▼ぴーぷるステーション【NO.46】

全国脊髄損傷者連合会県支部長・田中恒紀さん(51)

■障害者には展示が励み
 社会福祉法人こもはら福祉会の複合福祉施設(奥家英治施設長)「はなの里」の作品展が名張市立図書館で29日まで開かれている。同福祉会勤務の生活指導員で、4月から全国脊髄損傷者連合会県支部長を務める田中恒紀さん(51)は「作品展示は3年前から続けているが、図書館では初めて。夏休みで訪れる子どもたちに鑑賞してもらい、施設への理解を深めてほしい」と、熱っぽく話す。
田中さんは元々、60頭の乳牛を飼う酪農家だった。27歳のとき、牛舎で事故に遭って首を傷め車いす生活。その後、リハビリを重ねて電気部品の組み立て会社で製品検査や部品の選別に従事するなど自力で障害を乗り越えてきた。この作品展も田中さんが「施設の中だけで展示するのではなく、目を外へ広げよう」と施設の職員らに声をかけて実現。これまでに市総合福祉センターふれあいや皇學館大学祭、近鉄名張駅の東西連絡道などで開いてきた。今回は身障ディサービス・療護施設・在宅障害者パソコン教室の人たちが制作した陶芸、書道、ペイントTシャツ、うちわなど約60点が出品されている。
 「作品が市民の目に触れるのは障害者の励みになる。指導者は皆ボランティアです。お世辞にも上手ではないが、今後、名張市展会場の一角にも展示スペースがあれば…」が田中さんの願い。

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