▼ぴーぷるステーション【NO.21】

玉姫稲荷宮を復活・神職鶴井利也さん(77)

■よみがえる玉姫稲荷宮
 荒れ放題だった朝日町地内の名張川右岸が美しく整備された護岸道路エコロードの中ほどに、小さな玉姫稲荷宮の社の光景が鮮やかになった。
 旧町住民のボランティア活動で、山のような不法廃棄物を処分、竹やぶを整理、竹垣をめぐらせて快適な景観に復活させた。それを機に地元住民らが、竹やぶに埋もれていた社を整備、赤い鳥居も新築して、かつての姿をよみがえらせた。
 町内の神職鶴井利也さん(77)は、「存在そのものが見えなくなっており、気になっていたのですが、多くの人びとのお力で、再びよみがえらせていただきホッとしています」と。鶴井さんの調べによると、この小さい社は、約70年前、地の先人らが伊勢神宮外宮から祭神豊受大神、京都の伏見稲荷から祭神分祀の申し入れをかなえていただき、名張川の河岸に社を鎮座し、多くの人びとの信仰を集めていたという記録が残っているという。
 ひと昔前、朝日町は北出の地名で呼ばれた純農村。鶴井さんは、「玉姫は別称橋姫名で知られた古代の女神。伏見のお稲荷は゛お稲ナリさん。五穀豊穣の神様。いまも農家の信仰が厚い。お社は小さいが、霊験は大きいと、信仰者が多く、旧町に限らず、近郊からのお参り客も多い。朝夕の散歩者にとっても、お社は格好の心のオアシスのようです」と。

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