▼ひと【NO8】
名張市議会議長 森脇和徳さん

■都市振興税の導入再度見直しを求めたい
10月7日、名張市議会、第65代の議長に森脇和徳議員が就任した。42歳。歴代最年少の議長である。大学では商経学部で勉学に勤しんだ論客。経済、法律を専攻し、その片鱗が、これまでの議員活動にも表れている。「期待にこたえたい」と、意識の改革、変革のチャンス、未来への挑戦の3つをスローガンに掲げる森脇議長は、「とどまる勇気とすすめる決断」が身上だ。
平成24年10月、議員としては異例ともいえる住民監査請求を行った。同年8月オープンした温浴施設の無料入浴券配布問題がそのきっかけだ。特定の団体や個人だけに利用無料券が配布されたことを知り、立ち上がった。「金券を知り合いに配った」と議会で追及。「議員が止めなくては、何のための議員か」と行動を起こした。
勇気と決断、その行動は数多い。紆余曲折の末、完成した斎場施設だが、名張市議会で顧問弁護士に喰いつき問題提起したのは同議員だけだった。それだけではない。財政問題にも詳しく、鋭い質問も多い。「森脇氏が議長をている間は、議場での厳しい質問はない。その代わり、見えないところで、提案拒否(審議拒否)をされることがあるかも」と話す市の幹部もいるくらいだ。
6月議会で亀井利克市長の発言以来、名張商工会議所や市民の間で話題となった都市振興税導入問題。現状の固定資産税に0.3パーセント増額し、1.7パーセントとする名張市の市税条例改正案が、9月議会で上程されるにあたり、独自課税調査特別委員会の委員長として選出された。議長適齢期でありながら、火の中のクリを拾ったといわれた。責任感の強い一面も垣間見られたが、同案は9月30日、賛成多数で可決。
名張市議会史上1番若い議長は、就任後、早速抱負を語った。「独自課税・都市振興税を導入する前に、事務事業の再度見直しを行政に求めたい。議会側でも全員協議会政策調査会で検証をお願いする。また、地場産業振興のため、ものづくり条例を制定したい」と意欲を示した。
子ども条例などを制定した名張市議会は、政策立案には積極的な議会として知られ、他市の議会からの視察調査団もある。14日には、静岡県藤枝市の調査団が来名、事務局が説明に当たった。
名張市の議案提出は伊賀市とは異なる。事前に議長に打診後、委員会に提出。定例会が始まるまでに委員会で審議を終え、次期本会議で議案として提案する。
一方、伊賀市は、事前に委員会は開かず、定例会で初めて議案が提案される。従って、議案が否決される場合もある。
名張市は、議会への説明がていねいだ。これが、伝統となっているようだ。森脇議長によると「副議長や常任委員長の時でも事前に行政から相談があり、提案の可否を伝えた」という。
任期は1年だが、「名張市のためになることで信念を持って対処したい」と力強い。頑張っていただきたい。

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