▼ぴーぷるステーション【NO.62】

元中学校長・小林昭三さん(75)

■旧国津中の沿革史刊行
 元中学校長で、市教育委員も務めた名張市桔梗が丘5の小林昭三さん(75)が18年間教べんを執り、現在は廃校になっている『国津中学校沿革史』(B5判、84ページ)を自費出版した。「国津中では18年間お世話になりながら何ら足跡も残していない。卒業アルバムもない、作らなかったのは自分の責任で怠慢だった。卒業生や地区に申し訳ない気持ちから出版を決意した」。ようやく肩の荷を下ろしたかのように小林さんは語る。
 国津中は1947(昭和22)年5月、名賀郡学校組合立周和中学校国津分教室・長瀬分教室として開校、同29年6月に名張市立国津中学校となったが、生徒数の減少などから68年3月に名張中学へ編入・廃校が決まった。戦後、中国・大連から引き揚げてきた小林さんは開校した年の秋、社会科教諭として採用された。88年に教職を退き、家庭に引きこもっていたが「社会教育の裏の面から役に立ちたい」との気持ちが強まり、人びとの記憶から遠ざかる国津中沿革史の編集に取り組んだ。
 「資料不足のため、当時の教職員や卒業生に記憶をたどってもらったり、思い出話も書いてもらいました。貧弱な内容ですが懐かしいですね」と小林さん。沿革史は学校行事や卒業生名簿などを年度別にまとめ、500部刊行。国津地区の全家庭にも寄付された。

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