▼ひと【NO.4】
17日、いきいきで講演会 清野玉男さん・柴龍一郎さん

■ミネラル不足を知ろう
現代食のミネラル不足の実態と対処法を広く知ってもらおうと、17日、名張市武道交流館いきいきで、講演会「第4回食を変えればからだいきいき」(講師、国光美佳氏)が開催される。主催は食事と発達障害を考える会、後援は名張市社会福祉協議会。
同会は2011年10月、代表の清野玉男さん(76、赤目町新川)と、副代表の柴龍一郎さん(74、梅が丘)の2人で立ち上げ、現在会員は10人。福祉まちづくりセンターで月2回の勉強会と年1回、講師を呼んで講演会を行っている。
きっかけは7年前。妻が乳癌(がん)を患った経験がある清野さんと、自身が癌になってしまった柴さんが、「がんを明るく前向きに語る会」(広野光子代表)で活動しているときに出会い、その後、図書館で同じ本を読んで衝撃を受けたことが始まりだ。
その本が、国光美佳氏の著書だった。国光氏は、現代食を正す食生活改善によって、発達障がい児、冷え症、便秘、うつ病、パセドウ病などの改善症例について執筆するかたわら、心と体のケアによる子育て支援や講演活動を行っている。
国光氏によると、代表的なミネラルは、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛などが挙げられるが、健康のためには、非常に大切で、神経伝達物質やホルモンなどを作る重要な栄養素となっている。このミネラルが、豊富に含まれているのは海産物、野菜、乳製品。それが近年、冷凍食品、レトルト食品、外食など便利になった現代食によって、摂取量が減少し、体の不調につながっている。中でも、発達障がいは食事と非常に関係があって、調理するときに昆布やあご、煮干しなどの天然のダシに変えるだけで症状がよくなっているケースがあるという。清野さんは、「食事を変えるという簡単なことで、大変な思いをしている本人や親御さんたちの助けになるのなら、これは伝えないといけないと思った」と話す。
会の名前も目立つように、「食事と発達障害を考える会」とした。「名前を見ただけでもお母さん方に伝わればいいなという気持ちでつけました」と清野さん。
苦労談は数多い。柴さんは、「最初は、本を市長や市会議員、小児科の先生などに持って行ったんです。でも、考え方を受け入れてもらえないところもあります。みなさん公の立場というものもあって、うちとは考え方が違いますとか言われたりして、あんまり歓迎されず。門前払いもたくさんありました。でも中には、とにかく子どもが元気になればいいので…と、個人的におつきあいしてくださる方もいらっしゃいます」と回顧。
ミネラル不足にならないため、清野さんは毎朝、天然のだしを使った卵かけごはんを食す。また、柴さんは、自然の温野菜を食べることと、まめに体を動かすことを心掛けた。数年間、地域の子どもたちの登下校の見守り活動をした後、現在は農業ボランティアとして活躍、癌の手術をしてから5年以上経った。「5年生存とかなんとか言いますが、癌はなくなりましたと医師に言われました」と笑顔。
最後に2人は口を揃えた。「この運動を通して、苦労している親御さんをはじめ、みんなが健康になって医療費をおさえられたらというのが大きな願いです」と話した。

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