▼ぴーぷるステーション【NO.29】

名張市シルバー人材センター事務局長・理事長・中川善嗣さん(74)

■年の歳月全力傾ける
 名張市シルバー人材センターの創設から15年、事務局長・理事長としての重責を担ってきた中川善嗣さん(74)=名張市朝日町=が退任した。「同センターの発足は、住宅団地から選出の議員が『大阪にあるのに、名張にはない。何とかせよ』との提案に対し、当時の永岡市長(故人)が『作ります』と答えたのがきっかけ。私は産業部長だったこともあり、国の省庁へ走りました」と中川さん。だが、当時はシルバー人材センターを実現させるには人口が10万人以上という゛壁があり、苦肉の策として高齢者職業相談所を作って仕事の世話を行ってきたという。
 1986(昭和61)春に高齢者雇用安定法が制定。その翌年に消防長を最後に退職した中川さんは、会員150人以上、事業契約高5000万円以上という同安定法の条件を前提にセンターの法人化に全力を傾けた。
 「当初の入会者は大阪の人が多かった。農村部のお年寄りは農業がありますからね。しかし、請け負う仕事は草刈りや庭木のせん定、女性は掃除が主体。平成5年までは仕事の確保に大変でした」。この中川さんの苦労も、今ではリストラ組を含めた会員を約30社の市内事業所へ派遣。さらに家事援助サービスなども好調に推移。「これからは高齢者が、高齢者を世話する時代になるでしょう」とも言い切る。

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