▼ひと【NO.3】
中世の城館跡で伊賀焼  山崎龍芳さん

■龍芳窯まちかど博に
伊賀焼の窯元・龍芳窯(名張市箕曲中村)が伊賀まちかど博物館に認定されることになった。伊賀焼陶芸作家の山崎龍芳さん(66)は、市展無鑑査、伊賀陶芸会会員で県展にもたびたび入選しているほか、創造美術大賞を受賞し、創造美術会陶芸部会審査委員を務める作家。個展は毎年開き、本紙でもたびたび紹介。 伊賀焼は釉(うわぐすり)を使わず、高い焼成温度で土が溶け、釉のようになり、さらに灰や炎によって独特の風合いを醸し出すのが特徴。壺や花器、茶の湯に名品が多い。伊賀焼は温度が約1300度の高温で焼かれるため、耐火土を濾過(ろか)し、いくつかの種類を作家が自分の流儀でブレンドする手間のかかるもの。
また、燃料は赤松に限られる。赤松は高温になり、煙や煤(すす)、脂(やに)、灰が溶けだした土と融合する。 山崎さんは35年前から陶芸を始め、数年前に本業を引退、赤松のまきを使う本窯を造り伊賀焼に専念。自宅や作業所は、中世の城館(中村砦)のあったところで、周囲には土塁や壕の跡が残る。中村は古代隠(名張)の中心地で、名張の駅舎(うまや)が近くにあったといわれている。
山崎さんは「だれにでも気軽に来てもらえるよう伊賀まちかど博物館にした。陶芸に関心を持つ人を歓迎したい」と話している。見学は午前10時〜午後4時まで、電話090・3458・6258。

   
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