▼ひと【NO.2】
年男 浅津英明さん

■楽しみ増やしていきたい
「名張は良いところ。他所から来た人にとって住みやすいところだと思います」と話すのは、株式会社名張ゴルフセンター(蔵持町原出)の代表取締役、浅津英明さん。大阪府出身で、昭和61年、父親の経営していたゴルフセンターを継ぐため、桔梗が丘に移ってきた。
今まで、さまざまな分野の役職を引き受け、社会貢献の経験は豊富。現在は名張市ゴルフ協会事務局長、名張ロータリークラブ会員など、また地域では副区長として長年活躍。「商売をやってるんで、声がかかったら引き受けないといけないと思っているんです」と笑う。それだけに「名張市ゴルフ協会が設立した当初から事務局を引き受け、もう10年になる。公的な団体の事務局をさせてもらっているということはありがたい。大事な仕事」という。
ゴルフは一般的に費用がかかって贅沢な遊びと見られがち。最近では、若いプロゴルファーの活躍が目立ち、その姿にあこがれる人も多く、身近なスポーツになった。「バブル期は、目が回るほど忙しく、マナーの悪いプレイヤーとのトラブルもあった。が、「これからはサッカーや野球、テニスなどと同様、ちゃんとしたスポーツとして広めたい」と普及に余念がない。名張市体育協会の副会長も長年務め、ゴルフが誰でも気楽に気軽にやれるスポーツとして、幅広く根付いていってほしいという思いは強い。
2016年開幕のリオデジャネイロ五輪。ゴルフは112年ぶりにオリンピック正式種目として復活する。オリンピック競技に採用され、イメージが大きく変わる可能性は高い。そして、これを機に世界的にゴルフ人口が増えていくのは必至。ただ、期待する一方で、日本は高齢化の影響で逆に減っていくのではないかという見方もある。
浅津さんによると、世界のゴルフ場の数は、3万個所。そのうち1万5千個所がアメリカ。日本は世界で2位で全国に2350個所ある。3位はカナダ。4位はイギリス。5位はオーストラリア。ゴルフ場が多いということは、経済的に成長して豊かになった証拠。また、ゴルフ場の多い国は民主主義が進んでいるとされている。
三重県はゴルフ場が多い「このあたりの方は、当たり前に思っていてあまり気が付いていないかもしれないんですが、名張は車で15分以内に何か所もあるゴルフ天国です。皆さん、もっとプレーされてもいいような気がします。ゴルフは敷居が高いと言われますが、最初の敷居を越えると本当に面白いです。一生楽しめるスポーツとしてお勧めです」と熱く語る。
昨年は個人的には平穏な年だった。ただ、不景気ではあったという。不況に入って20年あまり。「バブルの終わりの平成5年をピークにずっと右肩下がりです。不況が続くとゴルフ人口は減りますね」。
平日に時間に余裕がある中高年が増えた分で落ち込みを防いだ20年だった。しかし、これから団塊の世代が70歳に到達して、体力低下でスポーツ離れが進むことが懸念される。「設備やサービスは今まで以上に行って接客しているが、商売的にはあまり良い時代ではないです。とは言え、ゴルフは息の長いスポーツ。なんとか定着してやっていける素地はできています」と話す。今では、子どもの育成にも力を入れ「名張のジュニアは結構強い」そうだ。
ゴルフを始めたのは23歳。大学時代は体育会航空部でグライダーで空を飛んでいた。大学に入り、変わったものはないかと思っていたところに、たまたまグライダーがあった。「高所恐怖症だが、グライダーは気持ちいい。自由で他の乗り物よりずっとおもしろい。なんでも楽しくないと続かないと思いますよ」。楽しいことを楽しむのが信念だ。
「今年はできるだけ役職を減らしたい。私の時間を増やして妻や家族孝行をしたい。60歳を機にもう少し楽しいことを増やしていきたいと思っています」。

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