▼ぴーぷるステーション【NO.51】

社会福祉士・石田節子さん(54)

大切なのは人材の育成
 「高齢者福祉に関しては国の施策はだめ、まず人材を育てることが大切だ」。2001年7月から2年間、国際協力事業団(JICA)のシニアボランティアとして南米・パラグアイで日系人対象に福祉対策に携わり、このほど帰国した名張市つつじが丘北9の社会福祉士、石田節子さん(54)。「建物はあっても高齢者を収容できない、何をするにも資金がない、支える制度が必要だ」と、現地で直面した状況を一気に吐き出した。
 派遣されるまで市内の施設でケアマネジャーとして高齢者福祉などを担当した。パラグアイでは日系社会福祉協議会に所属し、首都・アスンシオンや日本からの移住者が多いラパスなど9か所を巡回。老人クラブの指導や歌・手芸・体操などを通して集まることの楽しさ、在宅介護対策について指導してきた。
 パラグアイの主産業は大豆と小麦。「金があっても解決しない問題があり、医療保険は破産状態。社会保障などはないに等しい」と手厳しい。その半面「開拓という大きな夢を持って移住しているだけに、ロマンチックで魅力的な人が多い。また、子どもが親の面倒をみる意識があり、家族のきずなを大切に考えていますね」と石田さん。
 最後に「現地では今、日本語の本を望んでいる。輸送料などの問題もあるが、本を送る運動をしたい」とも話す。

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