▼ひと【NO5】
花、カエル等の日本画個展 金曽明子さん

■童心の絵心忘れず
東京セントラル美術館日本画大賞展入選、天理ビエンナーレ入選、三重県展優秀賞、中日賞、岡田文化財団賞など数々の授賞経験がある。
今回の展覧会では、金曽さんの定番である桜、彼岸花、鶏頭などの花のほかに、カエルを題材にした、はがきサイズから10号まで約30点を出展。約400人が会場を訪れ、中には2度、3度と見に来る人もあり、「今回は、おおげさに言うなら、いのちの慈しみのようなものをテーマにしました。雨の季節にカエルは似合うでしょ。描いてみたい、描かないといけないという自分の深い部分を皆さんにわかってもらえたのでは」と話す。
指導者としても長年活躍。月に1回の桔梗が丘公民館の絵のサークルは「女性だけでなく男性も多いサークルです。メンバーには上手な方が多くて、私は指導というよりアドバイスをします。みなさんの個性を生かして、納得して描いてほしいと思うので、必要以上に指導しないように心掛けています」と。
一方、主宰をしている自宅アトリエの絵画教室は、子ども中心。始めてから約半世紀が経ち、教室に通った生徒は延べ1000人を優に超える。
やめて何年も経ってから、ふらっと遊びに来る子も多く、「立派に成長した生徒たちは、誰だかわからなく、驚いたりする。大人になっても、あの頃楽しかったわ、と話をしに来てくれることがとてもうれしい」。現在教えている生徒の中には、10数年習いに来続けている子もいれば、以前の教え子の子どももいる。
同教室では、幼稚園から大人まで、さらには障がいのある子も一緒。さまざまな年齢、環境の生徒が、それぞれの個性に合わせて、厳しく絵画と向き合う。ときには迷路やパズル、すごろくなど持ち帰って家で楽しめる絵画以外のものを作る日もあり、「加減しつつ飽きずに描かせていけるのは年の候かな」と自負する。
子どもたちと過ごす時間、教室での話、子どもたちの感じ方、表現、反応などすべてが刺激的で「一番好きな時間だ」と。教室のことになると話しが尽きない。
大人の絵と子どもの絵の相違は、「絵の結果が大切な大人の絵。描いている過程が好きという子どもの絵。自分も子どものように絵を描いてみたいと思います」と童心は忘れていない。

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