▼ひと【NO.8】
名張商工会議所から感謝状 福岡ミサ子さん

■感謝の気持ち一杯
平成11年、名張産業振興センター「アスピア」が竣工。その当時から、同センターの清掃にあたっていた福岡ミサ子さんは、長年の勤めを終え9月28日で退職。同日、名張商工会議所の川口佳秀会頭から感謝状が贈られた。
名張市滝之原出身で、昭和4年生まれの現在83歳。開館当初はシルバー人材からの派遣で清掃に従事。「シルバー人材からの派遣だと、毎日違う人が掃除するから、みんなが適当にする。自分がちゃんとしてなくても次の人がしてくれるから…と思うでしょう。そうするうちに、(アスピアが)みるみる汚くなってきた」と憂えていた福岡さんに、商工会議所から専属の清掃要員として要請があった。そして13年の歳月がたつ。「みんなちゃんと目があるから、見る人は見てくれている。わたしが掃除をするからには、一言も半言も文句を言われないようにと思ってやってきた」。利用者からもセンターの清潔さは評判だった。
小さい頃から、汚いものに我慢できなかった性格。小学校時代には、学校に早く着いた時は、他の児童も巻き込んで校庭の掃除を好んで行った。8人兄弟、その中できれい好きな性格は2人。育てられ方というよりは「持って生まれた性格」だと思っている。
「与えられた仕事は、何をするにしても心を込めてしないといけない」が信念。「汚れた床でも、一生懸命ゴシゴシしたのと、サーッと拭いたのとでは全然違います」。
70歳でシルバー人材センターに登録。その前は、桜井市の材木店で平日は働き、休日はゴルフ場のキャディー。また畑仕事もこなし、「本当に365日働いてきた」と。
会議所退職後は、「何をしようか」と考えあぐねている。「趣味も特にはないし、とりあえず娘のところに遊びに行くことかな。心掛けていることは特になく、健康に気をつけるということもない」と。
現在は息子夫婦と3人暮らし。「お母さん(お嫁さん)がよくできていて、何でもしてくれるから、精一杯元気で仕事をしてこられた。ここまで使っていただいた商工会議所にも。家族にも、感謝の気持ちでいっぱいです」。働く素晴らしさが伝わってきた。

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