▼ぴーぷるステーション【NO.69】

「おきつも名張劇場」『何者』脚本・演出・三枝孝之さん(50)

市民参加が基本の舞台
 結成20周年を迎えた「おきつも名張劇場」(中子統雄代表)が29日に名張市青少年センターで江戸川乱歩原作の『何者』を上演する。三枝孝之さん(50)=同市新田=は、鳩屋伝兵衛の名で仲間と一緒に脚本を仕上げ、演出も担当する。「演出は5回目ですが、劇団として本格的な推理物に挑戦するのは初めて。お客さんがどのようにドラマを見て、感じてくれるか緊張しますね」。4幕5場、市民が手作りした成果が楽しみだ。
 「高校では放送部に入っていました。演劇は友だちに誘われて始めたのがきっかけ」。約20年前に青少年センターが完成した際、「こけら落としに記念の芝居を」との計画があり、一般市民に呼びかけて同劇場が結成された。当時、劇団「文学座」の演出部で活躍した中子さんに相談し、シェークスピアの『ヴェニスの商人』を舞台に。以降は2〜3年に1度の割合で公演している。
 「乱歩の作は映画にはなりやすいが、演劇にすると難しい。今回も原文を忠実にと考えたためシナリオには苦労しました。誰が明智小五郎か?楽しいですよ」と笑い飛ばす。
 劇団員の平均年齢は30代後半。常時は7〜8人だが、OBは100人を超すという。三枝さんは「とにかく市民参加が基本。来年にも何か乱歩作の舞台を計画したい」。意欲的だ。

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