▼ひと【NO.10】
島ヶ原フルート奏者、日向恵子さん

■からくり≠ナまちづくり
 10月15、16日に催された「からくりのまち名張」の多彩なイベントの音楽部門、「十三夜の演奏会〜音と灯の夕べin栄林寺」と「午後のひとときコンサート」に出演したフルート奏者の日向恵子さん(53、島ヶ原、本名・岩佐絹枝)は、島ヶ原地域だけでなく名張のまちづくり委員会にも数々の助言、アイデアを出してきた。
 「イベントというものは目的があっての手段。イベントをすること自体が目的であってはいけない」と、昨年の「伊賀の蔵開き事業」の実行委員会で知り合った北村嘉孝さん(からくりのまち名張実行委員会)とは以来、さまざまな意見を交わしてきた。「実はからくり≠テーマにまちづくりを進めていくのは私の発案なんで

す。そしてあんどん≠フ発想の元になったのも…。先月やぶっちゃの湯(島ヶ原村)で竹灯りの宴というイベントを開催したのですが、それぞれの土地の特徴を生かして、島ヶ原は竹灯り、名張にふさわしい雰囲気は、あんどんということになりました」と内情を。
 また、「あんどんも、ただ並べるだけでは面白くないので、色んな趣向をこらしています。どんなイベントでも、スタッフ自身が行きたくなるような企画でないとダメ。今回の一番の目的は、旧町にたくさんの人を集めること。それには、工夫したものであっても、単発の小さな企画をバラバラしていては集客力やインパクトに欠ける」というような意見を出し合った結果だとか―。
 16年前に石川県金沢市から島ヶ原へ。「外から来た人間だから、客観的に見れるという部分があります。金沢は歴史があり、文化に力を入れ全国的に定着、観光客もたくさん来ます。名張も、もっと上手に地域の魅力が出せるやりかたはあるはず」。自分の子どもを介しての母親たちと影絵に携わるようになった。影絵と音楽のコラボレーションは、今回の栄林寺でも行われ、大好評。日向さんらの演奏する童謡メドレーに合わせ、地元の子どもが影絵を動かした。
 イベント開催中、日向さんの出番は多く、15日の夜、栄林寺でコンサート。16日の昼には、北村酒造にできたばかりの酒蔵空間で演奏。酒蔵空間は、酒を酌み交わしながら、語り合える「大人な場所」というコンセプトでオープンしたアート空間。異分野同士のコラボレーションによって、さまざまな波及効果が期待できると、1日のオープンニングでは、音楽以外の分野から内科医の釜本善之さんを迎えた。そして今回、著名な写真家、川地清広さんを。以降も、ゲストに次のゲストを紹介してもらうという方法で毎月1回のコンサートを続けていく予定。
 「イベントの成功には、多くの人の出会い意見を出し合うこと人間同士が仲良くなることが大事。やっている人が楽しいと思わないと人を巻き込んでいくことはできない」。
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