▼ひと【NO.3】
人生の道しるべを増刷 礒澤宣昭さん

■好評だった独り言
「好評だったので増刷しました」。伊賀市阿保の礒澤宣昭さんが「人生の道しるべ 独り言」を発行した。長い経験から生まれた人生訓を寸言や熟語で表現し、筆で書いた色紙を収録した冊子だ。2年前の300部につづいてこのほど500部を印刷し、知人などに配布した。
礒澤さんは昭和9年生まれ、79歳。県立名張高校を卒業、地元の松原林業に就職したあと、42年に独立し、「材宣」の名で材木商を始めた。平成4年には伊賀地域5つの原木市場を合併してマルタピア協業組合を設立、専務理事になるなど、古代から良質な森林資源の供給地だった伊賀の地で、一貫して材木を扱ってきた。
一方、地域の青年団組織代表を皮切りに、旧青山町時代には町議も経験、長く町体育協会の会長を務め、ロータリークラブで社会奉仕に尽力するなど、本業以外にも多彩な活動に携わり、さまざまな経験を重ねてきた。
還暦を過ぎたころ、おりに触れて心に浮かんでくる言葉を短い文章にまとめ始めた。かなりの数になったため、冊子にまとめることにし、色紙に筆で清書してコメントを添えた。
たとえば、「今日 この山を 登りきる」と書かれた色紙には、こんなコメントが寄せられている。
「無計画な毎日は、その日の事を明日に送りがちとなるもの。計画は、長い計画と短い計画にし、最後は、今日これをやりきる……となる。それをやり終えて、そこで生きている実感や達成感となる」 人生経験に裏付けられた実感がこめられている。
言葉に関する寸言には、「言葉は 感動を呼び 感動は 行動を誘う」があり、コメントは「人生の道しるべ 独り言」に秘めた信念が語られている。
「見るもの聞くものに感動するが、中でも文字や言葉から得る感動は多く、強烈で行動を誘う。若い時の感動が思い起こされて、懐かしい。行動を誘う程の感動ある言葉に浸りたいものだ」
収録した色紙は100点。「青年期に」「試練の中で」「人の器量は」など12の章に分け、独学で続けてきたという油絵19点もカラーで収録した。
残部は少ないが、希望者には無償で頒布している。
問い合わせは礒澤さん(電話0595・52・0010)へ。

   
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