▼ぴーぷるステーション【NO.68】

「伊賀竜口・ふるさと会」初代会長・森上庄之助さん(85)

■細い糸から布糸を紡ぐ
  「きょうは、せっかく準備いただいたカガリ火が不要なほど、ポッカポカの秋日和になりました。離村者の長年の夢が実現し、みんな、ふるさとの素晴らしさを実感されたと思います。道よし、環境より、人情も昔のまま。暮らしやすいい伊賀竜口を守ってくれた住民の努力に感謝し、お礼を申し上げます」
 1日、竜口公民館に33人が顔をそろえた「伊賀竜口・ふるさと会」の結成総会で、初代会長に選ばれた千葉県松戸市小金原在住の森上庄之助さん(85)は若々しい声で深々と頭を下げた。
 「会員は79人。元気で出席できた方は33人。まだ小さく、細い糸。若い里人たちに支えられ、あすからは、この会を立派な太い糸に紡ぐ楽しみができました。日常は異郷にあっても、ふるさとへの思いは年々つのるのが私情。ふるさとの山、川、そして住民の明るいお顔は、私たちに元気を投げかけてくれます」と。にこやかな表情には、ふるさとの魅力に心底から感動した思いが漂う。
 「この白山神社一帯は少年時代の遊び場。一木一草がなつかしい。山登り、川遊び、チャンバラごっこなど、つい、楽しかった70余年も昔の思い出が走馬灯のようによみがえります。ふるさとは遠くにありて…。そんな詩が好きだけど、やっぱり、その地に立つ現実のふるさとは何倍か味がありますね」としみじみ。

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