▼ぴーぷるステーション【NO.66】

主婦・西きみ子さん(60)

■ひと味違う竹ようかん
 竹ようかんと言えば、名張市民にとっては、青竹の中に入った、ほとんど無色透明のものが当たり前ということだろう。名張藤堂家の始祖・高吉公を祭祀した丸之内、寿栄神社の夏祭りには欠かせぬ、市民になじみの名物。でっち(丁稚)ようかんと並ぶ、名張の風土が産んだ素朴な味である。
所変われば品変わるのが日本人の面白さ。だが、所が違うわけじゃなく、名張に異色の竹ようかんがお目見えしたのだから、一瞬目がパチクリ。なんと、紫色だから…。所は赤目町長坂の古民家ルネサンス「結(ゆい)」の手作り作品展。作り手は伊賀町川西の主婦西きみ子さん(60)。品目はズバリ紫いもでっちようかん。
 野菜づくりが大好きという西さんは、「良質の紫イモがたくさん育ったので、つい遊び心で、ようかんづくりの素材に使ってみたら、結構なお味。知人らに試食してもらったら好評。新作展に参加したら売れ行きは上々」と笑みがこぼれる。
 ようかん作りの材料はイモ500c、棒寒天1本、砂糖250c、塩少々。イモはミキサーでつぶし、寒天を溶かしたナベで煮立て、よく混ぜ、流し器に流して冷やすと言う。紫サツマイモはポリフェノールやアントシアンの含有量が多い健康食品。「沖縄旅行で知った紫色のアイスクリームの美味がヒント」と。

TOP戻る