▼ひと【NO.3】
公認テニスインストラクター・米住儀さん

■親子で意識改革を
 NPO法人スポーツ応援団IGAの代表を務める米住儀さん(52)は、文部科学省公認のテニスインストラクター。ロイヤルテニスクラブ(美旗)のヘッドコーチとしても活躍している。
 「科学技術が進歩し、便利な世の中にはなったが、何か大切なものを失いつつあるのではないか…。以前では考えられなかったような青少年の異常な犯罪が多発する社会に対する不安が」。そんな中、市民がスポーツによる身心の健康増進を図れる環境を提供するために14年4月、スポーツ応援団IGAを結成。翌15年に特定非営利活動法人の設立認定を受けた。具体的な活動内容は、古いテニスボールやラケット

の回収、テニスキャラバン隊の派遣、テニス大会やスクールの開催など。
 「テニスでは使えなくなった古いボールの再利用(リユース)を。有名なテニスプレーヤーの松岡修三などが参加しているグローバルアライアンスという大きなNPO法人の流れをくんでいるのですが、今まで、美旗小や箕曲小などに提供しました。教室の椅子脚カバーとして使用してもらうことで、騒音が減ったと喜んでもらっています。また、キャラバン隊は、テニスの一日無料講習会を。学校や幼稚園、老人施設など、呼んでもらえれば、どこでも行きます」。運動能力の高い子どもの発掘という側面もあるという。
 スポーツの良さについては、「スポーツを通して得るものは、たくさんあります。技術の向上だけが目的ではありません。特に、肥満や引きこもりという問題を持つ子どもたちには有効だと思います。最近は、子どもたちに競争させない風潮がありますが、間違っています。競争の中から学ぶことは、たくさんあるんです。人間関係もそう。試合をすると、当然、勝ち負けがありますが、そこから、いたわりあう心が生まれたり、気持ちの切り替えを覚えたりしていくものです。ぶつかることを避けていてはだめ」と言う。
 また、コーチをしていて気になることが増えた。「最近、受け身な人が多くなってきたように思います。自分からの発信が少なすぎる。テニスでも何でも、先生をあてにし過ぎるな、と言いたいですね。自分の個性を磨くには、自分から創造、工夫をすることが大事です」。この傾向は子どもだけでなく、親にもあると言う。「親子共の意識改革が必要で、それは、スポーツに限ったことではない」。
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