▼ひと【NO.4】
陶芸家 山崎龍芳さん

■古伊賀の味を追求
古伊賀の味を追求して35年、ガンと闘いながら作陶を続ける名張市中村の陶芸家・山崎龍芳さん(創造美術会運営委員陶芸部審査員)が17日から20日まで、同市瀬古口のハートアイランド内ギャラリー「空」で作品展を開いた。
釉薬(うわぐすり)を使わず、高温で土の成分・石英が溶けだし、灰と融合して独特の風合いを醸すのが古伊賀の魅力。
龍芳さんは「火を入れてから4日4晩。1230度から1240度の熱にさらして焼く。出来栄えは、その時の火加減、炎や煙、灰の状態により異なり、同じものはできない。今度の作品はどんなものができるか、窯から取りだすまでが楽しみだ。気に入った出来栄えのものを見て満足するが、次には、もっとよいものができるのではないかと期待して、さらに挑戦する」と話し、「これが炎にさらされた部分」「これが灰に埋まっていた部分だ」と作品を見ながら説明。陶器の土は島ヶ原の粘土を使う。太古に古琵琶湖の底にたまっていた泥が堆積したものだそうだ。
焼き物は温度によって異なる。淡路瓦(釉薬をつけた瓦)は約600度。これは、伊賀地区では凍るため長持ちしない。伊賀瓦(黒の地瓦)は約800度で焼く。これ以上温度を上げると、土が溶け形が崩れる。古伊賀の陶器の焼成温度1200度以上というのは大変な高温、土も特別のものであることが分かる。
古伊賀の窯は高温にするため、登り窯を使う。数か所で火をつけ、温度を上げる。燃料は赤松を使う。最近は重油やガスを使って温度を上げる。

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