▼ぴーぷるステーション【NO.25】

市民活動支援センター準備室長・橋本裕徳さん(48)

■田植え通し農楽アート
 「『農楽(のうがく)アート』とでも名付けましょうか」。名張市立国津小学校の児童らに、田植え体験を通して物を生み出す農業の芸術性を提唱した橋本裕徳さん(48)。この春に市の広報担当から市民活動支援センター準備室長に昇格したばかりの公務員だが、農業への思いは強い。
 「小さいころ、水田や畑で米・野菜ができるのは当たり前の農村風景だった。それが年々、休耕したり荒れたままというのをよく見かける。農業は、一定の期間の中で自然と人が作り出す一つの芸術です。このふるさとの原風景をどのように残していくか。名張は観阿弥が能楽を創座したゆかりの地。『農楽』と『能楽』でしゃれてみました」と、控え目に話す橋本さん。
 市役所に入ったのは30年前。農林部門、農業研修センター、広報関係などを歴任し、約30年前に誕生した新しい芸能「天正みだれ太鼓」のメンバーとしても活躍している。橋本さんは「今回の試みは、単に田植えをして農産物(米)を生産するという目的だけではなく、みんなで楽しむという価値観を見いだすのも狙い。水稲栽培一つとらえても、水が主役となった風景、黄金色と称される実りの景色、収穫後の光景などさまざまです。また、これら全てが自然環境とも密接につながっています。田楽アートと呼んだら、より楽しいですね」と力を込める。

TOP戻る