▼ひと【NO.15】
「楓の会」会長など多忙、秋山幸良さん

■支え合いが理想の町
 名張市介護保険推進協議会委員、社団法人「呆け老人をかかえる家族の会」三重県支部世話人、全国食生活改善推進委員、クッキングファミリー「絆」代表、伊賀市認知症高齢者「やすらぎ」支援員、園芸福祉サポーター、名張市家族介護者の会「楓の会」会長、とさまざまな要職をこなす秋山幸良さん(57、赤目町)。福祉活動への道は決して平坦なものではなかった。
 静岡県富士市出身。理容師として活躍、人生を謳歌していた。しかし、16年前、妻のみよ子さんが突然アルツハイマー病を発症。結婚後わずか5年のことだった。夫婦の人生が一変した。理容師もやめ、

より良い医療を求めて全国を回った。そんな中、悩みを打ち明けることもままならず、自分も鬱(うつ)に苦しめられた。そして、11年前、名張に。現在、みよ子さんは国津園に入居。「今は落ち着いていみあすが、本当に大変でした。妻に関する話なら何時間でもできます。簡単には話せない。見舞いに行っても、自分が誰かわからなかったり…もう長いですが、会う度に悲しくて辛い思いをします」と秋山さん。
 自分の経験から、介護が必要な人たちを抱える家族の苦しみがよくわかる。悩みを打ち明け合える場所づくりが必要だと訴える。
 また、介護をしてもらう人たちが、安心して暮らせる地域社会の実現のため、まちづくりに関する講座に多く参加してきた。「子どもから高齢者までがお互いに支え合える町が理想です。名張は元気な年寄りが多いけれど、これから高齢者の数は増える一方。市の財政が逼迫(ひっぱく)しているという点でも、寝たきり高齢者を減らすことは大事」。それには「食」の在り方が重要で安全な「地産」のものを利用するべきだと持論を。「自分は、将来、高齢者の方が食べに来て、悩みを打ち明け合えるようなサロンを作りたい」とも。
 一方、「介護には「男女参画」というテーマも含まれています。元気がある間にしたいことがたくさんあって毎日飛び回っています」と。
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