▼ひと【NO.9】
名張市美術展で写真の部市長賞 北林俊秀さん

■楽しい写真表現
第55回を迎えた名張市美術展覧会が今年も盛大に催された。写真の部では北林俊秀さん(桔梗が丘7)がたのは「仲よくねんね」というタイトルのモノクロ写真で市長賞に輝いた。「何かもらえるかなあとは思っていましたが、まさか市長賞とは思ってなかったので、ちょうどそのころ旅行に出掛けていたんです」と。幼い男の子2人が日だまりで昼寝をしている様子が写されている作品だ。被写体は、北林さんの孫の中森翔(かける)くん(8か月)と耀(ひかる)くん(10歳)。自然光の柔らかい表現は心温まる。場所は自宅リビング。日なたでたまたま兄弟が並んで昼寝しているところをテーブルの上の高いアングルから撮影。生活感を少し出すために、写真右端にテーブルの足をわずかに入れて、左上には柔らかなカーテンが入るように考えた。
現在は週3日、大阪日本橋の会社に勤務、「普段ポケットカメラを持ち歩いたりはしていますが、そう写真に夢中というところまではいってないんです」と話す。
写真を始めたのは、約35年前。奈良市内に住んでいたころ、全日本写真連盟(日写連)の奈良支部に在籍。モノクロ写真でフィルムをパトローネに詰め、現像からプリントまでを自宅で夜中に暗幕を張って作品作りに没頭。その後、橿原市に転居。環境も変わり写真からも離れ、マラソンや夏山登山に夢中に。「2001年には、ホノルルマラソンにも走りに行きました。2009年、還暦のときの、あやはし海中ロードレースが最後の大会になりました。写歴として考えると長いんですが、結局、この間の12年間は、写真は全然してないんです」と振り返る。
60歳、腰の脊柱管狭窄症とヘルニアで寝込んで以来、マラソンは引退。昨年4月、義理のいとこに誘われて、日写連の奈良県本部のやまと高原支部を発足するために入部。これがきっかけで、写真を再開した。入部後は、月例会用に定期的に写真を撮影している。身近なところでは、犬の散歩でよく行く桔梗が丘の10号公園の四季を撮影。また、「旅行や山登り、祭りに行くと撮影します」と自然体。
写真は感性が一番という北林さんは「構図や光もとても大事ですが、それだけではなく、風景ならばその土地について、人ならその人柄について、花なら、その花の名前、生態など、祭りならその風習…といったように、被写体について一層の知識をもって臨むと、さらに写真が楽しくなると思います。でも、私はただ、きれいだからとか面白いからというだけでカメラを向けていますから、まだまだ表現に乏しくダメだと反省しています」と。
日ごろは、6人の孫のスナップ写真撮影がメーン。折おりの記念写真に家族は大喜び。
会社は来年で退職の予定。退職後は、「写真に一言コメントを載せた写真俳句のようなものをパソコンで作ったり、家内がやっている美容室のホームページの制作とか、家族写真の整理とかやろうと思っています」。また現在、太極拳にもはまっているといい、退職を心待ちにしている様子だ。
「写真で表現することを、いろいろ考えるのは楽しいです。わたしの所属している日写連やまと高原支部は山添村なんですが、メンバーを募集しています。一緒にできる方がいらっしゃったらぜひ連絡ください」と。問い合わせ先は、0743-85-0315(支部長、福山さん)

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