▼ひと【NO.11】
盲導犬と交流会開催 YUMICOさん

■素直な気持ちで
 名張在住のポップス歌手YUMICOゆみこさん(本名・小林由美子、赤目町新川)は13日、百合が丘で盲導犬との交流会を開いた。YUMICOさんは、2004年にCDデビュー。その後、伊賀地域だけでなく奈良、大阪などでもライブ、コンサートを開き活躍。
 紙粘土で作る人形(ロマンドール)教室の講師をしていたYUMICOさんが本格的に歌を始めたのは、生徒の中にカラオケの先生がいたこと。
 「中学生の時はコーラスをしていました。その後は、演劇の魅力にも取り付かれ、女優をしていたこともあったんですが、そこでも歌を歌う機会がありました。子どものころから歌は、好きだった。自分の教室の生徒さんたちがカラオケを習いに行っていることにも触発されて、私も教えてもらうことになったんです。そうするうちに、カラオケ大会に出場して良い成績を収めることができました」。これを機にプロの話が出てきた。カラオケ大会での優勝は難しく、デビューにあたっては、「自分がもし3回以上優勝できたらその話を受けましょう」という条件を出した。それが、現実になったんです」と、振り返る。
 犬が大好きだったというYUMICOさんの娘がオーストラリアへ、アニマルボランティアの活動を学ぶため留学したのが盲導犬との出会いだった。「娘と共同でできること。娘の力になれることを考えたところ、私には歌があると思い当たりました。そこで、チャリティーのコンサートやライブを開くことに結び付いていきました」と話す。
 YUMICOさんが、普及活動に取り組んでいる「補助犬」とは、盲導犬、聴導犬、介助犬をいう。現在、三重県には、盲導犬が12頭、聴導犬も介助犬はまったくいない状況だという。
「補助犬をつくるには、コストがかかるので、なかなか普及していかないんです。比較的つくりやすいという盲導犬でさえ、1頭に300万から400万円かかるんです。そこで微力だが、ライブやコンサートでみなさまに知っていただく機会をもうけたり、交流会をすることなどで、ずっと応援していきたいと思っています」。
 こうした活動の中には、大きな意味のある出会いもあった。コンサートの観客の中に、名張にただ1人だけ盲導犬を使っているという井上スズ子さん(富貴ケ丘)がいた。「井上さんは、7歳の時に失明されて全盲なのですが、音声の出る機能のついたメールを使っていらっしゃるので、メールができるんです。最初は、コンサートのお礼のメールをくださって、そこからずっとお付き合いしているんです。それで、三重補助犬普及協会との交流をしようということになって13日の交流会へと発展していきました」。この出会いで、目の不自由な人の生活も垣間見ることができ、普及活動への思いも一層深まった。
 YUMICOさんは、現在は、キングレコード専属のミュージシャンだった野上圭三さん(伊賀市)に師事し、ボサノバやラテン、ジャズなど多彩なジャンルを学んでいる。来年には、通信カラオケのUGAに「甘い罠〜JeT’aime」と「大阪ラブストーリー」の2曲が配信されることもあって、年3回はライブやコンサートをする予定。
  日ごろ心掛けていることは、足首を冷やさないこと。マスクをして寝ること。うがいをすること・・・など。しかしそれ以上に、心を磨くことを意識している。「人間としてのごく自然な感性を豊かに磨くということはとても大事だと思います。ありがとう、ごめんなさいは、私はすごく好きな言葉なのですが、素直な気持ちを養っていかないと、心が貧しいと顔も貧しくなっていく。それは歌にも響いてくるんです」。 

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