▼ぴーぷるステーション【NO.9】
安満乃荘」を開設・小野悦子さん(67)

■生きる証に妖精画描く
 名張市上本町に1年前ギャラリー「安満乃荘」を開設した小野悦子さん(67)は、きわめて個性的、かつ独創性の強いアマ・アーチストとして、多彩な制作活動に余念がない。昨今はユニークな影絵作品「蝶の妖精」シリーズづくりに魅せられた様子。
 ボールペンで描いた原画を、絵画の仲間、木原邦夫さん(安部田、無職、67)がコンピューターに取り込み、フィルム板に写した作品は、フィルムのバックから光を当てることで、幻想的な作品に仕上がり、アートフルな魅力を増す。
 「6歳で父を亡くし、幼いころから妖怪や妖精とつき合ってきた私。私は生きる証(あかし)として長い間妖精画を描いてきました。木原さんとの共作となった影絵のモチーフは光と影の透明の世界の追求。チョウを主役に選んだのは、影絵にぴったりの美を満たしてくれるからです」
 ギャラリーに展示したシリーズ作品は、チョウの装いをした妖精(若い女性)の乱舞姿をイメージした作品が中心で、バックアップする木原さんは、「小野さんは天才的とも思える芸術性に富んだ人。自由な発想がすごいですね」と。
 神戸の震災で地獄図を体験した小野さん夫妻は名張に移住した。「多くの人びとの友情で、ギャラリーまでオープンでき、人情の温かさに包まれて毎日が幸せです」と。

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