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衣料品店「ヲワリヤ」経営者
福田敬子さん
おしゃれをお手伝い

 ヲワリヤは、1822(文政5)年創業。現在は、ミセス用のファッションを扱う本店(中町)とメンズ・レディースのパークシティーなばり店、ふくよかサイズレディースの近鉄桔梗が丘店の計3店舗。元々は、旧町の本店1店で、主に傘や靴を販売していたが、福田さんが25歳の時、後を継いでヨーロピアンファッションを主体とした店へ。一世を風靡した。その後、紅一点として商工会議所で活躍。大型店舗内へと進出を進めていった。
 「個々のお客様のバックにある生活様式やその方の個性に合わせたおしゃれをお手伝いすることが私の仕事です。お客様へのサービス精神を忘れず、信頼関係を築くことを心掛けています」と言う、福田さんにお話を伺った。

―長年続けられた秘訣は?
 家族の理解と協力。従業員の協力があってのこと。
―女性だからできてきたと思う部分は?
 女性相手の商売ということもあり、お客様の心に入り込めるのは、女同士だからできるのではないでしょうか。
 男女共同参画ということで言えば、商工会議所に入った当時、女性はただ一人。その後、私が誘ったりして徐々に増えましたが、今でも、男性優位を感じることは多い。しかしそんな中でも、女性ならではの感性でできてきたことは沢山あります。

―職場と家庭との切り替えは?
 開店から閉店まで、店は自分の舞台という感覚。家のことは一切考えません。例えば、晩ごはんの支度は、朝仕事に行く前に全部すませます。そうすると、仕事中に晩ごはんのことを考えなくてもいい。
 そして、仕事が終わって家に帰ると、エプロンをする間もなくバタバタします。ただ、帰って真っ先にするのは、テレビをつけること(笑)。ゆっくり見る時間はないんですが、取り敢えずつけます。気分転換になるし、お客様との話題作りにもなる。チャンネルは、もっぱら、ニュースや情報番組、討論番組。テレビを見るのではなく、聞くという感じです。
―忙しくて、つい、家族とけんかになったりしませんか?
 実は、主人とも子どもとも、けんかしたことがないんです。昨年7月、主人は、急に亡くなりましたが、いつも前向きな人でした。婿養子に来てくれた普通のサラリーマンで、全く別々の人生でした。仕事についてのアドバイスなどもなかったのですが、時代の先を読み、過去に縛られない考え方に感化されてきました。また私は、感謝の気持ちを大切にしてきました。その気持ちがあれば、けんかになりません。
―憧れの女性像は?
 もうこの年になったら、憧れっていうのはないですが、夢はあります。健康で他人に迷惑をかけることなく、若い人をもり立てていきたい。あとは、旧町の活性化。
―では、旧町の活性化のためには、具体的に何をすればいいと思いますか?
 今は、それぞれの店の後継者が地元にいないという状況。見限ってしまったという感じです。これをなんとかするには、1軒だけで頑張ってもだめ。やはり、全員の意気込みという部分が根本的な問題です。そういう空気は外にも伝わるもの。また、商店だけでなく、住民も協力する体制が必要。「盛況だった昔のように−」というのは、無理ですが、利便性もあって住みやすい土地。高齢者が安心して、住める町にしなくてはいけません。
 一方、最近、空き店舗を利用してくれる若い人も増えてきていますが、もっともっと活用してもらいたい。短期であれ、色んな人に入ってもらうことで、町は活性化していきます。受け入れなくては。しかし、人に集まってもらうには、もっと町を良くしなくてはなりません。以前にもあちこちに相談してみましたが、旧町内の道路幅を広げることなどは、不可能に近いようです。通行のしやすさに関する論議はたくさんありますが、拙速にするべきことではありません。でも、できる所からやらなくては。
 エコポイントも導入されましたが、PR不足の感が否めません。もっと、商店や行政が一丸となって市民に浸透させていく努力が必要です。例えば、「ナッキー号」にチラシを乗せてもらうとか…、もっと言えば「ナッキー号」の壁面に塗ってもらうとか…。まず、みんなに知ってもらわないといけない。予算との兼ね合いもあって、案があるからすぐ実現とはいかないですが、せっかく始まったことなので定着させたい。
 また、私は、藤堂家が旧町の玄関だと思います。観光客を呼ぶために、もっと、プラスアルファの何かを付ければいいのでは…。地元でも行ったことがないと言う人も多いですから、工夫の余地があると思います。
―次の方を紹介していただけませんか?
 美容院をされている岩本さんはどうでしょうか。賞を取って、頑張っていらっしゃるようです。
―ありがとうございました。

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