援」に取り組む「名張版ネウボラ」を視察した。
ネウボラは福祉先進国フィンランドの無料育児相談制度。フィインランド語で「アドバイスする場所」の意味。自治体が運営し、妊娠時の相談や産後の回復、育児不安への対応や家庭内暴力への対応もしている。名張市では市内15地域の地域づくり組織に対応して「まちの保健室」が設置され、看護師や保健師が常駐。健康診断や予防接種を行うなど、乳幼児から高齢者の健康相談を行っている。
森少子化相は同日、津市で開かれた「輝く女性応援会議in三重」に出席するため来県。同会議の前に鈴木英敬知事と来名し、つつじが丘公民館の子育てサロン「おじゃまる広場」を訪れ、幼児や母親と歓談後、鈴木知事、亀井市長を交じえ、まちづくり役員らと懇談した。
この後、鴻之台の市防災センターに移動。防災センター一階の一角にある中央ゆめづくり協議会(まち協)事務所と「まちの保健室」を視察。その後、2階の会議室では、市健康支援室の上田紀子保健師が、主任児童委員と各地の保健室の保健師の活動について説明した。
視察後の記者会見で森少子化相は「名張版ネウボラは子育て不安の解消、虐待されている児童を救済して行くのに効果がある。名張市の取り組みは先駆的であり、全国に紹介したい」と話し、今年度の補正予算で始まった地域少子化対策強化交付金の恒久化を目指すと述べた。また「既存の施設を活用しているところがコスト的にもポイントだ。名張市は全国に紹介する見本のトップになる」と話した。

 

ハイトピア講演会・ユダヤ難民6千人を救ったビザと日本人

伊賀市のハイトピア伊賀で3日、元国際観光機構勤務の北出明氏の講演会があり、第2次大戦中、ユダヤ難民6000人を救ったビザの発行とこれを陰で支えた日本人の話があった。講師は県立上野高校を卒業、慶応義塾大学を出て国際観光機構に勤務、退職後、杉原領事のビザ発行、これに関する研究や難民のその後を取材している。講演会は上野高校の同級生有志や商工会議所伊賀学検定委員会、伊賀地域研究会が支援した。

 

名張市の不正支出疑惑・亀井市長が陳謝

名張市の市道工事などを巡り、市用地対策室長が事実と異なる図面を作成するなどして市に約2300万円を不正支出させたとされる問題で同市は5日、記者会見を開き弁護士らによる「市不当要求行為等調査委員会」が調査していることを明らかにした。市は、同室長はじめ、当時、決裁権のあった職員も不適切な事務処理を行ったことを認めた。今後、警察の捜査の進展などを参考にしながら、職員の処分や損害賠償請求を検討する。
また、疑惑に関連して発覚したカラ出張に同行した部下には、減給(10分の1)2か月の処分を行うと発表した。
会見冒頭、亀井市長は「市民の皆様に多大のご迷惑とご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げます」と陳謝。
続いて夏秋佳生総務部長が現時点での調査内容を説明した。
同市は弁護士、県警OB、用地担当の県職員OBで構成する外部調査委員会を結成。調査した結果、用地対策室長らが関与した3事案の概要を発表。市道工事問題では「建設会社を営むX氏が不当要求をした」ことを明らかにした。
亀井市長は「私なら3事案とも金は出さない。すでに道路になっているのに金を出す必要はない」「県警はX氏や職員を聴取するだろう。県警の調査をみて刑事告訴も考えることになる」と話した。そして、「決裁者の責任については私が処分を判断する」と語った。
また、今回発覚したカラ出張問題については、5年間遡(さかのぼ)って7382件を調べ、確認が取れない出張が24件あったと発表した。
このうち、延べ10件は用地対策室長に部下が5回同行し、残る14件は同室長の単独だった。市は「室長が病気休職中で、聞き取りに応じない」として、部下だけを先に処分した。
市は今後、マニュアルを作り9月から領収書の添付と書面による復命を義務づける。
名張市による不当要求行為及び職員の不適切な事務が疑われる事案の内容は次の通り。
▽未登記道路用地の買収と使用補償
地権者A氏と知人X氏は23年11月、A氏の土地が市道として使われているとの申し出があり、市の調査で未登記部分があった。市は「土地の測量、分筆はするが補償はできない」と説明した。X氏は「市道を封鎖する。水道管を掘り起こす」と怒った。
X氏から何度も請求された職員は土地の売買と使用補償の契約を締結。市はA氏に対し土地代406万円、使用補償費706万円を支払った。
▽市道隣接の土地の使用補償と寄付
X氏は24年夏ごろ、地権者B氏の土地が市道に使われていると抗議、使用補償約500万円を提示した。その際、当該市道の整備に影響する土地の交換契約があると迫った。担当職員はX氏に対する恐怖心から、要求金額に合わせて地代を積算。不足部分は資材置き場の使用名目で土地を買収し、X氏の抵当権抹消の費用に計上した。B氏は市に土地を寄付する半面、市はB氏に補償金498万円を支払った。
▽市道整備に伴う里道の工事補償
X氏は平成25年4月ごろ、市職員の対応に腹を立て、私道整備事業に協力をしないといってきた。担当職員は協力を求めて訪問したところ、600万円を求めた。担当職員は700万円を決め、最終的には714万円を支払った。

 

チャン錦ちゃん観光大使代理に

名張市出身の市観光大使チャンカワイさんがテレビ番組で使った着ぐるみ「チャン錦ちゃん」が名張市に贈られ、亀井利克市長が23日、「観光大使代理」の任命状を手渡した。今後、市内外の観光キャンペーンなどで市をPRするほか、要請があれば地域の行事などにも派遣する。
チャン錦ちゃんは身長1b80aでチャンカワイさんの顔をモチーフにし、全身黒づくめで茶髪に「忍」の鉢巻をしたぬいぐるみ。番組ではチャンカワイさんが中に入って、全国のゆるキャラと相撲を取った。
番組終了後、チャンカワイさんがNHKに、名張市へ無償で譲渡することを提案、NHKの同意が得られた。
チャン錦ちゃんは左に「観光大使」の腕章まき、頭には「忍」の鉢巻、右手には手流剣を持つ。
亀井市長は「名張市を大いに発信してください」と任命状を渡すと、チャン錦ちゃんは職員を通じて「ぼろぼろになるまで頑張ります」と。

 

力作134点一堂・桜墨会が書道展

大相撲力士白竜の化粧まわしに「忍」の一字を揮毫(きごう)した名張市の書道家・奥野年光(桜墨)氏が主宰する桜墨会の書道展が19、20、21日の3日間、名張市元町のリバーナで開催され、奥野桜墨氏の直弟子や弟子が開いている書道塾の教え子(孫弟子)の作品134点が一堂に展示された。
雅号を持った書家23人と特別出品の千葉すずさん(オリンピック競泳日本代表)の「負けるが勝ち」などの健筆をふるった作品が展示された。
また、井上幸弘(幸峰)氏が教える近畿大学工業高等専門学校の書道部も出品して注目された。
奥野桜墨氏は、今年、名張市の教育センターに作品を寄付している。

 

全国で5番目名張市エコツーリズム推進全体構想

 名張市エコツーリズム推進協議会が策定した推進全体構想がこのほど環境大臣、国土交通大臣、文部科学大臣、農林水産大臣の4省から認定を受け16日、名張市役所で認定書の伝達式があった。環境省大臣官房の小川晃範審議官が各省を代表して亀井市長に伝達した。同認定書を受けたのは全国で5番目、三重県では鳥羽市に次いで2番目の授与。環境省の小川審議官は、「自然、歴史に加えて忍者修業の地もあり、国内外から観光客を寄せられる可能性も高い。構想をアピールし地域振興につなげてほしい」と話した。
 亀井利克市長は「地域資源を生かした構想が認められ大変うれしい。名張は奈良時代には畿内(首都圏)だった。歴史資源が多い。関西の水源都市であり、伊賀米、美旗メロン、地酒もありグルメの町。認定書を起点に地域資源を発信して交流人口を増やし、地域を元気にしたい」と話した。
 エコツーリズムとは自然環境、歴史文化など地域固有の魅力を観光客に伝え、その価値や大切さが理解され保全につながることを目指す仕組みで、自然保護は環境省、観光振興は国土交通省、歴史文化は文部科学省、観光農業や観光商品の開発は農林水産省と各方面にわたる観光事業。
 名張市には赤目四十八滝、香落峡谷、青蓮寺ダムなどの観光地や美旗古墳群、初代斎王が建立した夏見廃寺、中世の城館など歴史資源が豊富。
 さらに、東大寺二月堂の松明(たいまつ)講、忍者などの歴史資源がある。また、オオサンショウウオ、ニホンリス、テン、クマタカ、などの鳥獣やノハナショウブ群落、イワカガミ、ヤマジノホトトギスなどの植物が群生。
 青蓮寺のブドウやイチゴ、美旗のブドウやメロンは観光農業として知られている。
名張市は平成24年にエコツーリズムへの参加を表明、25年度に、各界の有識者で推進協議会を立ち上げた。メンバーは会長・川口佳秀(商議所会頭)、副会長金相俊(近大経営学部准教授)、井川敏雄(地域づくり組織代表者)、福田広二(青蓮寺ブドウ組合長)、玉置英治(名張市観光協会長)、高原清(赤目渓谷保勝会長)、松鹿昭二(元名張市教育委員長、郷土史研究家)、宮本篤(公募市民)、佐藤博(同)、田中英二(環境省中部地方事務所課長)、三上章(国交省木津川河川事務所長)青山太洋(水資源機構木津川ダム管理所長)、安保雅司(三重県観光誘客課長)、藤田敦夫(三重県伊賀農林事務所長)、藤岡善光(名張市生活環境部長)、橋本裕徳(名張市産業部長)のみなさん。

 

木村道雄を描いた掛け軸・愁喜異趣図

明治時代の伊賀の医師・木村道雄(出生不詳 大正13年没)を描いた掛け軸「愁喜異趣図」が医師の孫娘の夫・木村三郎さん(83)からこのほど、伊賀市に寄贈された。
寄贈のきっかけは木村道雄さんと伊賀100筆の北出楯夫編集長が知り合いだったことから。木村さんは北出氏に「この絵は伊賀に置いておくべきだ」と昨年暮れ、話していたのを受け、6月に伊賀市を訪れ、寄贈した。
この図は、当時流行した腸チフスの治療にあたっていた医師木村道雄が、自らも腸チフスに罹患し死亡、ところが通夜の弔問客が集まる中、木村医師は甦生。弔問客は驚いたが、「死人が生き返った。目でたいことだ」と酒がふるまわれ、芸子を呼んでどんちゃん騒ぎになった様子を描いている。
掛け軸は、上部に通夜の模様が描かれ、下図には祝い酒の模様が描かれている。芸者が2人ばかりおり、酒を運ぶ女性も描かれている。客は口ひげを生やした人が多く、医師仲間がたくさん集まったのだろう。
絵は高さ1メートル69センチ、巾92センチ。北出氏は「木村道雄医師が当時の模様を日本画家の堀西米中に書かせたものではないか。左上の余白には、医師仲間3人と富岡鉄崖(富岡鉄斎)の賛と署名がある」と説明。
また、「堀西米中は漫画家ではないが、面白い題材だったので漫画チックに書いたのだろう。医師や鉄斎の賛は予定してあらかじめ余白にしていたのだろう。作者・堀西米中は江戸末期から明治にかけての日本画家。松阪の人で伊賀に逗留(とうりゅう)していたのではないか」と話している。


保護司というボランティア活動・犯罪者更生保護に貢献

名張市の保護司のみなさん―。法務大臣から任命された国家公務員だが、無給のボランティアである。7月1日は、第64回社会を明るくする運動の初日。出発前に市役所の駐車場で出合い、保護司さんと市の職員がカメラに収まったのがこの一枚。
保護司とはどんな職務なのか?
犯罪者が刑期を終え、社会復帰した時、社会が温かく迎えないと再び犯罪を起こしかねない懸念がある。そこで、罪を償い再出発をしようとする人を援助し、再び、犯罪を起こさないように導く民間のボランティアが保護司だ。
刑務所を満期で出所した人の中には帰る場所もなく、人間関係や社会とつながりを失って孤立する人も多い。しかし、保護司や協力雇用主などにより職業についた人は、無職でいる人よりも犯罪率が下がる。地域社会の温かいまなざしにより、彼らの更生の意志が確かなものとなれば、新たな犯罪はなく、安全安心な社会となる。保護司の役割は重要だ。
写真は右から市職員、2人目が会長の中内中さん。武田道治さん、市職員と左端が井戸本景子さん。


花火三昧でおもてなし

名張市の夏の夜を彩る恒例の「名張川納涼花火大会」が7月26日、同市新町の名張川一体で行われる。今年のテーマは「花火三昧5000発のおもてなし」で大小5000発の花火が打ち上げられる。新たに「桟敷席」も設けられ、じゅうたんの上に座って花火見物ができる。
大会は新町の愛宕神社の火祭りの渡御行事の終了と同時に、色とりどりの打ち上げ花火や仕掛け花火が連続して打ち上げられる。圧巻は巾100メートルのナイアガラ滝や赤目四十八滝の瀑布をイメージした仕掛け花火。水があふれるごとく吹き出し、同時に機関砲のようにポンポンと打ち上げられる光景は、名張の風物詩となっている。
フィナーレには会場の観客のカウントダウンに合わせ、3カ所で一斉に4、6、8号を打ち上げる「3段打ち」があり、終盤を盛り上げる。
名張花火大会は昭和5年、参宮急行電鉄(近鉄大阪線)の開通を記念し、翌年電鉄会社の協力で始まった。戦争のため、昭和17年に中断したが、22年に復活し、その後、毎年開催し、近鉄沿線(大阪線)最大の花火大会となっている。
主催者は全国各地での花火大会で起きた爆発事故を他山の石として、安全を重視し、警備員の数を70人から100人に増員した。
観覧席は有料席1300(協賛席700)があり、今年は桟敷席15区画も設けた。協賛席はA席1500円、S席2500円、桟敷席は1万5千円となっている。観覧席の券はアスピア1階、ブックスアルデ4店で販売している。


頑張れ!山口蛍選手・母校錦生小でPV800人

サッカー日本代表の山口蛍選手を応援しようと市民約800人が15日、同選手母校の名張市の元・錦生小学校の体育館に集まり、ブラジルでのコートボワール戦を観戦、パブリックビューイングで熱い声援を送った。
 山口選手を応援する錦生地区住民自治協議会、矢川区、名張サッカー協会や名張市、同教育委員会が協力して開催。会場は開場前から行列ができる盛況ぶりでキックオフ30分前の午前9時半には、サムライブルーのユニホームでほぼ満席になった。
山口選手は先発出場、同選手の姿が映るたびに拍手と声援が会場に響きわたった。前半16分にFW本田圭佑選手が先制のゴールを決めると場内は総立ちになる大きな歓声が起こった。前半戦は日本が1点リードしたが、後半戦は苦戦が続き、瞬く間にコージボワールが2点を得点。日本が逆転され、ついに試合終了。
亀井市長は「山口選手はよく頑張った。次の試合では気持ちを切り替えて頑張ってもらいたい」と次のギリシャ戦での健闘を期待した。
名張サッカー協会の福本進治氏は「残念な結果になったが、山口の動きはよかった。次の試合に期待したい」と話した。
この日、校舎内の教室で山口選手ゆかりのユニホーム、スパイク、寄せ書きなどが展示された。


名張市議会サムライブルー一色

名張市議会の6月定例会が開会した9日、開会前の本会議場で議員と議会に出席する市幹部らがサッカーW杯ブラジル大会に日本代表として出場する市出身の山口蛍選手(セレッソ大阪)にエールを贈った。
石井政議長、亀井利克市長らがひな壇に勢揃いし、サムライブルーに「JAPAN」と染め抜いた応援スカーフを掲げ、石井議長の発声に合わせて全員で「頑張れ」と声をそろえた。
【写真は両手で応援スカーフを掲げ、山口選手にエールを送る議員ら=市議会本会議場で】


有志4千人参加・クリーン大作戦

名張市内の一斉美化活動・名張クリーン大作戦2014は1日をメーン日に、名張川河川敷を中心とした市内各地域であり、有志4214人が清掃作業に汗を流した。
地域住民など50団体が協力し、5月11日と5月31日、6月1日には3833人、5月30日の名張市管理美化行動は381人が参加した。
集まったごみの総重量は5117`で可燃物が2280`、不燃物が2707`、管理美化行動で集めた可燃、不燃合計130`。
不当投棄されたテレビ12台、冷蔵庫3台、自転車4台、タイヤ60個、エアコン、洗濯機など、処理困難物は、市役所に一時搬入し、後日、処理する。


住民団体に功労賞・水源地サポートを表彰

名張の名勝、香落渓を身近にする会(山口繁一代表)がこのほど、日本河川協会から「平成26年河川功労者表彰」を受け、山口代表やメンバーは28日、亀井利克名張市長を表敬訪問、受賞を報告した。同会は山口さんらが主宰する「花見つけ自然教室」を母体に平成22年に結成、「平成22年度ダム水源地地域サポート事業」に応募し認定された。
活動内容は1年目が香落渓曽爾古道の整備(除草と案内看板)。2年目には香落峡、曽爾古道案内マップ作成、ハイキング等のイベント実施、渓谷3カ所に案内大看板を設置。3年目には観光パンフレット作成、ハイキングなどのイベント実施やボランティアガイドを対象にした観光案内講習会開催などを行い、その活動が認められた。
山口会長は「香落渓を愛するメンバーが中心になってコツコツと取り組んできた。成果が認められてうれしい」と喜びを表した。
亀井市長は「名張市は淀川の水源都市だ。青蓮寺川、名張川(比奈知川)、宇陀川の3川がこの地で合流して淀川へ流れる。山口さんらがこの賞を得たことは水源都市として誠に光栄だ」と祝福した。


吟醸酒「みのわ」発売

名張市の箕曲地域づくり委員会(まち協)は地域ビジネスとして酒米の「神の穂」を栽培、天日で自然乾燥後、農協を通じて地元の酒造メーカー澤佐酒造合名会社に販売している。澤佐酒造は神の穂で吟醸酒をつくり16日、販売を始めた。酒の銘柄は「みのわ」でコクがあり、人気は上昇中。 
同酒造では、玄米を60l削り、40lの白米を酒に仕込んだ。澤専務自ら杜氏を務め、細やかな配慮と管理でできた「みのわ」は、口当たりは上々で、燗をするとさらにうまみが出ると評判。
地域づくり委員会は今年の田植えも同日行った。今年の栽培地は澤佐酒造の経営者が所有する約3反(3000平方b)の水田を利用、数人が出夫して「神の穂」の幼苗を植えた。
名張市議会が議員提案で制定した「地元の酒で乾杯」条例は、箕曲地域づくり委員会が商工会議所などと一緒に議会へ要望して制定されたもの。


ちびっ子力士・わんぱく相撲健闘

小学生たちが優勝を争うわんぱく相撲(名張青年会議所主催)が11日、名張市の美旗小学校で開催され、25人のちびっこ力士が日ごろの練習成果を披露した。名張場所は今年初めての開催。1年から3年の部と全国大会に進める4、5、6年の部が行われた。
相撲は、審番員が東西に配置される本格的な真剣勝負。行事の「はっけよい、残った」の掛け声と共に子どもたちがぶつかり合い、応援の父母からも声援が送られた。
腰投げや押し出し、足払いなどの技が繰り出され、勝負が決まると大きな拍手が沸いた。6年の部で優勝した箕曲小の米野矢浩君は「みんな強かったので優勝できるとは思ってなかったのでうれしい。全国大会では頑張りたい」と意欲を示した。
主催者の名張世青年会議所の岩見論理事長は「この大会を機に多くの子どもたちが相撲に興味を持ってくれれば嬉しい」と語った。


三重テラス開店半年・来店者は予想以上

三重県が昨年9月、東京都中央区日本橋室町に開設した首都圏営業拠点・三重テラスがオープン以来、半年を迎えた。県のアンテナショップとして県産品のPRや商取り引きの紹介を目的にした施設は、繁華街の日本橋から神田に向かう通りで、ひときわ目を引く。同地は三越百貨店や地方銀行の東京営業拠点、県産品のアンテナショップなどが多く並ぶ1等地で、三重テラスは三越百貨店の斜め向かいにあり、レストランと商品販売所が通りに面し、立地条件は群を抜く。そんな三重テラスを訪ねてみた。
清楚なレストランは予想以上の人気ぶり。イタリア風で三重県産の旬の海幸、山幸の新鮮な材料を使った料理が舌がこえたグルメを喜ばせている。
レストランの食材は桑の水ようかん、伊勢茶のジェラート、伊勢茶と山村牛乳のティラミスなど若い女性が好むものばかり。
また、三重県の特産物を材料にした珍しいメニューも多く、食後のデザートにも使われるメニューだ。商品販売所には三重県特産の陶芸品、農産品、海産物、清酒、漬物が陳列され、さながら地元にいるよう。
関係者の話では来店者は目標の11万人を超え、2倍以上の27万5千人。一方、商品と三重産品、レストランの売り上げは1億660万円で目標の1億7千万円を少し下回っているという。
伊賀の産品も展示されている。陶器では長谷園の伊賀焼。そして宮崎屋の養肝漬、伊賀の吟醸酒、かたやき、伊賀忍者カレー(伊賀牛)などが陳列されている。
吟醸酒は、名張乙女、半蔵、義左衛門、黒松翁、初日などの銘酒が並び、中高年のサラリーマンには人気だそうだ。
また、大山田農林公社のてんぷら油、サラダオイルも棚にあり、伊賀の存在も目を引いた。


「ひゃわん」が案内

名張市街地の観光案内をする「まちなか情報案内板」がこのほど、名張市栄町の旧消防庁舎跡の駐車場に設置された。地図には名張のご当地キャラクター「あれっこわい犬、名張のひやわん」が登場し散策ルートを紹介。
案内板には3種類の観光ルートを書いたイラストマップが描かれており、掲示板の下には各ルート別の「コミュニティマップ」がケースに備え付けられ、自由に使える。旧市街地に来てもらおうと、名張まちづくり推進協議会などが制作したもので「地図を見ながら町を散策してほしい」と願っている。
地域ビジョンづくりを目指す同協会が名張市と協働でつくり、県立名張高校の非常勤講師・石見彰教さんと生徒32人が協力して制作▽歴史探訪コース▽まちなか散策コース▽初瀬街道ひやわい散策コースの3コースを設定した。
歴史探訪では神社仏閣などのパワーポット、まちなかコースではまちかどは博物館めぐりがある。


今年もきれいに!6月1日クリーン作戦

名張市内をきれいにする「名張クリーン大作戦」が6月1日に行われる。
市内各地のポイ捨てごみや不法投棄ごみ片付ける清掃活動で毎年行われ、多くの市民が参加している。
実行委員会の中西崇雄委員長(NPO法人・地域と自然代表)は「今年は若者も参加してもらい、1万人の参加を目指したい」と参加を呼び掛けている。
昨年12月に結成した市公認の「縁結びガールズ」も参加。終了後にはデビュー曲で同大作戦のテーマソング「恋する・にんにん」など2曲を披露する。リーダーで近大高専の徳本望未さんとメンバーの和田彩恵さんは「初参加ですがボランティア活動にしっかり取り組みたい。同世代の人もたくさん参加してほしい」と話している。
同作戦は昭和16年にスタート。毎年多くのボランティア市民が参加し、昨年は4712人が約5.7トンのごみを収集。これまでに市民、団体、行政、企業など延べ3万1千人が参加した。


伊賀市で忍者映画祭

忍者発祥地の伊賀市で初めての映画祭が8月22日〜25日の4日間行われる。題材は伊賀、忍者に関する約30作品で一挙に上映する。会場は伊賀市内のフレックスホテル、ハイトピア伊賀。
地元出身の芸能プロダクション社長・森口あゆみさんと地域おこしの住民らが考案し、実行委員会を立ち上げた。開会式の8月22日には、伊賀が舞台の映画「忍ぶ糸」の主演女優・栗原小巻さん、地元出身の俳優・椎名桔平さんも出席する。
映画祭の実行委員長は伊賀市観光大使のゆるキャラ「いが☆グリオ」、名誉会長は岡本栄市長、伊賀市出身の芸能プロダクション社長、森口あゆみさん(東京都在住)が事務局長を担当する。
主催は伊賀の国忍者映画祭実行委員会で後援は伊賀市、甲賀市、三重県、伊賀市観光協会、甲賀市観光協会、信楽町観光協会など。
8月22日夕、上映作品の監督や出演俳優がレッドカーペットを歩く開会式をはじめとして「忍者映画コンペテシヨン」(23、24日)や伊賀ゆかりの映画を集めた「伊賀の国名画座」(23日)、地域文化を題材にした作品「地域ムービーアワー」(24日)、実行委員会が選んだ「忍者映画フォーラム」など。
伊賀で撮影した「忍者虎影」(西村喜弘監督)は初めての上映となる。椎名桔平が出演する「忍 SHINOBI」や「赤目四十八瀧心中未遂」も上映する。
映画会の鑑賞券は3千円(4日間共通)。市内の飲食店や公式ホームページで販売する。


福祉まちづくりセンター開所

名張市元町のリバーナ(イオン名張店)3階に「福祉まちづくりセンターが」10日開所、市長やイオン関係者がテープカットをして開所を祝った=写真。主体は名張市、名張市社会福祉協議会、名張地区まちづくり推進協議会で、運営は社会福祉協議会、同協議会の相談員らが常駐する。
3階の北側約270平方メートルの床を利用、ボランティア活動スペース、相談室、学習室、会議室などがあり、福祉施設でつくった野菜や卵などを販売するコーナーもある。
開所式で亀井利克市長は「名張市の高齢化は進んでいる。健康で長生きしていただくためには、老人が家に引きこもるのではなく、まちに出て多くの人とふれあうことが大切。福祉のまちづくりを大切にしたい」とあいさつ。
運営主体の社会福祉協議会の山本順二会長は「高齢化は地域や企業、NPO、市民など地域ぐるみで支えあう必要がある。地域づくり、老人、子育て支援にも利用したい」と述べた。
毎月第3水曜日には介護サロン「さくら喫茶」、毎月第2、第4土曜日には、図書館サロン事業「おもちゃ箱」が開かれる。木曜定休日。問い合わせは福祉まちづくりセンター、電話62局7388番へ。


藤堂高虎展・ゆるキャラも登場

戦国時代の武将で安濃津、伊賀上野の城主・藤堂高虎公の生涯を企画した「藤堂高虎展―出世た伊賀―くん」のお披露目展が1日から12月28日まで伊賀上野城天守閣で開かれている=写真。6日にはお披露目会としてゆるキャラ9体が友情出演した。
大天守閣1階には、一介の浪人から32万5千石の大名に出世する高虎の生涯を絵でたどる12枚のアクリル製パネル(縦約180a、横約90a)を設置。顔の部分に穴があいていて、顔を出して記念撮影ができる。
また、土日祝日(5月の連休を除く)には甲冑(かつちゅう)の試着が無料でできる。小さい子供用の兜(かぶと)も用意されている。
天守閣2階では「藤堂高虎遺品展」があり、直筆の書状、武具、骨董品など30点を展示。大坂夏の陣の旗指物や高虎のいとこ藤堂新七の鎧兜(よろいかぶと)もある。
6日の「た伊賀―くん」お披露目会は、本丸広場で午前11時と午後1時半の2回あり子どもたちの人気を博した。
天守閣への入場料は一般500円。小中学生200円。問い合わせは伊賀文化産業協会0595(21)3148まで。


地酒で乾杯!!箕曲まちづくり委

名張市箕曲地域づくり委員会は13日、自分たちで栽培した酒造好適米「神の穂」で醸造した地酒「神の穂天火干し みのわ」を披露、新酒発表会を瀬古口公民館で行い、参加者から好評を得た。
酒に使用する原料米は三重県が開発した酒造好適米「神の穂」=同市夏見の休耕田1300平方bで栽培。住民の参加で稲刈りや天日干し作業を行ったもの。精米は農協に出荷、地元の澤佐酒造が引き取り醸造した。
澤佐酒造では酒の仕込みを杜氏に頼らず、経営者が自ら仕込みを行い、評判の良い酒を醸造している。参加者は「味もコクもいうことはない。一度味わったら忘れられない味だ」とべたほめ。この日は「地酒で乾杯条例」を議員提案で成立させた議員も参加。「伊賀の酒はうまい。全国の人に飲んでもらいたい」と地場産業振興に思いをはせた。
箕曲地区の山すそには、かつては多くの桃が植えられ、箕曲小学校校歌にも桃が歌われている。この桃の里を復活すべく同地域づくり委員会は桃の里構想を企画、地域では「どこの家にも桃の木があるよう」、桃の木を植えようと呼びかけている。


社協に血圧計寄付

特定非営利法人生活支援グループ「こんにちは」の菅尾孝作理事長、寺田伊三男理事、中村民雄理事は7日、社会福祉法人名張市社会福祉協議会を訪れ、山本順二理事長に時価二〇数万円の血圧計を贈った。
菅尾会長は「私たちは会費やゴルフのチャリティーコンペなどの事業で集めた資金で社会に役立つ活動をしており、血圧計が故障していると聞いたので、新しい機械を寄付した」と話した。
山本理事長は「使えなくなっていたが、このたび、ご寄付をいただきありがたい。ふれあいを訪れる多くの老人が使わせていただける」とお礼の言葉を述べた。


全国制覇目指し!女子小学校ドッジボール

全国女子小学生ドッジボール選手権大会に出場する名張市つつじが丘、百合が丘の小学生6人が11日、亀井利克名張市長を表敬訪問、市長から激励を受けた。
メンバーはつつじが丘ファイターズに所属する松尾玲奈さん(12)、川上祐さん(12)の6年生と池上茉莉さん(11)、久保亜月さん(10)、竹中沙彩さん(11)山川玲奈(11)の5年生。
全国大会には12人で構成する各ブロック代表32チームが出場し、6人は合同で練習している四日市市のチームと合同チーム「皇花乱舞」を組み全国大会に出場する。チームは2月の東海ブロック大会で準優勝し、全国大会への出場権を得た。


芭蕉誕生370年祭・朗読会に拍手喝采

伊賀市の芭蕉生誕370年記念事業のオープニングセレモニーが1日、ハイトピア伊賀で行われ、イベントとして奥の細道朗読会があった。会場では女優の黒田福美さんと元テレビアナウンサーの岡本栄伊賀市長が交互に、奥の細道を朗読し、約200人の聴衆を魅了した。
岡本市長は「芭蕉は俳句を通じて日本文化に大きく寄与した。公家のものだった和歌を庶民のものにした。生誕370年を契機に、世界に誇りうる俳句、俳諧、芭蕉の世界を世界文化遺産になるよう働きかけたい」とあいさつ。来賓の鈴木英敬三重県知事は「三重県は俳諧の先進地であり、世界文化遺産になるよう応援したい」と祝辞を述べた。
続いて岡本市長は「芭蕉は29歳まで伊賀にいた。江戸弁でなく、伊賀弁で俳句をよんだはずだ。私は伊賀弁でよみあげ、黒田さんには標準語で詠んでいただく」と前置きし朗読を始めた。各場面の文章がスクリーンに写される中、和洋女子大学副学長の佐藤勝明教授の解説のもと、「奥の細道」の中から白川、松島、平泉、立石寺、最上川、市振、大垣などをよみあげられると、会場から大きな拍手がわいた。


十二単衣で結婚式・夫婦の日 菅原神社で挙式

伊賀市の上野市街地で夫婦の日とされる22日、平安時代の十二単衣を着た花嫁と衣冠束帯の花婿が菅原神社で挙式した。夫婦の日とされる22日、公募で選ばれた1組の夫婦が江戸時代の藩校・旧崇廣堂で着付けを行い、本町商店街を新夫が先導、新婦が輿に乗って菅原神社まで行列した。
沿道には多くのプロ、アマカメラマンがシャッターを切った。「おめでとう」の声を聞きながら、菅原神社に到着、手水で清めた後、昇殿。神前で誓いの言葉を述べた。
新郎新婦は地元の会社員山本貴士さんと金山さつきさん。ふたりは「めったにできない挙式でうれしい」「今までに一番幸せな日」など感激を述べた。商店街で行われている3月3日まで開催中の「上野城下町のおひなさん」祭りの一環。各商店では雛段(ひなだん)を飾っている。


19年ぶり大雪警報・名張市で30センチ積雪

名張市危機管理室は14日、名張市に1995年12月25日以来、19年ぶりに大雪警報が発令されたのを受け、災害対策本部を設置した。
午後3時現在の降雪量は27センチで15日朝までは、多いところで30センチが見込まれ、国県道を中心に除雪を実施。つつじが丘、すずらん台、梅が丘、百合が丘小学校を除く小学校は昼食後に下校、市立図書館は午後4時で閉館とした。幼稚園は小中学校に準じた措置を行い、保育所、園は保護者の協力が得られたところから順次帰宅。看護学校は午前中で授業を終了した。


「縁夢寿美ガールズ」名張市長が公認快諾

名張の魅力をPRするご当地アイドル「縁夢寿美(えんむすび)ガールズ」のメンバーが「えんむすび通りにぎわい実行委員会」の中西崇委員長と10日、亀井利克名張市長を表敬訪問した。
席上、中西委員長は「縁夢寿美ガールは市の行事のPRにも参加したい」と話すと、市長は縁夢寿美メンバーの希望に応じ、名張市長の“公認”を快諾した。今後、名張市のイベントにも登場予定。早速、市制60周年記念事業にも登場することが決まった。
面談後、縁夢寿美ガールズは市長室でダンスを披露した後、市長と記念撮影。市長も手を大きく広げるなど、ご機嫌でポーズをとり写真に収まった。


書き損じハガキ役立てて〜伊賀市緑ヶ丘中から名張ユネスコ協へ

伊賀市立緑ケ丘中学校(奥井肇久校長)の生徒会が集めた書き損じはがき338枚が4日、名張ユネスコ協会に寄付された。同協会はこのはがきを日本ユネスコ協会に送り、カンボジアなど後進国での学校建設に役立てている。
同協会では名張市内の小中学校に呼び掛け、年賀はがきなどの書き損じハガキを集め、低開発国の識字教育に役立てていたが、伊賀市の学校から寄せられたのは初めて。生徒会長の瀧岡葵君は「各生徒から1、2枚づつ集めた。ユネスコ協会で役立てていただければうれしい」と話した。
名張ユネスコ協会の辻本進会長は「予定していなかったところからいただいて本当にうれしい。一枚のはがきでも、まとまれば役に立てることができます。ユネスコは国際連合の教育、科学、文化機関で、後進国への文化や教育の援助をしています」と語った。


甲賀流忍術を直伝「日常生活にも役立つ」

甲賀流忍者の末孫で忍術を継承している現代の忍者―三重大学社会連携特任教授・川上仁一氏が25日、伊賀市のハイトピア伊賀で「忍者修行入門講座」を開いた。講座は同大学伊賀連携フィールド市民講座で、多くの若者が熱心に聴講した。
同氏は「忍術は体で会得するもので記録ではなく、記憶である。百姓が農業のノウハウを体で覚えるのと同じだ。記憶すべきことも文字で書くと証拠が残る。自分の体、頭脳にしまいこむことが術である」と述べた。
そして、忍者は気配を覚られないよう息をコントロールすると説明。同氏は長い時間をかけて呼吸する「息長」や息を吸ったときに腹をへこませ、吐いたときに膨らませる逆呼吸の法などの呼吸法を披露。また、忍び足については、ぬき足差し足のほか、あお向けのまま歩く法、座りながら歩く法を紹介、実演し、参加者もまねた。
また、気合の術については、重ねた鍛錬をうかがわせる鋭く迫力のある気合をかけた。
さらに、遠方と近くを交互に見る術も披露。教授は「日常生活にも役立つ」と話した。参加者は「忍術については知識として知っていたが、実技は初めてです。忍術を修行していると健康に良いことがわかりました」と話していた。


ギフチョウ守ろう・薦原小でESD授業

文部科学省からユネスコスクールの指定を受けている名張市立薦原小学校は22日、ESD(持続可能な開発のための教育)授業を公開した。ESDに関するユネスコ世界会議が11月に名古屋で開催されるのを機に、中部7県ごとに小中学校1校がモデル授業を実施するもので、同校は天然記念物に指定されているキフチョウの観察をやっており、環境庁省と文部科学省がとり組んでいる環境教育の一環として開催した。
授業では、映像や地域の人たちの話を聞いて、地域で守られている絶滅危惧種のギフチョウと自然との関係を考える学習をした。ギフチョウの生態や生息場所やギフチョウが好むカンアオイについても学んだ。後半では、子供たちを指導している市民グループ「伊賀ふるさとギフチョウネットワーク」の加納康嗣氏らが活動内容を説明した。
ギフチョウは環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に分類されているアゲハチョウ科の日本固有種で、県内では名張市、伊賀市の一部で生息、名張市も絶滅危惧種に指定している。薦原小学校区内に生息地があり、同校ではギフチョウの観察をしている。
同校は自然に恵まれ、付近の山には野生のキジが生息、校庭にも飛んでくる。閉校される滝之原小学校に代わり、放鳥する話も進んでいる。


七色のアーチ・名張市消防出初め式

名張市の消防出初式が12日、鴻之台の名張市消防本部で行われ、約700人の関係者が参加した。
式典ではきびきびした行進や整列が行われ、亀井利克市長は「気合の入ったみなさんの動作は頼もしい限りだ。今年も、市民の安全安心を守っていただきたい」と訓示。
このあと、放水訓練に向かう車両の観閲があった。はしご車を先頭に特殊工作車、化学車、タンク車など消防本部の車両が先行、各消防団の車両がこれに続いた。
名張川鍛冶町橋の下流の左岸の護岸道路に約34台の車両が並び、はしご車の合図で一斉に放水をした。放水には食用染料が使われ、赤、黄、青色など7色の虹を演出、見学している市民を喜ばせた。


日本1の米を寄付・おいしい米コンテストで金賞

中山間地域に指定されている名張市国津の神屋地区でとれたコシヒカリが、米どころ山形県の「第7回あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテストin庄内町」で優良金賞に選ばれた、橋本裕徳さん(名張市産業部長、58)が9日、亀井市長に入賞報告と受章した米30`を贈呈した。
コンテストは全国から出品された52品種、409点におよぶ米の中から、全国から募集した409人の審査員が各家庭で審査したもの。予選を突破した総合部門30点、高校生部門6点の米が昨年11月30日の決勝大会にエントリーされ、その中で兼業農家の橋本さんが、三重県で唯一入賞した。この審査は食味計によらず、食べるだけのテストで審査された。
橋本さんの耕作地は、国津(名張市神屋)の谷間の棚田で日照時間は短い。用水は渓流の水で、水温は低い。橋本さんは、「作付の品種は、奨励品種のコシヒカリを選び、味を良くするために、昼夜の温度差を大きくした。そのためには水の管理が大切で、植え付けも出穂の時期を計算して植え付けた」という。
橋本さんのほかに協力者のJA伊賀南部の営農部長・大橋秀司、市農林資源室の関森室長が同席した。そして「伊賀米も最近、人気が出てきた。伊賀の土質は古琵琶湖の底が隆起したもので、有機質や微量要素が多く食味は良い」と話した。
亀井市長は「名張の米が全国レベルで評価されたのはうれしい。名張の米がおいしいことが証明された。名張の米を買っていただけるよう市民にお願いしたい」と話した。


草を肥料に・環境大賞

名張市で除草作業による環境美化活動を行っているNPO法人すりーはーと(石原幸次郎理事長、20人)が三重県の「第2回三重環境大賞」を受賞し12日、市役所を訪ね亀井市長に報告した。
すりーはーとは市や市民団体、個人と契約して除草作業を続け、刈り取った草は自ら耕作している農場の堆肥として使用、完全なリサイクルを実行しているNPO法人。農場では農薬や肥料を使わない環境に優しい作物を栽培している。
収穫物は養護学園や保育所の子どもたちと収穫イベントを実施。また、広大な農場を無償で貸与を受けているため、地主からコメを買い上げ、買い上げたコメを保育所、幼稚園の給食用に寄付している。
今回の受賞は昨年12月、津市のメッセウイング・みえで行われた三重県境フェアの席上、表彰された。石原理事長は「受賞は夢のようで大きな感激です。これからも会員一同力を合わせ、頑張りたい」と話した。