▼ぴーぷるステーション【NO.1】
中村子供会会長・東元崇吏さん(40)
■子ども減り伝承が課題
 「伝統行事を守っていくというのは難しいですね」。名張市に伝わる新年行事の一つ、美旗中村の「藁(わら)かまくら」とも呼ばれるどんど焼きを引き継いでいる中村子供会会長の東元崇吏さん(40)の気持ちは複雑。「子どもが少なくなり、わらや竹などの材料集めも大変な作業。また、かまくら造りも昔のように子どもの手で作れませんからね…」というのが理由のようだ。
「どんど(左義長)」の詳しい由来は分からないが、小正月の1月14日から15日朝にかけて行われる火祭り。中村では約30年前まで地区の東と西の入り口に立てられ、悪疫・邪霊などを排除する意味を持っていたが、現在は公民館児童公園内で続けられている。
東元さんによると、今年も前日の午前8時から子どもや父兄が集まり、半円形のわらぶき小屋を造り、その上に青竹本を縄で束ねた高さ約10のどんどを完成させた。「昔は前夜からわらかまくらの中でもちを焼きながらおこもりしましたが、今は公民館で一夜を過ごしています」と話す。ただ、東元さんは「どんど造りの手引き書もなく、全てが口での申し送り。縄一本くくるのも、その都度聞いていくわけですから、伝えていくことに気を遣います」と悩む反面、子どもたちの楽しそうな表情に「いつまでも守らなければ」と笑顔を見せていた。
TOP戻る