▼ひと【NO.5】
名張市教育委員長に就任・松鹿昭二さん

■史跡標識の建立を
 6月6日付で新しく名張市教育委員長に就任したのは松鹿昭二さん(東町、63)。教員になったきっかけは「兄は東大阪で事業をしており、次男の私が家を継ぐことになってしまった。民間会社に就職が決まったものの、遠方赴任で迷っていたとき、津商業高校の校長先生から誘いがあり」教職の道に。 歴史、郷土史に関心があり、在職中、奈良国立文化財研究所で研修したこともある。名張市の文化財調査委員など歴史に関する多くの委員を歴任。現在、名張市史編纂委員会副会長や民間の伊賀中世城館調査会副会長を務め、郷土史の専門家としても知られている。 「学校教育は、ベテランの教育長がおられるので、私は文化行政や特別支援教育に力をいれたい」と。

  永年、歴史民俗資料館を造ることを提唱。実現に近いポジションになったが、「現在は緊縮財政で、すぐと言うわけにはまいりません」。 「名張市には史跡を示す標石がありません。例えば、名張藤堂氏陣屋跡や関係史跡を示す石柱などです。中世史の研究に大切な黒田の庄は、東大寺古文書があり、多くの研究者がいますが、黒田の庄がどこににあったのかを示す碑すらありません。 名張は史跡が多い。中世の城館、城塞は名張市内71か所が確認されている。現地がどこなのか知っている地元の人は少ない。 「史跡の標柱をあちこちに建てることにより、地元民の関心が高まります、訪問者も多くなり地元活性化に役立つのでは。石柱は説明がなくて跡名だけでよいのです」 各地域で、自分たちの町の史跡標識を建立し、地元活性化に役立てればという思いは強い。 名張高校勤務当時、郷土史研究部員とともに、農具、民具、民話、方言、民家など、消えてゆく運命にあるものを調査、収集、保存、活用に努め、それがボランテイア活動に繋(つな)がった。地域づくり(まちづくり)のヒントになりそうだ。 最後に「私は、教員時代、゛教師である前に人間であること、豊かな心を持ち人の痛みと悲しみがわかること゛をモットーにしてきました」。
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