▼ぴーぷるステーション【NO.73】

名張金剛会代表者・澤隆弘さん(56)

名張最古の伝統が誇り
 16日、名張市大屋戸の杉谷神社で神歌、謡曲、仕舞、祝言などを奉納した名張金剛会は、名張では最古の歴史と伝統を守る能楽愛好者団体。大正9年の発足で、今年は83年目。
 代表者は夏見で酒店を営む澤隆弘さん(56)。「一時は20人を超えた時期もあったが現在は10人の小集団。私を除いて全員が女性。それも大半は中高年者。地味な趣味の同好会ですからね。でも、経験は20年前後という人が半数。謡曲・仕舞を主に、月に3回のペースでけい古に励んでいます。レベルの高さが誇りなんです。まあ、量より質を尊重するというモットーなんです」と。
 「全員の意向で、あくまで、古典芸能のよさにこだわる傾向が強く、みなさん゛学ぶ姿勢がお強いですね。経験を積めば積むほど奥の深さを知るのが能楽ですからね。激動する社会ですから、芸に没頭する時は、本当に心の安らぎを実感できます。ありがたいことです。昨今は、ともすれば心が暗くなりがちなご時勢。自ら選んだ趣味をいつまでも大切にしていきたいですね」とも話す。
 「会の師匠、広田泰三先生は重要無形文化財総合指定保持者。ご恩は強い。京都のお弟子さん10人も遠路をいとわず名張に駆けつけていただきました。立派な秋の会となり、ただただ感謝するばかりです」と実感がにじむ。

TOP戻る