▼ひと【NO.1】
百合小学習支援コーディネーター 齋藤公太郎さん

■地域と学校のかけ橋
(社)青蓮寺・百合が丘地域づくり協議会副会長理事の齋藤公太郎さん(73)は、百合が丘小学校学習支援コーディネーターとして、地域と学校とのかけ橋として、日々奔走中だ。
    百合が丘小学校の学習支援ボランティア「ほめほめ隊」は、児童が授業に興味を持って、意欲的に臨めるように支援することを目的として、平成23年発足。学習の一環として、校庭の一角を使った野菜作りの指導も行う。会員は、青蓮寺・百合が丘の有志。もちろん齋藤さんもその一人。全員、事前に教育委員会に登録して活動している。
    齋藤さんは、自身のことを「平成13年に自治会長をやって以来、17年に自治連合会、まちづくり委員会副会長をやり、百合が丘市民センターの館長を4年やり…ずっとまちづくりに関わって、いわゆる“まちづくりバカ”です」と話す。
    これらまちづくりの活動をやるうちに、地域の代表として百合が丘小学校の評議員も務めるようになった。
    平成22年秋、名張教育会館での会議に出席したとのことだ。上島教育長が参加者に向かって、学校支援地域本部事業について「地域住民のかたがたにもボランティアで協力してもらわなくてはならない」と説明した。が、会議の参加者は、ほとんどが教師。地域住民で参加していたのは、5人もいなかった。「見ていたら、先生たちは当惑した様子でした」と思い、「市内の15地域づくりに協力を頼んだらどうですか」と提案した。
    後日、この発言を聞いた当時の百合が丘小学校の校長先生の賛同を得て、メンバー募集を呼びかけたところ、約15人が集まった。しかし、「学校に地域住民が入るとは何事か」と喧々諤々(けんけんがくがく)。「ぼろくそに言われました」。
    そこで2回目の募集では、知り合いの中から、応募するよう個別に依頼。「学校に行って授業をかきまわすような人では困りますから、慎重に選んで頼みました。勧誘では「基本は、ほめる。ほめることを主体にして注意を促すというのは難しいです。わたしも経験はありません。でも興味があるからやろうと思っています」といってお願いしました。現在登録者数は22人。うち女性20人、男性2人。また、野菜づくりには13人の協力を得ている。
    野菜作りの指導には熱心だ。「先日も大雪の次の日に2年生が大根をおでんにして食べましたが、面白かったですよ。大根を抜くことから子どもたちには難しい。いろんなことをいいながら、手が冷たくても楽しんでいました」。子どもとふれあうことが一番の楽しみ。
    会員たちは、「学校の大変さがよくわかった」という。「支援に入って児童の学力が上がったかどうかは不明だが、子どもたちと仲良くなって、学校以外でも出会うと、子どもの方から名前を呼んで、声をかけてくれるようになった」と笑を。
    また、「あいさつ運動なんかをあちこちでやっていますが、学習支援活動を経験した今では向こう三軒両隣という目標は、子どもたちと一緒にやれば成果がでるもんだと確信しています。そして、いじめ問題も、閉鎖的な学校より地域の人が入った方が効果があると信じてやっています。これらの活動を県教委が視察に来ることもあるのですが、まちづくりでもやってもらいたいと思っています。ぜひ、うちに相談に来てください」。引き続きボランティアも募集中!

学校支援地域本部事業
近年、地縁的なつながりが希薄になって、「地域の教育力が低下」していることや「教員ひとりひとりの勤務負担の増加」が問題視されていることから、平成18年、改正教育基本法の「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」が規定され、平成20年度から地域ぐるみで学校運営を支援する「学校支援地域本部事業」が始まった。

   
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