2020年度 バックナンバー
私募債活用し機器寄贈

名張市内に事業所を置く株式会社中西商会は、百五銀行が発行する「百五SDGs(持続可能な開発目標)私募債」の手数料の一部を虹の会(名張育成会等福祉施設支援団体、耕野一仁会長)を通じ、社会福祉法人名張育成会へ電気機器を寄贈した。
同私募債は、地域貢献を考える発行企業が指定する教育や福祉機関などに物品を寄贈する制度である。同私募債は9月下旬に発行。12月21日に百五銀行桔梗が丘支店(前川暁支店長)で贈呈式が行われ、同法人市川知恵子理事長に、契印機1台とヘッドセット一式の目録が手渡された。
中西商会の河村卓勇社長は、「半世紀にわたり名張で事業をさせていただいてきたので、何かお役に立てる事はないかと考えてきた。これからも、SDGsの取り組みを続けながら、地域に恩返しをしていきたい」と話した。また市川理事長は、「コロナ禍の中、感染予防に努めながら、施設運営をしてきた。利用者や職員が行う書類整理の作業やリモート会議に使う備品等が不足しており、大変困っていたが、この度の寄贈は大変ありがたい。大切に使わせていただきたい」と感謝の言葉を述べた。


今年も名張駅前にイルミネーション

近鉄名張駅西口の街路樹にイルミネーションをとりつけ、さらに6500個のLEDライトで飾る「なばり嬉来(うれき)てピリオド」が4日から始まった。SNSで「#名張駅近居酒屋メシ」をつけて駅周辺の居酒屋メニューを投稿すると抽選で1000円のクーポン券も当たるキャンペーンも、令和3年2月28日まで実施している。
同企画は名張市観光協会女性部会のメンバーが昨年結成した「ばりめっこ」が町の活性化を目指して企画しており、今年で2回目。メンバーらが自ら街路樹に登り、枝に電飾をつけたり、街灯の両側に光る飾りをつけたりして、華やかさを演出した。
12月4日午後5時から行われた点灯式には、亀井利克名張市長も参加。亀井市長は「名張の玄関口でおもてなしをしていただいてありがたい」とあいさつした。ばりめっこリーダーの市橋雅美さんは「名張に住んでいる人に元気になってほしい。新型コロナウイスを追い払ってほしい」と語った。


飲酒運転根絶を!名張市長らが啓発運動

年末を控え飲酒運転根絶を訴える啓発活動が12月1日、名張市平尾の近鉄名張駅周辺で行われた。亀井利克名張市長や常俊朋子市議長、名張警察署の野原真太郎交通課長、交通安全協会役員ら約20人が集合した。
冒頭亀井市長は西口交番前に集合した関係者に対し、「新型コロナウイルス感染拡大で、飲食店のお客さんが減って大変だと思うが、それでも飲酒運転はなくさなければならない」とあいさつ。
野原課長も「人身事故は減少傾向にあるが、飲酒運転はおおきな事故につながってしまう」と根絶を訴えた。
その後、3班に分かれて酒類を提供する飲食店を訪問、飲酒運転防止の協力を呼び掛け、飲酒運転根絶を啓発したチラシを手渡した。
名張署管内の10月末までの飲酒運転者の検挙件数は18件で、前年同期比で20件減少している。


名張市から2人が入賞

「第70回社会を明るくする運動・作文コンテスト」の三重県審査結果で、名張中学校の永野由華さんが県内で最高賞の「三重県推進委員会委員長(県知事)賞」に、桔梗が丘中学校の生田初さんが次席の「三重県教育委員会教育長賞」に選ばれた。
「社会を明るくする運動」は、犯罪や非行のない明るい社会をつくる目的で、非行の防止と罪を犯した人たちの立ち直りを支えていくための運動で、この運動の周知を目的に、全国的に小中学生からの作文コンクールが開催されてる。今回は記念すべき70回目となるコンテストで、名張市内の中学生から293点の応募があった。


名張市長もダンス

名張市ではコロナ禍を元気で乗り切ろうと11月16日お昼に、亀井利克名張市長をはじめ市職員有志が名張市役所正面玄関に集合。全員でご当地キャラクター・ひやわん「ひやわんの歌」に振り付けをした「ひやわんダンス」を踊った。
ダンスを考案した名張地区まちづくり協議会「隠(なばり)ひやわん倶楽部」が今回のダンスの様子を収録。今月中に市内各地でひやわんダンスを撮影を予定。収録した動画を編集し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。
参加者は体の前で両腕をぐるぐる回したり、片腕を斜め上に伸ばしたりするなどリズミカルに踊った。
同クラブは「動画を見ながら楽しく体を動かしてほしい。いい汗を流して、コロナ渦を明るく元気に乗り切ろう」と呼びかけている。


元気で卵を産んでね

里山の環境と野鳥に対する子どもたちの関心を育む為、名張市狩猟会が放鳥体験会を開いた。名張市立薦原小学校と比奈知小学校の6年生の児童が11月9日、キジ44羽の放鳥を行った。
キジは岐阜県で飼育した生後約2か月の若鳥で、比奈知小では近くの森林公園で放鳥。薦原小学校では校庭から周囲の里山に向かってオス、メス合計20羽の若鳥が飛び立った。
ユネスコスクールに認定されている薦原小では、学年ごとにギフちょうの観察や稲作などの自然学習を取り入れている。地元猟友会の協力を得てキジの自然保護のため毎年放鳥をしている。


定規で正しく測ろう

11月1日の計量記念日に合わせ、県計量協会名張支部(岡田知也支部長)が名張市内のすべての小学2年生(14校・665人)に定規を贈った。算数の授業などで活用してもらい、正しい計量を学んでもらうのが目的。
同協会ははかりや体温計などの計量器具を扱う市内の9業者で構成しており、毎年、計量を学び始める市内の2年生に定規を贈っている。
協会は30日、市立桔梗が丘南小学校(214人、稲森理伸校長)で贈呈式を開き、2年生43人に定規を贈った。
岡田支部長は「いろんなものを測り、計量の大切さを確認してください」とあいさつ。生徒たちは早速、鉛筆の長さなどを測っていた。


赤目渓谷で幽玄の竹灯

赤目四十八滝が幽玄の竹明かりでライトアップされる「幽玄の竹灯」が始まった。10月24日夜から来年1月31日まで続けられる。24日夜、関係者らが赤目自然博物館で記念式典を行った後、渓谷入口から200メートル先の霊蛇滝付近の会場で亀井利克名張市長と市エコツーリズム推進協議会の川口佳秀会長、小学生らが点灯のスイッチを押し、ライトアップが始まった。
高さ0.3メートルから4メートルの竹明かり約1千個に一斉に火が付いた。様々なデザインのものが作られ渓谷を染め上げた。訪れた多くの市民や観光客はカメラやスマートフォンで撮影していた。
市エコツーリズム推進協議会の竹灯りイベントは、堤防の竹林整備などで出た間伐材を利用したもの。
ライトアップは午後4時半から8時まで。入場料は大人600円、小中学生300円。問い合わせは赤目四十八滝渓谷保勝会(電話0595・41・1180)へ。


赤目マツタケ 今年は豊作

名張特産の「赤目マツタケ」が10月15日、同市夏見のJAいがふるさと・ほのぼの市場の隣の仮設市場に入荷、初競りにかけられた。扱い量は12・47キロで1・3キロだった昨年に比べ豊作だ。競りの結果、最高値は1キロ7万2千円となり、昨年の6万6千円を上回った。
赤目マツタケは香りや歯切れがよく京阪神や名古屋の料亭で人気があるという。仲買人組合の長谷川正組合長(89)は「今年は適度な雨があり育ちがよく、気温も下がってきたので質が良くなった」と今後の収穫にも期待した。競りは11月上旬まで不定期に開かれる。


300キロの新米寄贈

地域の自然環境を考え、健康で安心な社会を目指すなどの美化運動に取り組むNPO法人「すりーはーと」(石原孝次郎理事・富貴ヶ丘)は新米300キロを寄贈し亀井市長に目録を手渡した。市内の保育施設26か所に分配される。
同会は市の施設や市有地などの除草作業を請け負っている。除草した草は中村の高波氏から無償で借りている畑に鋤きこんでいる。無償で借りている謝礼として高波氏から米を買い入れ、名張市の保育施設に寄贈している。野菜などの収穫物も施設に贈っている。
石原理事長が「今年で13回目になります。名張のお米を子どもたちに食べてもらってください」と話し、亀井市長は「毎年御寄贈ありがとうございます」と述べ、感謝状を贈った。


古代庭園に現代アート

古墳時代の祭祀の場史跡「城之越遺跡」(伊賀市比土)で「『風還元』野外プロジェクト/城之越遺跡 大平和正展」が10月2日から開催され、作品14点を配置し、古代遺跡を舞台に現代アートの造形物が展示されている。
主催の伊賀市文化都市協会が2年前から大平さんに城の越遺跡を舞台にした展示を働きかけていた。
遺跡は水の湧き出る井泉がある今回の展示は大平和正さんの作品を古代と水をテーマにした演出。巾8メートルを超える陶作品とステンレスを合わせた長方形のオブジェや陶作品と鉄と水を組み合わせた高さ2メートルを超える造形物が古墳時代前期の上に点在する。
大溝が発掘され、水の祭祀の場であり日本庭園のルーツともいわれている。現地で18日、県埋蔵文化センターの穂積裕昌さんの講演会「日本最古の庭園」がある。
11月3日、展示造形物作者の大平和正さんの講演会トークイベント「城之越遺跡は風に還ったか」(20名、要予約)がある。


今年こそ上位入り狙う!プロバスケチーム・ランポーレ三重

国内最高峰のプロバスケットボールリーグ「Bリーグ」入りを目指している名張市のプロバスケットチーム「RAMPOLE(ランポーレ)三重」の上田頼飛(よりたか)監督(38)らが9月30日、名張市役所で会見を開き、3日から東海・北信越リーグに向けて「リーグで結果を残し、地域に認められるチームになりたい」と抱負を語った。ランポーレ三重は2019年から地域リーグに参戦したが、5勝9敗で8チーム中6位。上位進出を目指し、聴覚障害者競技「デフバスケットボール」で日本代表を務める上田氏が6月に監督に就任。さらに、Bリーグチームに所属していた名張市出身の石川智也選手(24)や岡本将大選手ら4人が新たに加わった。
会見で植田監督は「バスケットボールを熟知している選手が多い。新加入の選手の才能をできるだけ引き出していきたい」とかたり、新シーズンの目標を「3位以内」と掲げた。
ランポーレ三重の初戦は3日午前11時から、鈴鹿市のAGF鈴鹿体育館でGifu Seiryu Heroesと対戦する。無観客試合だがケーブルテレビ・アドバンスコープで放映される。


やなせ宿で珍しい屏風展示

名張にゆかりのある文人が描いた古い屏風が同市新町の旧細川亭やなせ宿で展示されている。10月11日まで。入場無料。
展示されているのは、江戸時代後期の儒学者・漢詩人の広瀬旭荘「唐代詩六選」(六曲一隻)=写真上=と明治時代の日本画家・芝村玉月の「日本画山水」(六曲一双)=写真下。市内の表具店が市民から譲り受け、珍しい作品を市民に見てもらおうと展示をしている。
広瀬の屏風には中国の唐時代の五言律詩六首が書かれている。広瀬は江戸末期の「観瀑図誌」にも漢詩を書いている。その時の縁でこの屏風にも書かれたのではないかと推測される。


錦生赤目地区の魅力を大学生がリサーチ

名張市の一般社団法人「滝川YORIAI」(代表理事・重森洋志・44)は9月12日、大学生の錦生、赤目地域の魅力を発掘、発信するプロジェクトの成果発表会を、同市赤目町長坂の赤目四十八滝キャンプ場で開催した。参加した大阪経済大学の2年生が地域で聞き取り調査などをした結果をもとに、増え続ける空き家を若者のチャレンジショップや特産の伊賀米の販売拠点として活用するアイデアを提案した。
滝川YORIAIは地元の青年会メンバーらが結成した団体で、昨年4月にリニューアルした赤目四十八滝キャンプ場を運営しており、移住希望者を集めた交流キャンプなどの企画を行ってきた。
今回のプロジェクトは若者の感性で地元の資源を再発見してもらい今後の地域づくりに生かそうと企画した。重森代表の姪で同大学2年の重森花音さんを通じて、同大学の中山帆暖さん(大阪市)、川本澪希さん(宝塚市)、伊藤美夏さん(和歌山市)が参加した。
6日からキャンプ場で寝泊まりしながら、2人づつ班に分かれて、赤目と錦生地区を巡り、棚田などの美しい景色を見て回り、移住してきた人の話などをきいたりした。その結果、空き家問題を抱える一方、豊かな自然や住民の強い連帯意識を感じたという。
重森さんらは伊賀米の新米を味わい、そのおいしさにびっくりしたという。2人は「地域の外では知名度が低い伊賀米をPRすることでおいしいコメを生み出したこの地域のことも関心を持ってもらえる」と話し、新米の季節におむすびを提供するアンテナショップを提言した。「おむすびは、この地域の人と人とのつながりのぬくもりを思い出させてくれる」と語った。
滝川YORIAIは、成果を大学に報告し、今後も連携しながら地域の課題解決を目指すという。
重森代表は「この地域にはだれもが見たくなる景色やもっと知りたくなる歴史がある、これらを生かして地域の課題を解決するため、今後も大学生の力を借りたい」と話していた。


女性のための創業セミナー

名張市産業部が関与している名張市経済好循環推進協議会はこのほど、「女性のための創業セミナー」を始めることになった。社会進出に意欲ある女性に福音となりそうだ。受講料は無料で、午前中1時間の講座が5回で終了する効率の良いセミナーとなっている。Zoomを使ったオンラインセミナーで、カメラ付きのスマートフォンもしくは、カメラ付きパソコンでの受講になる。
日程は第1回9月24日で、第2回は10月1日、第3回は10月8日、第4回は10月15日、第5回は10月22日。時刻は10時30分から11時30分までの1時間となっている。
講師は女性のベテラン経営相談員、社会保険労務士の高原祥子さん、行政書士、国語教室主宰の川戸恵子さん、インキュベーション・マネージャーの一尾香さん。
問い合わせは名張市経済好循環推進協議会(名張市役所4階産業部内)電話63局2143まで。


パンフレットラック完成

県立伊賀白鳳高校の生徒が、地元産の木材を使い農産物直売所の野菜やパンフレットを置くための木製ラックを3台製作し、8月28日にJAの農産物直売所「とれたて市ひぞっこ」で、同校の工芸部の生徒や直売所の担当者など合わせて約20人が集まり披露された。新型コロナウイルスの影響で学校が休校し、完成は大幅に遅れたが、ラックは発注者に引き渡され、現在利用されている。
このラックは伊賀地域で直売所を開く24組織で構成する「青空ネット伊賀」が、市を通じて伊賀白鳳高校に制作を依頼、同校クラブの工芸部が製作することになり、部員は2019年12月から直売所を訪ねイメージをつかみ設計した。
20年3月末の完成を目指して制作を進めてきたが、コロナウイスによる休校があり、完成は遅れたもののメンバーが力を合わせ8月に完成した。
製品は釘を使わないホゾ組で高さ1・5メートル、幅1メートル。高さ75センチの上段と同13センチの下段、奥行き51センチの棚を設けた。上段の棚には高さ51センチ幅35センチ、奥行き40センチで階段状の差し込み口6つと引き出しがある。一部に伊賀産のヒノキも使われている。
部長の工芸デザイン科3年、山口颯斗さん(17)は、「コロナで中断し、どこまで進んだか忘れるほどだった。寸法を間違えたり、加工ミスでのやり直しもあったが、模型通りできた、満足している」と話した。
青空ネット伊賀会長の百地豊作さんは「工夫を凝らしてやってもらった。大事に使わせてもらいます」と語った。ラックはJAいがふるさとのとれたて市ひぞっこ(平野西町)、野菜・果物・花市場うにの丘(蔵縄手)、こうづの郷ふれあい市場(伊勢路)の直売所に置かれる。


閉校記念碑除幕・旧三重県立桔梗丘高校

県立高校の再編で2年前に閉校した県立名張桔梗丘高校の閉校記念碑除幕式が8月23日に、高校跡地に移転した市立桔梗が丘中学校で行われた。
名張桔梗が丘高校同窓会閉校記念事業実行委員会の瀬森敏明会長や亀井利克名張市長ら約15人が出席。生徒用玄関わきに設置された記念碑の除幕を行った。記念碑の表には校歌と歴代同窓会役員の名前、裏面には効果ができるまでに歌われた愛唱歌が刻まれている。
同窓会は現在の桔梗が丘中学校に製氷機を寄贈、熱中症対策に役立ててもらうことにした。
名張桔梗丘高校は1973年に開校。卒業生は1万1千人以上だったが、名張西高校と統合した名張青峰高校が2016年に開校し、同校は閉校した。桔梗丘高校跡地には今年4月桔梗が丘中学校が移転した。


上野商議所 伊賀市に絵画寄贈

伊賀市の上野商工会議所は、所蔵する松生正彦さん(1916〜99年)と荒木寛さん(1924〜99年)の2人の絵画作品合わせて44点を伊賀市に寄贈した。松生さんの寄贈作品からション城(スイス)を描いた「古城」と抽象画の「作品2」は8月28日まで市役所1階で展示されている。
松生さんは伊賀市島ケ原生まれで教師のかたわら「二紀展」に出品を続けた。2010年に、以前住んでいた同市上野西町の築約120年の町屋が複合施設に改修されている。その際、遺族から商議所に62点が寄贈され、今回はそのうちの13点が市に寄贈された。
荒木さんは伊賀市上野相生町生まれ。絵は杉本健吉さん(1905〜2004年)に師事した。父は元料亭の「栄楽館」を市に寄贈している。2012年に遺族から絵画サークルを通じて123点が商議所に寄贈され、そのうちの31点が今回市に寄贈された。
寄贈作品から、伊賀上野城と石垣を描いた「初夏」と石仏、石塔を描いた「石の仏たち」が9月1〜29日まで市役所1階で展示予定。
岡本栄伊賀市長は4日、市役所で商議所の田山雅敏会頭に感謝状を贈り「市は文化振興条例を制定した。文化的伝統を未来につなげる。基本財産になりありがたく頂戴します」と述べ、田山会頭は「地域文化の向上に貢献すると思う」と述べた。


名張市役所で「非核平和パネル展」

8月15日の終戦記念日を前に、名張市役所で戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさを伝える「非核平和パネル展」が開催されている。14日まで。
1945(昭和20)年6月に米軍機の機銃掃射で被弾した蔵持小学校のピアノの写真や近鉄赤目口駅の弾痕の写真などのパネルを展示。また原爆の被害にあった広島の人々の絵や焼け野原となった長崎市の爆心地付近をとらえた写真を展示している。
訪れた市民は「戦後75年となり、戦争を知る世代が少なくなっているが、戦争の悲惨さ、平和の尊さを忘れないためにもこの掲示は意義がある」と話していた。


感染拡大防止に貢献したい〜アルコールハンドジェルを新開発

新型コロナウイルス感染防止に何か役に立ちたいと、伊賀の高校生が手を挙げた。美容クリーム「ピアニン」シリーズでヒットを飛ばしている伊賀市の「県立あけぼの学園高校・ビューティクリエイト部」の生徒たちが肌荒れを気にせず手を除菌できる「アルコールハンドジェル・バイ・ピアニン」を開発、発売した。すでに8万本が売れているピアニン・シリーズ第3弾。このほど同校で開かれた発表会で、部長の2年生、間浦愛華(まうら・あやか)さん(16)は、アルコール度数を60lに抑制して肌荒れを防ぎ、除菌効果の高い塩化ベンザルコニウム0・05lを配合して99・9lの高い除菌効果があると説明。「この除菌ジェルで、何とか伊賀地域の感染拡大防止に貢献したい」と声を弾ませた。
ビューティクリエイト部はこれまで、美容ジェルや全身用泡ソープを開発してきた実績がある。今回の感染防止の一斉休校で部活動も2月から休止になったが、その間も部員同士がリモートで「私たちも感染防止に役立つことはできるはず」と相談。@毎日アルコールを使っても手が荒れないAきちんと消毒効果がある、をテーマに除菌効果をインターネットなどで調べ、試行錯誤を重ねた。
学校が再開された6月からは実際の試作に入り、沖縄産のサトウキビを発酵させたアルコールを使用するなど天然成分97lの製品を津市の美容メーカー「ビケント」の協力で完成させ、6000本を7月31日から発売した。
携帯用80_g入り899円、300_g入りが1320円(いずれも税込み)。道の駅あやま、岡森書店白鳳店など8店舗で販売中。


今年はサプライズ花火

毎年恒例の名張川納涼花火大会だが、今年は当初開催予定だった東京オリンピックによる警備不足の不安から、秋開催を予定していた。その後、新型コロナウィルス感染拡大の影響により、4月には中止を決定した。
しかし疲弊した心のケアと今後の経済復興を願い、また歴史ある大会を継続させたいという目的から、7月23日の海の日に打ち上げられた。
花火は密を避けるため、打上日時・場所を告げず、観覧席も設けない「サプライズ花火」という形で開催された。
打ち上げた場所は名張川左岸(黒田地区のセンシン株式会社の敷地内)で火災等の心配のない場所が選ばれた。打ち上げられたのは75発。仕掛け花火も見られた。主催者は例年通り名張川納涼花火実行委員会で名張市、名張商工会議所、名張市観光協会、15地域の地域づくり協議会の共催で行われた。


善意のマスク170枚・名張JCが寄贈

家庭で余っているマスクの寄付を呼び掛けていた名張青年会議所(名張JC)の玉置智也理事長らは7月17日、市役所を訪れ、市民から届けられた未使用の布製マスク約170枚を市に寄贈した。玉置理事長(写真左)は「多くの市民からの善意です。有効に使ってください」と話していた。
名張JCは政府が各世帯に2枚づつ配布する布マスクが届き始めた6月4日に名張産業振興センターアスピア1階に専用ボックスを設置し、市民に寄付を呼び掛けていた。一方、市も同月8日から家庭で余っているマスクの寄贈を市民から受け付ける「名張愛のマスクバンクプロジェクト」を開始。市役所1階ロビーに専用ボックスを設置したり、郵便で受け付けたりしている。
玉置理事長からマスクを受け取った市福祉子供部の森嶋和宏部長(写真右)は「いただいたマスクは市のプロジェクトに寄せられたマスクと共に、小中学校や福祉施設に配布したり、避難所の備蓄用にしたい」と話した。


ベトナムの研修生が七夕を楽しむ

ベトナムからの留学生が作った笹の葉に短冊を吊るした七夕飾りが名張市多文化共生センター(名張市希央台)の入口ロビーに飾られた。「家族が健康でありますように」「12月には合格します」「ベトナムと行ったり来たりできますように」などと留学生の願いごとが書かれている。
同センター職員の松崎瑠美さんによると「日本語を勉強しながら日本の伝統や文化も楽しんでいます。彦星と織姫が出会うのは旧暦の7月7日で、季節が近く、日本の伝統文化を楽しんでもらってます。皆さん楽しそうです」と語った。
同センターは名張・桔梗が丘間の都市計画道路に面した市運営のビル・なばりえの2階にあり、市内で外国人住民が増えている昨今、外国人住民の支援・交流拠点を目的に、今年2月に開設。地域や職場、学校などで外国人と日本人が共にわかりあえるようにと、さまざまな取組を進めている。愛称はNabiChan(なびちゃん)。名張市内の外国人住人は急増しており、平成28年には562人だった人口は、令和2年6月1日現在で1074人になっている。フィリピンからの移住が最も多く、次いで中国、ベトナム、韓国、ブラジルとなっている。


蔵持小学校・恒例の社会見学をZoomで

名張市立蔵持小学校では毎年、名張市水道局の富貴ヶ丘浄水場を訪れ、名張川から送られた水が飲み水になるまでを学んでいる。今年は新型コロナウイルスの関係で遠足が中止になり、施設にはいけなかった。そこで今回はウェブ会議ツールのZoomを通じて学習することになった。
まず名張市水道部浄水室の担当職員がパソコンに接続されたカメラに向け、水の処理について説明した。そしてその内容を蔵持小学校の生徒は教室のテレビを通して学習した。
実験では川から取水した原水から石や砂を取り除き、活性炭を入れて臭いを取り除いて、ろ過装置で水を透明にした。しかし、見えない黴菌があるため、消毒液を入れて殺菌。飲み水に適しているかどうかを薬品を入れてピンクに変化すれば大丈夫という実験を披露した。
浄水場では定期的に検査して、飲み水に適しているかどうかを確かめているとのことだ。


宇流冨志禰神社で茅の輪くぐり祭り

名張の氏神様の宇流冨志禰神社で茅の輪くぐり祭りがあった。
6月28日夕刻、境内に集まった多くの氏子総代や檀信徒が一列に並び、中央に茅(ちがや)を束ねて作られた大きな輪をくぐった。この儀式によって邪気を払い、身を清め、健康な心身を作り上げることを祈念した。


初代斎王・大来皇女物語と夏見廃寺の記念展

天武天皇の娘で初代斎王を務めた大来皇女が建立したといわれる夏見廃寺の国跡指定30周年記念展が名張市立図書館で開かれている。
夏見廃寺は初代斎王だった大来皇女が建立したと伝えられている。古代の後継争い「壬申の乱」に勝利した天武天皇は、伊勢神宮の御加護に感謝して、自分の名代として娘の大来皇女(おおくのひめみこ)を伊勢神宮に派遣し、神宮に奉仕させた。その後、皇女は父の天武天皇が崩御したため、任を解かれ都に帰った。
大来皇女は父の霊を慰めるために名張夏見に寺を建てた。これが昌福寺であるとされている。名張を選んだのは、天武天皇が壬申の乱で名張川を渡河する前に占いが吉と出た縁起の良い場所である。天皇は戦いに勝利して引き上げる時も名張を通った。そして自身も初代斎王として赴任するとき、畿内(首都圏)を出る禊(みそぎ)を名張の横川(夏見の名張川)で行ったという縁(えにし)があった。そこで、名張の夏見を選んだのだろう。また当時、地元の有力者だった夏見氏が土地の斡旋(あっせん)をしたのではないか、ともいわれている。


新型コロナでサプライズ花火に

6月12日、名張川納涼花火大会実行委員会(川口佳秀実行委員長)が、第78回目となる今年の花火大会は、開催日や打ち上げ場所を告知しないで規模を縮小した「サプライズ花火」として実施することを発表した。
このサプライズ花火は、7月か8月に1回だけ。午後8時ごろに約5分間で100から150発を打ち上げる。また、打ち上げ花火の他に、仕掛け花火なども披露される予定。
昭和5年に始まった名張川納涼花火大会は、三重県内でも屈指の人気花火大会で、例年7月末に、約5000発の花火が上がり、6万人近い人出で賑わう。しかし今年は、新型コロナウイルス感染症予防のため、観客が密集しないように配慮された。
昨秋、東京五輪と時期が重なるため警備員が確保できないと予測して、今年は10月末に開催を予定したが、新型コロナの感染が拡大していた4月、その影響を考慮して、一旦中止を決定した。しかし、今月1日に全国で一斉に「悪疫退散」を祈願したサプライズ花火が上げられたことからヒントを得て、中止を見直した。(写真は昨年の花火大会)


今年も見事な白ユリ

名張市青蓮寺の里山で大事に育てている白ユリが今年も見事に開花した。青蓮寺の山口繁一さんは、自宅裏山に自生している白ユリを雑草が生えぬように手入れし、毎年白い花を咲かせ、近隣の百合が丘をはじめ、多くの人が鑑賞に来ている。
今年も、見事な花が咲き揃い、多くの見学者を魅了していた。


箕曲小学校で桃の袋掛け

名張市立箕曲小学校は校庭の花壇地の緑地にある桃の果実に袋掛けを行った。緑地には桃の木が数本植えられており、つぶらな実がついている。夏を迎えて大きくなれば見事な実が結実することになるが、虫が寄生することもあるため、紙袋をかけて実を守ることになった。
箕曲地区は果樹の栽培に熱心な地域で桃や二〇世紀梨などが栽培されている。この日は校長先生はじめ教職員や6年生の児童が袋掛けを行った。


名張市の事業者・団体から多数の善意

新型コロナウイルス感染症対策として、多数のマスクが名張市の各機関に届けられている。
精肉のオクダと北佐は今月、小学校や保育園などにサージカルマスク5千枚を届けた。取引先の香港の会社から入手でき、感染防止への協力を考えた。
丸福精肉店は「伊賀忍者ビーフカレー」300食を市立病院へ。
また、ブリジストンケミテック社は5月27日、名張市へウレタン製マスク1万枚を寄付。同社はグループ企業内で使う目的で生産していたが、市の要望で贈ることになり、市民センターや放課後児童クラブに配置される。
名張青年会議所・JCは名張市教育委員会と、市社会福祉協議会へマスク1千枚づつを寄付した=写真。


マスク1万枚名張市へ・名張環境事業協業組合

名張環境事業協業組合は13日、名張市に使い捨てマスク1万枚を寄贈した。市役所で開かれた寄贈式で福島克己副理事長らが亀井利克市長に手渡した。
福島副理事長は「最近では品不足が少し解消されたといわれているが、第2波が来ることも予想されており、マスクはいくらあってもよいだろうと考えた」と語った。
亀井市長は「何よりのものをいただいた」と謝辞を述べた。
寄贈されたマスクは市内の医療機関や市立病院に配布する。


休校中もがんばろう

新型コロナウイルスで休校が続き運動不足になりがちな生徒たちを励まそうと、名張市教育センターや市内の先生らが中心になって小中学生向けの学習サポート番組をつくることになった。市内のケーブルテレビ局・アドバンスコープが来週から放送するほか、インターネットでも公開する。収録初日の5月12日は、名張中学校体育館で市内の9小中学校の教諭ら38人が集まり、2016年に市立百合が丘小学校で考案された体幹を鍛える「コアコア体操」に取り組んだ。まず最初に、北中学校の氏家裕香先生が指導、全員が両腕を肩の高さまで上げてジャンプしながらの体操などを撮影した。
市教育センターの寺島哲司さんは「自宅で運動して心身を鍛え、学校でみんなで楽しく運動できる日を楽しみにしています」と励ました。
この日収録した動画は1時間番組に編集され、18日以降の平日午前9時から放送する。
松田和隆センター長は「子どもたちが知っている先生も登場する。今後も学びにつながる番組を作りたい」と話した。


新酒できました!神の穂で仕込んだ「みのわ」

酒造好適米の神の穂≠ナ仕込んだ新酒「みのわ」が今年も完成した。
原料の酒米・神の穂は三重県が改良開発した酒造好適米で、この米で造る酒は高い評価を得ている。
箕曲地区地域づくり委員会はこの神の穂を毎年栽培しており、刈り取った稲穂は委員会やボランテイアが「はさがけ」をして稲の栄養分を米に集中させる。
乾燥した稲穂から脱穀したモミはそのままJAに出荷され、保管される。
酒を仕込む時期になるとこのモミを精米して酒の原料とする。酒は参宮などの銘酒をつくっている澤佐酒造で仕込まれている。


4代目咲き始める〜天然記念物・花垣の八重桜

伊賀市余野の天然記念物「花垣の八重桜」が咲き始めた。本紙が「名賀郡史に掲載されている」として紹介した桜のクローンだ。
花の中心にある雌しべが2本ある珍しい品種で、先代の木の枝を挿し木にした「クローン」の成木。
筆者が想像するにこの桜は突然変異によるものだが、種子による世代維持は難しいため、挿し木にして世代を継いだのだろう。現在は初代から4代目とのことだ。


桐の大木の音は…?百合が丘センサートギャラリーで個展

名張市百合が東9番町のセンサートギャラリーで、奈良県斑鳩町の立体造形作家、佐古馨さんの個展が開かれている。
このギャラリーではしばしば前衛的な作家が個展を開いており、名張ではあまり見られない作品にお目にかかることが多い。
今回の展示品は、直径2尺(60センチ)はある桐の大木が2本、中をくりぬかれて横に吊るされている。丸太をくり抜いた、いわば太鼓の胴体のようだが、非常に長く、芸術作品そのものだ。外皮の部分につけた手斧跡は規則正しくつけられ、これも作品の重要部分である。
これをたたくと様々な音が出る。作者の佐古馨さんは「工房で作業中に聞いた音が森のざわめきのように聞こえた」という。偶然の発見でこの作品を作ったという。
バチでたたくと小気味よい音が空洞に反響し「なるほど……」と感心させられる。
ほかに木の器が70点展示されている。非日常の世界に暫し浸った。


貸し出し盛況・名張市立図書館再開

名張市立図書館は4月1日から開館している。利用は貸出に限定し、閲覧席利用は中止している。
本や新聞の閲覧席は撤去され、閲覧はできないが本の貸し出しは大盛況。外出ができず、家で過ごす機会が多い人にとっては読書の機会が増えた。
子どもたちにとっては、臨時休校が続き、家でやることがなく、読書はよい機会かもしれない。
移動図書館「山なみ号」は通状通り巡回している。館内は換気のため定期的に出入り口を開放している。スタッフはマスクを着用し、こまめな手洗いを徹底しているとのこと。


猛虎でコロナを追い払おう!!

名張市役所の玄関ホールに「猛虎の図」が掲げられた。名張市在住の市民が「猛虎で新型コロナウイルスを追い払おう」と3月27日、亀井利克市長に直接手渡した。本人は「名前の公開は無用」とのこと。
市長から「せっかくいただいたものだから、市民の目につく場所に掲げるよう」との指示があり、玄関ホールにかかげられた。
本人が添えたメッセージには「虎は一日に千里を走り千里を帰るといわれている。家の主の旅を守ってくれるといわれている。虎は八方にらみで、家の玄関や城郭の門に飾られ、魔物を監視する。大阪道修町の少彦名(すくなひこな)神社に中国の薬の神様「炎帝、神農の神」が祀られている。江戸末期コレラが流行したとき、道修町の薬屋さんが「虎の頭の骨と生薬を混ぜた丸薬を処方。これがコレラ鎮静に役立ち、以降、虎はコレラ鎮静の守護神とされている」と記されている。


菜の花畑を快走する特急

菜の花畑の中を黄色の近鉄特急が快走する。この光景は名張市矢川の近鉄線沿いの花畑で菜の花と特急のカラーが似ており絵になる。
沿線には市民カメラマンが数人待機し、この光景を特写しようと頑張っている。昨年までは美旗新田の菜の花畑に多くのカメラマンが集まったが、今年は菜種を栽培していない。そこで、今年はこの場所が人気スポットになった。


赤目自然歴史博物館が28日にオープン

赤目渓谷の自然と歴史を紹介
赤目滝入口の赤目ビジターセンター内に「赤目自然歴史博物館」が3月28日に開館される。自然と歴史についての博物館である。自然は赤目滝、赤目渓谷の自然に関することだと容易にわかる、しかし、歴史が付くと頭をひねる人やすぐに忍者を思い出す人もいるはず。歴史とは忍者のことであり、そのルーツである修験道、修験者のことである。
赤目滝の歴史を簡単に紹介すると江戸時代、明治の初めまでは赤目渓谷は一般人が行かないところだった。渓谷は修験道の行者が修行するところだった。行者は延壽院を宿坊として山に入り自然と対話して修行した。延壽院は天台宗の寺院であり、本山は最澄・伝教大師が開山した真言密教の天台宗比叡山延暦寺である。本山では「千日回峰行」というのがあり、修行僧は自然の中で寝食をして千日間修行する。
赤目渓谷は修験者の道場であり一般人は足をふみ入れないところだったが、幕末に名張藤堂家の家老で学者の鎌田簗洲が渓谷を検分し写生した絵と記録「観瀑図誌」を作成し刊行した。これにより、赤目滝の存在が一般に知られるようになり、観光名所として知られ、参宮急行(近鉄)の開通で観光地に発展していった。鎌田簗洲は香落渓谷も紹介している。
高虎が延壽院に寄進
赤目渓谷一帯は地元の寺院・延壽院の所有である。伊賀伊勢安濃津の藩主・藤堂高虎が延壽院に寄進した。
藩主・藤堂高虎は天台宗に帰依している。初期の徳川幕府では天台宗の東叡山上野寛永寺の管長とともにご意見番だった。藤堂家の墓所は天台宗上野寛永寺にある。この縁でか、高虎は天台宗の赤目延壽院に赤目滝の山林を寄進している。藩主が交代しても改めて寄進状を出しており、赤目滝一帯は現在も延壽院の所有になっている。観光施設の敷地も延壽院のものであり、大手観光業者も進出ができないとのことだ。
そして、高虎は観音堂を寄進し、中に歴代藩主の位牌が祀られている。位牌は西を向いている。徳川家康が久能山に埋葬されたとき、遺言で棺桶は座棺にして、家康は西を向けて座り、西国大名を監視しているようにしたのに似ている。
修験道と忍者
「忍者は九字に印を切る」とされている。これは真言密教の作法だ。天台宗や真言宗の葬儀では、導師の僧が最後に「引導を渡す」とき「九字に印を切っている」。ということになると、「忍者は修験道者から生まれたのではないか」という説が納得できそうだ。
忍者の発祥は名張?
赤目四十八滝渓谷保勝会の増田部長は「伊賀忍者は名張の方が古い。忍者のルーツといわれている黒田の悪党≠ヘ、鎌倉室町時代で3つあり、伊賀忍者や甲賀忍者が活躍したのは戦国時代である。忍者の頭領・百地三太夫は名張竜口に屋敷があり、伊賀市喰代(ほおじろ)にも百地三太夫の屋敷跡や墓がある。名張の百地三太夫が伊賀市喰代に進出したとも考えられる。いずれにしても、いろんな説を語り合う場ができたので、開館後は関心のある人たちに話し合いや議論をする機会を作りたい」と語った。


極楽寺で道中安全を祈願

伊賀一井の松明講が2月11日に松明山から切り出したヒノキの薪を3月12日、奈良東大寺に寄進することになった。そこで、行列の道中安全を祈願する法要が10日、一ノ井の極楽寺で行われ、東大寺から派遣された僧侶や極楽寺の住職や講の人が極楽寺の本堂で道中安全を祈願した。
祈願の後、松明行事の創始者道灌長者の墓に報告を行い、道中安全を祈願した。
松明の東大寺への寄進行列は当初、名張高校柔道部や一般の参加を呼び掛けていたが、今年は感染症の拡散を警戒して、参加者は講の人、春を呼ぶ会のメンバー、近大高専生に絞り、松明を担いで笠間峠を越える行事は中止され、安部田坂之下からバスで奈良へ行くことになった。


消防本部が感謝状・救助協力のつつじが丘住民に

名張消防署は3月8日、つつじが丘市民センター前の路上で倒れていた男性を、住民が連携して心肺蘇生をして救助したとして、つつじが丘住民の主婦・山口千里さんら6人に感謝状を贈った。救助は救急隊に引き継がれ、搬送された男性は蘇生し現在、通常の生活に戻っている。
救助に関係したのは、同市民センター職員岩崎まどかさん、同センター館長の青柳登志夫さん、つつじが丘・春日丘自治協議会理事の竹田昌弘さん、ボランテイアガイドの藤原宏さん、小学校教諭の内田卓仁さん。
救助は昨年9月26日午前10時25分ごろ、センター前の路上で倒れている男性を山口さんが発見。声をかけても返事がなく、いびきのような音がしていたため、不審に思い119番通報し周囲にも助けを求めた。その声に気付いた内田さんがセンターに助けを求め、岩崎さんがセンターからAED(自動体外式除細動器)を運び、青柳さんら3人が救急車が来るまで交代で心肺蘇生をしたとのこと。
この日、名張市防災センターで行われた感謝状贈呈式には4人が参加。山口さんは「初めてのことでパニックになった。次は冷静に行動できるようになりたい」と話した。館長の青柳さんは「男性は我々の仲間だ。助けられてよかった」と話していた。


三重大発!忍び学でござる

三重大学の忍者研究をまとめた「忍者学講義」の出版を記念して2月22日、伊賀市ハイトピア伊賀でシンポジウム「三重大発!忍び学でござる」(三重大学主催)が開かれた。
開会あいさつで駒田美弘学長は「忍者学は歴史、文化にとどまらず、もはやサイエンス。この研究成果を社会に還元するのが大学の使命だ」と話した。来賓の岡本栄伊賀市長は「読者が楽しみにしていた連載。本になったのは喜ばしい」と祝辞を述べた。
三重大学の山田雄司教授が基調講演を行い、研究に携わった教授や関係者が忍者姿で登壇し、文学、食品科学、制御工学者の立場からコメントした。甲賀流忍術の伝承者の川上仁一さん(伊賀流忍者博物館長)も出席し、多くの忍者ファンが熱心に耳を傾けた。


勝手神社神事踊・ユネスコ無形文化遺産「風流踊」候補に

伊賀市山畑の勝手神社で奉納されている「風流踊」を文化庁の文化審議会無形文化遺産部会が「ユネスコ無形文化遺産への提案候補」に選定したという通知が2月19日、伊賀市にあった。同踊りは現在「国指定重要無形文化財」に指定されており、選ばれる可能性は高い。伊賀市では天神祭りの楼車(ダンジリ)がユネスコの無形文化遺産に指定されており、選定されれば伊賀市の伝統文化財が世界的に評価されることになる。
神事踊保存会長の北村忠則さんは先輩が築きつないでくれたおかげで今がある。ユネスコの看板を抱えれば、多くの人に見に来てもらえる。若い人にも励みになる」と喜びを。前会長の中林正悦さんも「これを機に皆で取り組もうという意識が高まる。若い学童たちにも家族たちが推めてくれればありがたい」と喜びを語っていた。


冬の陣コンサート2020〜名張市の混声合唱団コーロ・Gui

名張市を中心に活躍する混声合唱団コーロ・Guiの「冬の陣コンサート2020」が2月8日、総合福祉センターふれあいで開催され、多くの観客が懐かしのメロディを楽しんだ。「リンゴの唄」「東京ブギブギ」など戦後に流行したメロディから「世界に一つだけの花」など平成のヒット曲までバラエティ豊かな演奏が披露された。聴衆も懐かしのメロデイに合わせて手をたたいたり、団員の美しい歌声に聞き入っていた。


なが〜い巻きずし76.82メートル

名張市立百合が丘小学校で2月1日、節分にちなんだ恒例イベントの「なが〜い巻きずし作り」が催され、児童や保護者ら約260人が挑戦した。昨年の71.7メートルを5メートル以上上回る76.82メートルの新記録を達成した。挑戦に立ち会った亀井利克名張市長は4回目の「あれっこわい」認定証を授与した。
同クラブの「なが〜い巻きずし」づくりは2013年からはじまり今回で8回目。毎年、記録を更新し名張市が創設した「あれっこわい」認定は今回で4回目の受賞になる。巻きずしの材料は、米40キロ、のり430枚、卵焼き54パック、カニかま1500本、インゲン豆6キロを準備した。
机43台を並べ、ビニールが敷かれた長い台のうえに寿しのりが敷かれ、子供たちが合図に従って酢飯を広げ、上に具材を盛りつけした。一斉に具材を包むように巻く作業を行い、巻き終わると全員で10秒間持ち上げ、つながりを確認した。計測が行われ、昨年の71.7メートルを上回る76.82メートルが確認され、拍手と万歳が起きた。
この後、亀井市長から指導者の畑行子さんに「あれっこわい認定証」が授与された。


新ギャラリーで水彩画展

名張市丸之内の小島結納品店が改築新装しギャラリーを設けた。店は先代から結納品店であり、水引工芸の伝統を守ろうと当主の小島敏孝さんが改装。ギャラリーは妻淳子さんが手がける水引工芸の教室兼工房にしたいとして「ギャラリー縁」と名付けられた。
今回の水彩画は定年で会社を辞め、好きな絵画をはじめ現代アートを学び絵画の道に進んだ敏孝さんの弟・正幸さんの作品。。正幸さんは大手家電メーカー勤務中に体験した東欧の風景にあこがれ、再度旅行をしてチェコやポーランド、ラトビアを回り、橋や教会などを写生した。建物や橋は石造でありバロック調の彫刻がなされている。かなり古い歴史があるが大切に保存されているという。
正幸さんは東京在住だが、兄敏孝さんのギャラリー計画を知り、初めての個展開催を決断。故郷で兄の店舗改装に合わせ作品展示に踏み切った。


名張の座敷で講談

名張市中町の伊賀まちかど博物館・はなびし庵で1月19日、プロの講談師・旭堂左京と旭堂南山を招いて講談会を開催した。会場は満席で、上方の講談を楽しんだ。
演目は、旭堂南山が「三河屋幸吉」、旭堂左京が「太閤記・秀吉の足軽時代」を第1回目に演じた。第2回目は南山が「嘉永三馬術、梅花の誉れ」を演じ、左京が同じく「太閤記・秀吉の足軽時代」を話した。
来場者は「名張の座敷で講談が聞けるとは思いもよらなかったが、実際に聞けて楽しかった」と話していた。


新生児の成長祈る若子祭り

地域で生まれた男児や地域に来た婿養子の息災を祝う弓取り行事が1月9日、名張市滝之原の八幡神社であり、裃袴(かみしもはかま)姿の若い衆「弓取人」が6人、2人づつ入れ替わり3交代で矢を放った。
行事は700年以上の歴史があり、三重県の無形文化財に指定されている。的は正面の山幅に据えられているが、的を狙わず空を向けて矢を放つのが習わし。滝之原区の辻本英一区長は「若子が3年連続でいないが歴史ある祭りなので今後も継承していきたい」と話していた。
滝之原地区は奥深くない山村だが、世帯に若夫婦がいない。最近は滝之原に限らず、農家の長男も会社勤めをするようになり、団地や都会で住む人が多い。滝之原地区は裕福であり、すずらん台などの住宅地に区有林が売れるなどで各戸に分配したり、個人の山林が売れたりして金持ちが多く、ほとんどの家が建て替えられ、入母屋造りの2階建てが並んでいる。
むろん、内装も立派で住むのには申し分がないが、若い人は親との同居を嫌い、都市部に出ていく。高等学校を卒業すると昔は農家の後継ぎをしたが、今はサラリーマンを志望するようになった。最近の農業は機械化しているため、高齢者でも農業ができる。現在、農業を支えているのは高齢者である。これは、滝之原に限らず、農山村における現状である。


名張市百合が丘市民センターで新春餅つき大会

名張市百合が丘の市民センターで1月4日、新春餅つき大会があった。正月の餅つきは田舎の人がやるものと思っている人が多いのか、団地の市民センターでの餅つきは珍しい。百合が丘自治会は青蓮寺地区も入っており、正式名は青蓮寺百合丘自治会になっている。もち米は地元で調達し、青峰高校のホッケー部が準備などを手伝った。ふかしたてのもち米を木の臼に入れ、小突きをして搗(つ)いたが「手返えし」の女性の手つきは慣れたもの。地域の子どもらも手伝ったが、杵は重そうだった。


川上ダム定礎式に300人

去年は伊勢湾台風から60年目の節目の年だった。近年、自然災害が各地で発生している。川上ダムも利水については伊賀市だけとなっているが、自然災害への対策は急にはできない。伊賀市上野地区は安政伊賀地震で木津川、服部川と流域が地盤沈下し洪水時には氾濫する。岩倉渓谷を掘削、開削すれば解決するが、岩倉渓谷に多量の水を流すと下流地域で氾濫する。下流の沿線は大阪まであり、護岸工事や橋のかさ上げなど多額の費用が必要。そこで、建設省(当時)は、岩倉渓谷の開削の代わりに、被災地域の避水移居と遊水池の建設、川上ダムの建設を提案し、三重県知事も地元も了承した経緯がある。避水移居と遊水池の建設は完了し、残るは川上ダムのみとなった。
ダム工事は仮設工事と本体の基礎掘削、両岸の表土剥ぎ取りを終え、基礎部分のコンクリートを約10メートル打設している。昨年12月15日の定礎式は基礎固めの儀式で、木造建築で行われる上棟式のようなもの。重さ110`の御影石に定礎の文字と年月日を彫りこみ、鎮定し周りをコンクリートで固める儀式。儀式には地元国会議員、県副知事、県議会議員、地元市町、市議、地元地権者が招かれた。
岡本栄伊賀市長が「生活安全を守る重要な施設であり、ダムを活用した地域の活性化も期待していると」とあいさつ。元地権者で住民だった川上ダム対策委員会協議会代表の古川喜道さん(92)は、移住住民の苦渋にふれながら「安全第一、無事故で一日も早い完成を祈りたい」とあいさつした。