▼ひと【NO.2】
年男 関田淳さん

■女性パワーで元気な名張
演歌や歌謡曲、踊り、演劇、マジックなど、さまざまなエンターテイメントを福祉施設などで披露するボランティアグループ「ドレミの会」で活動中の関田淳さん。メンバーは、募集したわけでもなく、気づけばどんどん増え、30人に。定年後入会したメンバーがほとんどで、夫婦で活動している人もいる。男性は3分の1の10人だ。
ドレミの入会は15年前。もともと人前で話をするのが苦手だった。少しでも声が出せるようにと歌を始めた。練習は、同会メンバー全員で月1回。あとはカラオケや畑で「我流ですけどね」という。
名張市、伊賀市、山添村などの老人福祉施設約20か所への慰問がメーンの活動だ。月に5、6か所、1か所に月6、7人が出向く。長年続けてきたボランティアだけに、グループ同士のつながりもできた。四日市や津など遠方の施設から声がかかることもある。
メンバー同士の仲は良い、ほかのボランティアに比べ、派手な衣装がそうさせるのか。
「ぼくは紋付袴(はかま)で歌います。派手な衣装だと場が明るくなる。女性はドレスや着物、かつらをつけることも。この着付けや準備で、楽屋でみんなで笑いこけますよ。ケンカはしたことない」と居心地の良さをアピール。時代劇では水戸黄門を演じ、どじょうすくいを踊るなど、「見てる方も面白いと思うけど、やってる方も面白くて、自分らの良いボケ防止やな」と笑う。
慰問は、老人の体力を考え、1回約1時間。昭和の歌は人気があり、リクエストがくる。「昔のことを思い出すんでしょうな。最初は反応がなかった人が、どんどん乗ってきて、そのうちマイクを渡したら歌いだしたりする。なんせ、聞いてくれるみなさんを元気にするのがぼくらの仕事ですから」。
中でも百歳で他界したおばあさんが印象に残っている。「ときどき涙を流して聞いてくれた」と。また、「私たちの歌を待っていてくれる人もあり、やりがいがあります」と話す。
同会には、86歳で、施設にいる老人と年齢が変わらないメンバーもいる。「彼は、ダンスもするし、手品もする。いつも先頭を切ってやっているのを見て、あの人みたいにならなあかんなと思う。今年も、ボランティア活動をがんばって楽しく歌って、施設を回らせてもらいます」。ますます元気でご活躍中だ。

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