▼ぴーぷるステーション【NO.48】

身体障害者手帳1級所有者・稲田良祐さん(51)

■心地よい風初のドーム
 「風の心地よさを強く感じました」。全身性障害による身体障害者手帳1級所有者の名張市百合が丘東5、稲田良祐さん(51)が今夏、大阪ドームでのプロ野球オールスターゲームを観戦した。「テレビより迫力があった。これまでは家に閉じこもった状態だったので、ライトに照らされた美しい球場で直接触れた風が気持ち良かった」と、生まれて初めて体験した感動をこのほど市役所で亀井利克市長に熱っぽく報告した。
 稲田さん一家が大阪・八尾から名張市に移って来たのは15年前。車いす生活のため遠くへ外出することもなかった。3年ほど前から同市西田原の複合福祉施設「はなの里」を利用するようになり、最近ではパソコンにも挑戦している。今回の野球観戦は、障害を持つ人の外出を支援し、自立と社会参加を促進するため4月から取り入れられたガイドヘルパー制度によるもの。生活支援センターのコーディネーター、安藤純子さん(44)が相談を受けて同行した。巨人ファンの稲田さん。「欲しかったグッズも買いました」と喜びを全身で表す。
 稲田さんは今、大阪ドームでの思い出をパソコンに打ち込んでいる。「義務教育を受けていないので苦労しています」と母親の澄子さん(76)。そんな心配をよそに「これからもいろんな所へ…」と目を輝かせる。

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