▼ひと【NO.4】
丸福精肉店 大谷英紀さん

■忍者グルメが好評
真っ赤な移動販売車で注目の「伊賀忍者バーガー」。全国的にご当地グルメがブームになっている中、「このバーガーのパテは、伊賀牛と三重県産豚の黄金ブレンドで作られ大手ファストフード店のハンバーガーとは肉のうまみが全然違う。おいしい」と評判だ。
忍者バーガーは、平成22年7月、赤目四十八滝忍者修行体験施設「忍者の森」のオープンに合わせたコラボ商品として発売開始された。製造販売しているのは丸福精肉店(本店・名張市元町)。店主は大谷英紀さん(53)。
大谷さんは丸福精肉店の2代目。旧町に昔あった「うぐいす座」の跡を買い取って店を興した先代は、大谷さんが20歳のときに他界。「小学生の頃から自転車で配達するなど手伝いをして、自然と店を継ぐもんだと思っていた」という。
数年前からは、名張観光協会や青年部のアイデアを得て、伊賀牛のPRのため、ローカルヒーロー「伊賀牛集団部位3」の「霜降りレッド」としても活動している。
伊賀牛は「松阪牛にも負けないぐらいおいしい。でも、生産頭数が少ないから全然知名度が低い。でも、これは逆を返せば、レアもので貴重ということですよね」と。
バーガー以外にも、昨年6月からレトルトカレー「伊賀忍者ビーフカレー」を発売している。レトルトカレーは、常温で保存ができて、日持ちする上、この商品は伊賀牛100パーセント。発売後、お客さんから「土産にできるこういう商品を待っていた。よくぞ作ってくれましたと喜びの声をもらったことが一番うれしかった」と話す。この商品で県の「地物一番」の認証も受けた。
第2弾として、今月3日、伊賀牛と三重さくらポークを使った「伊賀忍者ぎゅうとんの術カレー」を発売した。牛肉と豚肉が一緒に入ったカレーは全国でも珍しい。「しっかり全部調べたわけではないのですが、牛肉と豚肉が一緒に入ったレトルトカレーは全国初かな…と思っています。ぜひ食べてみてほしい」。
第1弾のビーフカレーは中辛だったが、今回は女性にも食べやすいように若干甘口。さくらポークと「くのいち」をイメージし、ピンク色のパッケージにした。
両商品ともパッケージ裏側には、名張市観光協会と伊賀市観光協会の協力を得て、赤目四十八滝や上野城などの写真を配置。伊賀のPRになるように…という思いが反映されている。丸福精肉店の店名は、裏面に小さく入っているだけだ。
販売場所も、とれたて名張やだんじり会館、名阪ドライブイン、道の駅など名張市、伊賀市の観光地が中心。しかし、地元住民から販売先の問い合わせがあることから「少しずつ販路を広げられたらありがたいですね」と話す。
商品開発は、主に奥さんの仁子(とよこ)さんと二人三脚。発想は主に大谷さん。現在もあたためているアイデアがあるが、実際、技術的に商品にできるかどうかは別で、まだ試行錯誤を重ねる段階だ。しかし、「忍者○○」というネーミングで順次発表していく計画だそう。
大谷さんは、「バーガー号(移動販売車)の認知度は随分高まってきて、近々、鈴鹿のホンダや、近鉄の鉄道まつりに行かせてもらいます。これからも伊賀地域外、ゆくゆくは関西方面に遠征したい」と夢は広がる。   

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