▼ぴーぷるステーション【NO.57】

黒田荘史跡顕彰会会長・森本弘一さん

秘蔵の国のナゾに迫る
 戦後、黒田荘史跡顕彰会を創設、いまも会長をつとめる、大屋戸在住の郷土史家、森本弘一さんが、ここ数年来、調査研究に没頭しているのが「伊賀は鉄の国」の立証。
 14日には赤目町檀の鍛冶屋敷遺跡に集まった、伊賀探検家の約20人を前に、「この遺跡はまだ公認ではなく、私たち研究グループが名付けた仮称。民間人に発掘の資格はなく、学術調査は県市にゆだねるべき」と前置きし、同遺跡が、間違いなく東大寺の鋳物師(いもじ)集団によって設けられた12〜13世紀の製鉄地であることの調査結果を発表。
 今は何の変哲もない、農地になっている遺跡地一帯で集めた鉄さい、土器片との関係、周辺には鉄に関係が深い、赤目、赤井、風呂面、湯山谷などの古地名が多く、背後の山には鉄鉱石の埋蔵地が散在、古文書にも製鉄地だった史実を裏付ける記録が存在することなどを詳しく説明した。
 「鍛冶屋敷」が古代の製鉄炉跡だったという仮説は10年前に顕彰会の仮説となった。以来、多角的に研究を続け、東大寺鋳物師集団の進出地だった確信を強め、伊賀では最も行動的な探検隊の求めで現地見学に応じました」と、明かす。
 「製鉄地の解明で、宿願の秘蔵の国のナゾ解きは、切り口が見えてきた。鉄の歴史は伊賀史がふれなかった空白。研究はつづける」と。

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