▼ひと【NO.1】
年男 山上和良さん

■気軽なクリニック目指し…
医療法人グリーンスウォードの山上和良理事長は名張市東町出身。1994年に京都大学医学部を卒業し、しばらく勤務医を経験。その後1999年、名張市栄町にやまがみ眼科を開院。2006年に医療法人グリーンスウォードを設立した。
「もともとは実業家になりたかったんです」。IT系に進みたいという思いもあったが、高校時代の進路指導の先生の薦めもあり、医療方面に。そこで、いろいろ調べて考えた結果、眼科医になる決心をした。
現在、医療法人グリーンスウォードは、名張市希央台のメディカルセンター内に「やまがみ眼科」、「みらいのこどもクリニック」、「ちひろ内科クリニック」、希央台5番町に「ハートリークリニック」、桔梗が丘に「かも内科消化器科クリニック」と、さまざまな分野のクリニックを5軒、運営している。
それぞれの特徴をあげると、「やまがみ眼科」は、自宅からクリニックまでの無料送迎があり、日帰りの白内障手術も行っている。他の医療機関との連携を積極的に持っていることも特徴だ。「みらいのこどもクリニック」は小児科。電話、インターネットでの予約が可能で、病児保育室も併設している。「ちひろ内科クリニック」は、女性医師。無料送迎や在宅医療を積極的に行い、女性の患者さんも安心して利用できる病院。「ハートリークリニック」は、完全予約制の美容内科と美容皮膚科(エイジングケア、スキンケア、ダイエット等)。24時間対応の訪問診療も行っている。「かも内科消化器科クリニック」は、高性能機器を設置し、幅広い疾患に対応可能。在宅診療も数多く行っている。
開院にあたっては、綿密な市場調査が欠かせなかった。診察があって自由に行動できないため、事務局として信頼できるメンバー2人が両輪となって動いている。
山上医師によると、今は医療には営利法人参入に規制があるが、医療と薬剤・調剤部門と介護の3部門のうち、調剤と介護に関しては既に営利法人が参入している。結局、規制は緩和の流れに向いているのだという。
「将来、医療業界にも営利法人が参入したとき、個人商店は弱いです。結局、大きな波に飲み込まれていくしかないだろう」と分析「大手はいわば大国であって、明治維新の前に黒船が来たときのような状況に突然なる」と予測。そこで、「結局飲み込まれるのか。飲み込まれないために鎖国するのか。いつまでも鎖国の中で生きていくのではなく、今の段階から欧米列強に対抗できるような力をつけておくべきなんじゃないかと考え、こんな形に至っています」と語る。
理想の医療の形については、「従来の医師の考え方は、成功したら診療所から病院にしていく。つまり個人商店からデパートに…という感じだったんです。でも今、求められているのはコンビニのように、お客さんのニーズを満たす商品が全部はないが、たちまち必要な商品が小さなスペースにあること」と話し、「医療も同じだと思います。めったにかからない病気の場合は、専門の病院にかかっていただいて、8割、9割の人がかかるような確率の高い病気に対応でき、気軽にかかっていただける、そういうクリニックをつくっていければいいなと思います。ドクターが叱り付けたり、何も言ってくれませんというような病院では、やっぱり良くないです」と。
昨年は、地盤が固まってきた年だった。また、次へのステップに向けて地盤を固めた年だったと思っている。
今年2月に滋賀県野洲市に眼科。その後、水口に皮膚科をオープンする。これまで年に1軒、または2軒のペースでクリニックをオープンしてきたが、今年は「4軒ぐらいオープンさせるつもりで動いています」と意欲的。
「今年は一気に飛躍していく年にしたいです」。

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