■親子3代めでたい渡り初め
赤目渓谷の不動滝橋の架け替え工事が完成、25日、赤目四十八滝で渡り初め式が行われた。新橋は赤目特産の杉を使い、周りと調和した木製橋になったが、大事な骨組みには鉄骨ラチス鋼が使われている。式には亀井名張市長を初め、来賓や関係者30人が出席、渡り初めは、3世代の夫婦が行う習わしがあり、名張市東町の豊岡健二さん(56)一家が招かれた。豊岡さんは、赤目峡谷内の観光道の安全を守る手すりや階段の制作、補修を一手に引き受けている陰の安全管理者だ。
渓谷内の鉄製手すりの新設や補修は、車や重機を使えない足場の悪い現場。その難工事を東町の豊岡溶工所・豊岡健二さんが一手に引き受けて15年になる。今度架け替えられた不動滝橋は、木橋の素晴らしい橋だが、橋桁の骨組みには鉄骨が入っている。ラチス、コラムとよばれる角型鋼が使用され、豊岡溶工所が制作、納入した。
橋の渡り初めに参加する3世代の夫婦は、地元の赤目町長坂地区では、健康上の理由で全員の参加が難しかった。そこで、不動橋架橋に関係した豊岡家に白羽の矢が立ち、健二さんの両親・佐昭さん、きぬ子さんと健二さん、千代子さん夫婦、娘さん夫婦が招かれるという、めでたい話になった。
「渓谷での作業は足場が悪いうえ、鉄の加工は地形に合わせた現場製作になる。従って能率も悪い。材料や機器の持ち込みは、人力に頼らざるを得ない。ガスボンベや電気溶接機、発電機は軽量の専用機を用意している。今回、渡り初め行事に3夫婦が招ねかれ、めでたく感謝している。今後も観光客の安全を守って行きたい」と健二さん。
銅製の橋銘版は、引退後、彫金に凝っている父の佐吉さんが制作、健二さんが取り付ける親子連携プレーだった。 |