▼ひと【NO.7】
怪人二十面相、森脇和徳さん

■夢は観光大使
名張の住民票持つ市民

 一日郵便局長や市長から名張特別市民としての住民票授与など、新聞をにぎわしている怪人二十面相は誰だろうと疑問に思っていた方も多いのではないだろうか。森脇和徳さん(32)は、昨年の蔵びらき事業以来、「歩く広告塔」としてマントにマスクといった扮装でいろいろなイベントに出没。自分の顔、名前を伏せ、怪人二十面相として活躍してきた。
 当初は名張市内でも周知されていなくて、「トランプマン」や「グリコ森永犯」などに間違われたり、小学生には怖がられ、逃げられるなどかんばしくない反応だったが、約1年間活動を続けてきて、最初は出会う人たちに写真撮影を申し込まれること

も多くなってきた。
 「自分は子どものころから怪人二十面相シリーズが大好きで、よく夢中になって読みふけりました。子どものことなので、江戸川乱歩名張で生れたとか、そういうことは関係なく、義賊という格好いいキャラクターに魅力を感じていたんです。名張を代表するキャラクターをと考えたときに、これ以外にはないと思いました」。可能性を信じて、「自分一人でも扮(ふん)して歩く」覚悟で始めたという。
 衣裳は市役所で借りている。依頼があれば、どこでも行くが、「着替えの場所を探すのに苦労したり、タキシードにマントは結構暑いんですよ。世間の反応も見つつ、夏バージョンお考えようかと…」と本音も少し。
 先日は、友人の結婚式でも一役買った。「怪人二十面相が式に現れ、花嫁の指輪を盗んでしまった。新郎はそれを無事探し出せるか」という企画。会場は大いに盛り上がり、出席者にもとても喜んでもらい、「大成功でした(笑)」。大小どんなイベントでも大歓迎。怪人二十面相が心に残り、そこから名張を連想して、人が集ってくれることを目指している。「今一番欲しいのは観光大使≠ニいう肩書。その肩書を持って、市外へ出て活動したい」と夢を語る。
 森脇さんの甘いマスクと熱い思いは怪人二十面相に最適だと思われるが、後任も探していく予定で、キャラクターが完全に定着して、「2代目、3代目と歴代怪人二十面相…っという感じになっていってほしい」。
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