▼ぴーぷるステーション【NO.59】

前美旗歴史クラブ会長・萩森進さん

不明のナゾ解明が課題
 「私たちのふるさと新田は、来年、開村350年を迎え、秋には゛神君加納直盛奉行をお祭りする加納神社の記念行事が盛大に行われます。地区では準備がスタートしました。1年がかりで、じっくり事業計画をつめようという方針なんです」。
 建築業のかたわら、郷土美旗の歴史を調査・研究してきた萩森進さん(前美旗歴史クラブ会長)は、「記念事業の中に、新田開発、新田用水を主題にした新田史の冊子発行が祭事事業の柱にもはいりました。立派な郷土史編集に期待しています。ただし、新田史にはまだ未解のナゾが数多く残っています。とりわけ、新田村を開発した加納直盛奉行の業績はほぼ解明されているのですが、父の事業を引き継ぎ、実際には新田水路の開発につくした加納直堅の功労が忘れられがちになっているのが残念。直堅は後年、えん罪で一家断絶、一族追放の悲運にあったため伏せられてきたのです」と、郷土史の盲点のナゾを指摘する。
 「名張市史」で、著者中貞夫さんはこの盲点に着目、「加納神社の祭神は直盛一人となっているが、直盛・直堅父子とするのが正しいように思われる。父直盛が新田村創始の功労者とすれば、子直堅は完成した殊勲者」と私見を述べている。萩森さんは「中先生の私見は正しい。それを正史として証明するのが、私たちの今後の課題です」と。

TOP戻る