▼ひと【NO.3】
伊賀市議選でトップ当選の新人 市川岳人さん

■郷土愛と奉仕の精神で
伊賀市議会選挙でトップ当選した市川岳人さん。事前取材で、多くの選挙通が「トップは島ケ原の若い坊さんだろう」と予想した新人だ。慶応大学経済学部卒、関西大学法科大学院に学ぶ。職業は僧侶。面構えも良く、選挙通の予想通りトップ当選を果たした。
島ケ原地区の有権者は2101人。「投票率100%で全部の有権者が投票してくれない限り、地元から議員は出せない」といわれてきた地域。その地盤からの出馬だけに、快挙といえる。
「私達僧侶や寺は、多くの人に支えられています。従って社会に恩返しをしなければなりません。そのために弁護士を志して法科大学院に行きました。今回の市議選出馬は、より前向きな奉仕です。弁護士は起こった事象の結果を支援する事後処理ですが、政治は社会の制度をつくり、変えることであり、より前向きな奉仕」と考えての立候補だった。
さらに、前市長時代までの伊賀市の経営や行政に危機感を持っていたことも大きな動機だった。
天台真盛宗の島王山 西念寺の僧侶。大津の三井寺と同宗派。父が住職で東大卒の兄と本人の三人が、檀家約500軒の名刹を守っている。
「慶応大学経済学部を出た人は、銀行か商社など一流企業といわれる会社に勤める人が多いはずですが」との質問に「そのようなことも考えましたが、私は自分が育った郷土が好きです。子どものころから、地元の人や檀家さんに育てられたような気がします。自分の子どもも、田舎の環境で育てたいという気持ちがありました」と話した。そして、「伊賀市で生まれ育った人材は、ほとんど都会へ流出しています。私は、自分だけでも郷土に残り、地元のお役に立ちたいと考えました」と、郷土を思う真摯な青年の心意気が伝わってきた。
市政の喫緊の課題は「医療、市民病院の再生、充実が最優先。ハコモノよりも市民ニーズが優先」とキッパリ。

   
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