▼ひと【NO.4】
70団体の名張市文化協会会長・山崎清司さん

■文化活動の理解を
 名張市文化協会の福本竜一前会長後任に選ばれた山崎清司さん(68、黒田)は元高校教員。区長や区長幹事として活躍、同協会へは設立の会則づくりから関与したと言うから役員歴は古い。
  「まさか会長になるとは思っていませんでした。事務局長を永く務めさせてもらいましたが、会長代行をされていた中島一民さんが次期会長と思っていたのです。高齢を理由に一切の役員をやめられたので、私にお鉢が回ってきました」
  文化協会は70団体、約1200人を擁する大きな世帯。会員は団体会員と個人会員がある。役員の選出は投票による。会長はもちろん、副会長の経験もないものの、設立以来、幹事として陰ながら同協会を支えてきた。

  高校の教師時代、演劇部の顧問を40年間やってきた。中部や県の審査委員も経験している。主役でなくとも、舞台を使う仕事、人をプロデュースすることには自信がある。
  「集団の自己満足ではなく、市民に喜ばれる魅力ある文化協会にしたい。市民に文化と潤いを提供し、名張の歴史文化を掘り起こしたい」と意欲的だ。
  秋に開催される市民文化祭は文化協会が主役、市民を楽しませている。設立時は美術関係者も加入し、協力していたが、途中で脱退した。「お互いに当時の役員も入れ替わったので、美術関係団体との再協力も模索したい」という。
  名張市の体育協会と文化協会は市民生活に大きく寄与している。予算が膨大にある体育協会は、事務局は教育委員会のスポーツ振興室が担当している。それに引き替え文化協会は、事務局運営は会費で賄っている。市からの補助金も年間200万円程度。これについて、以前、文化協会のある役員は、「これが名張市の文化のレベルでもあり市政のレベルでもある。伊賀市とは大きな違い」と皮肉ったこともある。
  新会長の意見を伺うと「体協も文化協会も市民のレクレーションに大きく寄与している。体協の場合は市民の体力向上に寄与し、文化協会は市民に潤いを与えています。体協と文化協の違いは、体協は競技に参加する個人が恩恵をうけるが、市民との接点がありません。文化協会は鑑賞する市民に感動と潤いを提供する。市民に対する恩恵は文化協会の方が大きいと思います」と自負。
  「体育協会の会長は市議会の実力議員が多かった。文化協会は、意識的に政治と一線を画してきたことも一因」と話す。最後に「文化活動を活発にすることは福祉の理想郷をつくることでもある。亀井市長のご理解を得ていきたい」。
TOP戻る