▼ぴーぷるステーション【NO.75】

創作木工家・宮部穣二さん(46)

脱サラした創作木工家
 東大和地方の多彩なアーチストがつどうサロン化している奈良県・室生村向渕の室生アートハウスで、3年前に脱サラし、創作木工家の道に挑む都祁村南之庄の宮部穣二さん(46)が、「木との対話」をテーマにした自作の木工作品展を開いている。
 奈良大国文科で学び、大阪・梅田で21年間、自称・企業戦士で奮闘した、典型的な脱サラ成功組だと胸を張る。サラリーマンの傍ら専門学校で家具工芸をマスター、企業戦士を卒業し、都祁村のワラぶきの家に工房を開き、「厳選した無垢(むく)の材と格闘している。掲げた座右の銘は、自作の「自然の豊かな恵みは、地球や人間を優しくつつみ、その中でも樹木の営みは、人の健康と心を営々と癒してきた…。語らぬ木の想いを創作の熱き想いとして人々に伝えていきたい」と。
 2度目となった個展の出展作は、ブナ、ケヤキサクラ、クリ材などを素材に、コツコツと作り上げたオリジナルな実用家具が中心。それぞれに「三日月」「くり坊」「野の風」などの愛称がついている。
 木工は「木の温かさ、優しさを、私の創作にひかれた方にお伝えするのが使命」だと思う。
 ベテランのプロもセンスの新鮮さを賞賛する宮部さんは、「箱物より美し曲線が好き」「大切なのは作家の感性」だと、夢をひろげる。

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