▼ひと【NO.2】
青年海外協力隊に参加  西田佳那さん

■「ダメもと」海外協力隊員に
青年海外協力隊事業は、政府の途上国への開発援助の一環として、独立行政法人国際協力機構(JICA)(緒方貞子理事長)が実施する海外ボランティア派遣事業。独立行政法人国際協力機構法第13条(4)には「開発途上地域の住民を対象として、当該開発途上地域の経済及び社会の発展又は復興に協力することを目的とする国民等の協力活動を促進し、及び助長する」と記載されている。この青年海外協力隊に来年度参加することが決まったのは、西田佳那さん(緑が丘)。現在、近畿大学文芸学部芸術学科4年生で、染色を専門としていることから、現地では民芸品などの商品開発に携わる予定になっている。そんな`若者aに意気込みを聞いた。
 派遣されるのはバングラデシュの首都ダッカ。大学卒業後の4月から約2か月間の研修・訓練を経て、約2年間の任期となる。長野県にある訓練所では、主に現地で話されているベンガル語を勉強する。
 「両親からの反対は全くなかった。心配はしているけど、自分のやりたいことは頑張っておいでと応援してくれています。自分自身、不安がないことはないですが、楽しみでワクワクしている気持ちの方が大きいです」
 協力隊員になるために、1次試験として、書類審査と健康診断、2次試験は、英語と面接を受けた。「ダメでもともとと思っていたのですが、自分の思いを伝えたら合格しました」。
 きっかけは、大学2年生の初めての海外旅行で、インドに行ったこと。「それがボランティアツアーだったので、カルカッタのマザーテレサの施設に行って、ボランティアをしました。海外自体初めてだったし、今まで日本のことしか知らなかったので、それまで当たり前だと思っていたことが、途上国では当たり前でないことを痛感しました。ずっとその時の気持ちが心の中にあって、就職活動をしなくてはいけなくなったときに、このまま就職してもいいのかな…と考え始めたんです」。
 思いはつのるばかりだ。そして、ホームページなどを使っていろいろ探してみた。「海外で私がもっている技術を生かしてできることないかなと思いました。協力隊には昔から憧れがあったんですが、きっと、すごい人がするもんだと思っていました。でも、いろいろ調べるうちに自分でもできることがあったので、本当に『ダメもと』で応募してみました。そしたら受かったので、びっくりしました」とも。
 7月初旬には現地に派遣される予定だ。現地では、ダッカの農村開発局の管轄にある団体に所属する。協力隊でバングラディシュに派遣される人は他にも何人かいるが、その団体で活動するのは自分独り。さらに、自分で住居を探さなくてはならないことや治安面などで、不安も。「そこは、前任者が10年前からいないというので、多分、自分の好きにしてもいいといわれていて、楽しみにしています」と、期待を口にする。現地にあるものを生かして、新しいデザインや技術でよりよいものづくりをして、それを売ることによって、少しでも現地の人たちの生活のたしになるように努力したい。
  「ボランティアで行くという形ですが、技術的なことは教えられるとは思うけど、私も現地の人に色んなことを教えてもらえると思うんです。例えば、もっと内面的なこととか・・・。いろいろ学んで成長していけたらいいなと思っています」。

 
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